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神話から逆考察する宇宙の起源

神話から見るわたしたちのはじまり

『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』

多くの創作物で引用されているこの有名なフレーズは
フランスの画家ポール・ゴーギャンが1897年から1898年にかけて描いた絵画のタイトルです

ゴーギャンは長年人類が挑んできた課題を一言で表しました

特に一つ目の問い「我々はどこから来たのか」

旧約聖書によると神は土(アダマ)を捏ねて人間を作り上げ

中国の神話では蛇身人首の女神である女媧が黄土を捏ねて人間を作りました

古事記ではわたしたちは イザナギとイザナミの二神が行った神産みによって誕生した八百万の神々の子孫となっています

ではその神々はどこからきたのか
わたしたち人類の想像上の産物でしかないのでしょうか

かつて地上に光の一つもなく夜空が完全に星に埋め尽くされていた頃
人類は日中は命の恵みである太陽をあがめ、夜になると輝く満点の星空を眺めながら世界に思いをはせつつ神話を作り上げました

それはただの想像でしょうか
苦しみから逃れるための現実逃避なのでしょうか
それとも生活をより豊かにするためでしょうか

世界の神話が似通っている理由

わたしはこう仮説を立てます
「彼らはある日ふと頭の中に湧いたきたおぼろげなものを
神々というわかりやすい存在に具現化しただけなのではないかと。」

この「頭のおぼろげなもの」というのがまた面白い

なぜなら場所も人種も違うまったく交流のないのに
神話には共通点があるからです

これを「神話の法則」と呼んでいる人もいます

つまりある日人々の頭の中にふと湧いたアイデアが似通っているのです
ほぼ時間的に同じタイミングで(時間的同時性)
互いに離れた地域において(空間的同時性)

ユングはこの現象に対して
集団や民族、人類の心に普遍的に存在するような先天的な元型があるのではないかと考察し、「集合無意識」と名付けました

集合無意識の正体について

わたしはこの「集合無意識」の正体について
もう少し科学的に追求してみようと思います

意識や魂、精神や心
目に見えないけれど確かに存在を感じるこれらの事象は

現代科学では主に電気信号として説明されようとしています

例えば私たちが何か物事を考えるときに脳にある無数の神経細胞で形作られたネットワークが電気信号を飛ばし合い、伝わり方を変化させることによって、私たちの柔軟な思考や行動の切り替えが可能になると考えられています

この世には他人には見えないものが見える人がいます
過去世、幽霊、龍、鳳凰、天使、悪魔、オーラ・・・など

これはその人の脳では他人と違うネットワークが構築されていて
そうした存在を認識する電気信号の伝え方ができると考えられます

こうした電気信号の正体は「電子」の流れです

「電子」は何も脳の情報伝達にだけ使われるわけではありません
わたしたちの体や世界を構成している元素一つ一つがすべて
原子核と「電子」でできています

ではその「電子」はどこから現れたのか
それはまさに宇宙の起源にさかのぼりますというものです

宇宙の起源と電子の誕生

宇宙の始まりには諸説ありますが、
一番有力な説は
「宇宙は無から爆発的に誕生した(ビッグバン理論)」
というものです

もう少し具体的にいうと
宇宙は約138億年前、時刻ゼロ、空間ゼロ、物質・エネルギー密度共にゼロという無の状態から突然出現しました。この「無」の状態のことを特異点と呼んでいます(点は質量や体積を持たないため)

誕生してすぐに宇宙は急に膨張し(インフレーション)
火の玉と呼ばれるくらいの超高温高密度のエネルギーの塊になり

このときに「重力」が初めて生まれました
(宇宙が生まれて0.00000000000000000000000000000000000000000001秒後のことです)

その後に「電子」を含む光子、クォーク、グルーオン、ニュートリノなどの素粒子が生まれました(宇宙が生まれて0.00000000001秒後のことでした)

つまり「重力」も「電子」も宇宙の始まりを見ていませんが、
その直後には順次誕生し
それからずっと今日まで宇宙を見守ってきたことになる

「重力」と「電子」が媒介するわたしたちの意識

わたしはこの「重力」と「電子」そのものが私たちの意識を繋げ、人類の心に普遍的に存在するような先天的な共通した元型(集合無意識)を形作っているのではないかと思いました。

なぜならどちらも世界のあらゆるところに存在し
私たちの意識を伝達する媒体となりうるからです

つまりこの「重力」と「電子」によってできた電気信号には138億年にわたる宇宙の記憶(データ)が蓄積されていて、そして今も「重力」は空間を伝搬することを通じて、「電子」は呼吸などを通じてわたしたちの体から出入りし、森羅万象と私たち人類を繋げ、わたしたちはその記憶を時折掘り起こしてはそこからいわゆる神様からの「功徳」や「お告げ」などを得ているのかもしれません

宇宙はじまりの特異点から出入りする情報

ここでもう一つお話したいことがあります

それは宇宙の始まりの特異点の話です
無から始まった宇宙ですがそのあとすぐに
超高温高密度エネルギー状態になります

この膨大なエネルギーはいったいどこからやってきたのでしょうか

実はこの無の状態に突如生まれた特異点
外部の違う次元とつながっているのではないか、という説があります

時空の外からこの特異点を介しこの膨大なエネルギーと
宇宙の進化に影響を与えるような情報が入り込んできたのではないかと

ブラックホールと多元宇宙論

実はこの特異点は現在の宇宙にも無数に存在しています
一番有名なのがブラックホールです

ブラックホールはそれ自身が持つ強い「重力」により
事象の地平線を超えてきたモノをなんでも吸い込んでしまいます
光すらも

吸い込まれた先にもこの特異点があると言われています
そこから今度はこの宇宙で生まれたエネルギーや情報がまた時空の外に流出し、新たに新しい宇宙を作る(ビッグバン)のための材料に使われているのではないかと考えています

つまりわたしたちの宇宙の外(高次元)では
次々と新しい宇宙が生まれている可能性があるのです

これを焦点を当てたのが今とてもホットな宇宙論
「マルチバース(多元宇宙論)」です

それについても別記事にて考察する予定です

神話と宇宙の起源の密接な関係

ここで再び神話のお話に戻ります
キリスト教などの一神教の神話では
神がいた状態から話が始まることが多いです

この神にあたるのが、特異点から流入した情報ではないかと
考えています

この最初の神様がどのように生まれたかについては
ほとんど書かれていません

なぜなら電子が生まれたときにはすでに
膨大なエネルギー(情報)が存在していた状態だったからです

電子はそのエネルギーがどこからやってきたのかは知りえない
だからわたしたちが電子にアクセスしても
そのイメージが湧きにくいのかもしれません

こうして一神教の神話はいきなり神の天地創造から始まることが多いです

日本神話や中国神話のような多神教神話では
その点は不思議で天地開闢(かいびゃく)にしっかりと触れているのです

たとえば「古事記」では
「天地(あめつち)のはじめ」にて
”天と地が分かれ(開闢し)天之御中主をはじめとする三柱の神が現れて
世界は水に浮かぶ油のように漂っていた”
と記載されています

その続きとして、さらに誕生した二柱の神イザナギとイザナミによる国生みと神産みが始まる

これは実際の宇宙の起源とかなり似ています
★天と地が分かれ=ビッグバン
★三柱の神が現れて=高エネルギーな情報が特異点を通じて外から流れ込む
★世界は水に浮かぶ油のよう=高エネルギーに満ちた火の玉宇宙
★二柱の神による国生み=電子などの素粒子の誕生
★神産み=水素やヘリウムなどの元素の誕生

これはたまたまでしょうか?

いいえ、たまたまではなく
かつてわれわれの祖先が夜空に思いをはせて世界の起源を考えたときに
「電子」そしてそれよりももっと少しだけ前に誕生した「重力」に眠る
宇宙の起源の記憶に少しアクセスできたと考えても辻褄が合います

一神教よりも多神教の日本神話のほうが宇宙の記憶によりさかのぼって
アクセスできたのも民族性の特徴が考えられますが
それはまた別の記事で掘り下げていこうと思います

まとめ

長々と書いてきましたが
神話について実際にそういった神様が存在しているかどうか
の議論はさておき、

「重力」や「電子」と相性が良い一部の人類が、世界に満ちた「重力」や体や世界を構成する元素の中に存在する「電子」に蓄積された宇宙初期の情報を受け取りそれを今の自分にできる範囲で具現化(言語化や画像化など)したものが神話なのではないかと私はこの世界をとらえています

神話だけでなく、ほかにもこの世界の法則といったものも「重力」や「電子」に対する感受性を磨くことで少しずつ受け取ることができるのかもしれません

わたしたちはそうした一部の敏感な人達が受け取る情報を理解できないものとして敬遠するのではなく、貴重な宇宙を知るための研究データとして収集・記録していかないといけないと思っています

そこには今の科学ではまだ観測できないためにまだ仮説の段階でしかない
宇宙の起源に秘密を解き明かす大きなヒントが眠っているのではないかと考えているのです

(つづく)


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