お仕事していて、一番敗北感を感じたこと
割と私的なぽえみーちっくなものので、分かりやすさとか、丁寧な文章とかではないです。
テーマはずばり、敗北感。
ハッキリ言うと、お仕事を通じて凄い人には幾度となくお会いさせていただきました。
アニメ化の際に至っては、それぞれの分野でプロがいるわけで『これは、勝てないなぁ』と感じることが山ほどです。
でも、『敗北感』を感じたかと言われるとそれは違った。
だって、僕は違うのだ。
監督でも、脚本家でも、音楽家でも、アニメーターでも、デザイナーでも、それこそ声優でもないのだから。
言ってしまえば、原作者以外の何者でもないんですね。
ある分野のプロに対して、『すごーい』と思うのと、『敗北感』って直結していないんですよ。
プロとしての姿勢に感銘を受けるとかはあると思いますが。その点、漫画原作をやるようになったので漫画家先生すげぇな……って感情もあります。
ただ、敗北感と言われるとやっぱり違う感じ。
僕には僕の得意なことがあって、人には人の得意なことがあるようなものでしょうか。
この点で同業の先生方相手に『いつかは、あの先生の様に……』とか『あの先生にだけは負けたくない……』とかそういう感情なんかは自然なものかもです。
それも、でも、そこそこ続けていると競合相手というよりは創作仲間、偉大な先達というような関係性の方が強くなっていく感じ。
まぁ、悔しい! とか負けないぞ! とかはあります。そりゃ、僕だって僕の作るラーメンが一番自分にはおいしいと思っているのだから。
諦めとも違うのだけど、なんといえばいいのか……とか思っているんですが、まぁ、偶にはご飯を一緒に食べましょうというような関係性?
とかなんとかのんびりと結論に触れることを避けているのも限界なのでぶっちゃけると、敗北を抱きしめるのは難しいんですよ。
でも、認めましょう。僕はデビューした時の自分に敗北感を感じるようになっています。
なにしろ、今の僕には持っていないものを持っていてずるい。
ずばり、『自分の書いた面白いものを無理やり人に飲み込ませよう』という意思と確信に満ち溢れていました。
言っちゃえば、根拠のない自信。
今の僕には経験と多少の知恵擬きがあります。だから、根拠のある自信以外は信用しなくなっている。
その分、二の足を踏むことが増えましたが。
経験を重ねて小賢しくなった自分が一歩踏み出すのに微妙な勇気を必要とするのはなんだかなぁ……ってところ。
無知ゆえの無謀を推奨したいわけではないです。でも、兎に角、ひたすら我武者らに突っ込んでいけたときとは守りなんてあんまり考えてなかった。
今、それができるか……と考えるだけで敗北感を感じる次第。
前は、守りを意識しないといけなかった。
今は、攻めを意識しないといけない。
だけど、意識の切り替えに手間取るんですよね。
今まで、『守りを見落としていなかったかな?』なんて確認する癖をつけていると、いざ動くべき時に『動くべきでないX個の理由』なんて簡単に列挙できちゃう。
積み重ねた経験はかけがえのない財産だけれども、積み上げた財産に振り回されるのではなく、きちんと使い倒せるようになりたいと思いました。
やりたいことは相変わらずたくさんあるし、面白いものをつくって、人に「このラーメンを食べろ」と突っ込んでいきたいメンタリティは変わらないので、令和では、もう少し積極的に色々と手を出す能動性を回復したいところ。
おわり。
オチ? 特にないよ。マイポエムに期待してくれたならめんごー。