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【ライブレポ?】BAD HOP is クソ株?

2023/9/27 BAD HOPワンマン@CITTA川崎、参戦しました。
コロナの時のクラファンでゲトったチケットを使って最前列。
THE LAST SUMMERと題するツアーで、このCITTAの前に豊洲PITでやったのにも行った。
これは東京ドームの数日前から書いてる。
ライブレポというより、CITTAでのライブに触れながらBAD HOPってなんなんって思うところを書く。

カップ麺からカップ麺

CITTAのライブもいつも通りのBAD HOPのライブだった。まあ要は微妙。
フェスで10-20分とかで有名曲詰め込みまくりとかだと保つ、けどワンマンで超絶良かったと思ったことは一度もない。
それでもシーンの中心にいる奴のライブは見たいから首都圏のはほぼ毎回行ってる。

シンプルにライブの力ないよな。誰かしらリリック飛ばすし、ほとんどのメンバーがまともに最後までバース蹴れないし、普通に迫力ないし。
強いて言えばVingoだけは良い。比較的ちゃんとライブしている。Benjazzyも昔はちゃんとしてた気がするけど最近酷い。

まじでこれ以上CITTAのライブ書くことない。
いつも通りの曲をいつも通りのクオリティでライブして終わり。
特に目立った演出とかもなかったな。いつも通り客煽りはお上手。
『High Land』とかみんなで歌って、『CALLIN'』とかみんなで歌って、『I Feel Like GOKU』で飛び跳ねて。

BAD HOPのライブ行ったことない人はわかんないか。
CITTAの動画あったから貼っておく。

まあずっとこんな感じ。
表現ってレベルでもないし、ファン以外をロックできるようなクオリティでもない。
食えるものは「カップ麺からロブスター」になったかもな。ライブはずっとカップ麺クオリティだよ。

アマムダコタン系ラッパー

ただ、幼馴染で組んで、インディーズで、JPOPとも絡まずにHIPHOPだけで、あの若さで東京ドームは流石に凄いと言わざるを得ない。
流石に凄い。

けど人気の取り方もラッパーとしてのあり方も手放しにリスペクト出来ない。何故か考えて見た時に、彼らのアーティスト性の評価が上昇してるんじゃなくて、人気が人気を呼んでるんだよな。
行列店に行列が出来るみたいなのと同じ。アマムダコタンモデルと名付けたいと思います。
それで天才マーケターYZERRさんは理想的な人気上昇ストーリーを完全に理解して、そのストーリーに如何に乗せるかってことを考えて実現してきた。だからマーケターとしては超凄い。GO三浦とかお話にならない。コトラーとタメだろこれ。

けどライブってプロダクトの力しか見れないんだよね。マーケティングで客は集められてもライブではプロダクトそのものの力が如実に出る。感覚としては『Mobb Life』がアーティスト性のピークで、『BAD HOP HOUSE』より後の作品はそこで伝えられる内容、ライブのクオリティほぼ変わってない。人気の規模が変わっててそれの言い方を変えてるだけ。強いて言えばパク、、サンプリングが減ったかも。

YZERRは若さやスピードがブランディングにおいて価値があることを理解してるんだろうな。だから最速で駆け抜けることを何よりも重視していた。
その結果地力は伸びないまま、伸ばす余裕はないまま、人気だけが拡大して来た。もちろん超初期と比べれば伸びてるよ、けど武道館以降は大して変わってない。

じゃあBAD HOPってアーティストとしては完全にしょぼいの?で言うと、全然しょぼくない。あの若さでバックボーンをしっかり落とし込んで、現代風なデリバリーやフローを日本語で実現して、オリジナリティのある強いリリックも多くて。だから『Mobb Life』はあんな評価を得たわけだ。パク、、、サンプリングが多いとはいえ、クオリティとしては高い。
ライブも成長しない、なんなら徐々に劣化してる気がするとは言え、若手の中ではマシな方。

ただ超速人気成長ストーリーに乗せることを重視し始めてからは、『Mobb Life』時点で語っていた出自の厳しさと、俺等人気で金持ち成功者スゲーだろ、にしかなっていない。んでライブは微妙。
要はプロダクトとしての価値は全然上がってない。
『BAD HOP HOUSE』より後でクラシックになりそうな曲ありました?ラストアルバムにアンセムになりそうな曲ありました?

結果として引いて見てる人間からすると、実力の割に肥大化した人気、全くロックできないデカい会場、特に内容の変わらない曲に目が行ってしまうわけである。

東京ドームで問われる真価

この人気が人気を呼ぶモデルっていずれは限界が来る。BAD HOPが獲得できるファン数に上限がある以上、その成長ストーリーはいずれ止まる。
YZERRも恐らくそれを理解していて、成長が停滞する姿を見せるよりも、一気にストーリーを加速させて最高到達地点を高めることを重視し、解散+東京ドームという舞台を選んだわけだ。

だからこの東京ドームは超重要。東京ドームでどんなライブをしたかが、BAD HOPというクルーが何だったのかを示すことになると思う。これさえ素晴らしければ、今までの人気取りストーリーはその芸術を創り上げるための必要経費に過ぎなくなる。
反対にいつも通りの微妙クオリティならBAD HOPはクソ株化する。バブル的な評価の上昇には実態が伴っていなかったことが分かった時、その価値は暴落し、熱狂は一気に現実に引き戻される。

普通に無理だと思うんだよな。豊洲PITロックできないのに東京ドームロックできるわけなくない?超デカいよ東京ドーム。2階席からステージ上の演者なんか豆にしか見えない。誰が誰か区別もつかない。

埋めたことと、そこに色んなラッパーを連れて行ったことに価値があるみたいな話なら、それはマーケティング力の話だよね。天才マーケターYZERRを称賛することはあってもBAD HOPというクルーの評価は『Mobb Life』で終わりですわ。

これを覆してくれるならそれはとんでも無い偉業。無理だと思ってるけど覆してほしい。東京ドーム終わった後に本気で謝らせてくださいよ。

肥大化するファン

そういうマーケティングで集めたファンばかりだから、BAD HOPの目線も徐々に狂っていく。

ラストアルバムでのコラボラッシュの発表にわーわー言ってる人ばっか、コラボ曲以外のクオリティがどうかなんて話してる人ほぼいない。
ライブでもそれは顕著、ライブで盛り上がるのは客が歌える曲ね。
冒頭に書いた『High Land』とか『CALLIN'』、『Asian Doll』そこらへん。
彼らの生き様的には『Bayside Dream』とかでアガっても良いんじゃないの。けどなんかそのあたりは客は歌わないのであんまり盛り上がらない。

曲を作れば誰とコラボしているかで盛り上がり、ライブでは客が歌えたり、被せられたりする曲が盛り上がる。自分たちで集めたファンとは言え、まあ可哀想ではある。
結果としてアルバムはコラボラッシュになり、ライブのセトリは聴かせる曲は削ってくわな。

びっくりしたのが『8BALL CYPHER』でYZERR自身は「歌詞ばかりでFlowを評価できないやつが中心、韻とエモい歌詞に取り憑かれてそれでMusic」って言ってるのよ。いや、そのプライドあったんかい。
あなた達のファンそれしかおらんがな。それ集めたのお前や。

伝説なのか、ヒット商品なのか

『Champion Road』で「本物は記憶から消えない 伝説は死んでも死にきれない」ってパブロさん言ってるわな。
本当にそう。伝説はいつまでも芸術として価値を残し続ける。クラシックと呼ばれるような曲たちはそれである。

で、BAD HOPどうなんだろうね。東京ドームを「埋めた」というマーケティング的な伝説はとりあえず残った。YZERRがマーケ本出すなら俺買う。

アーティストとしての伝説は残るのだろうか。
現時点では『Asian Doll』が港区のアンセムとして残りそうくらい。
東京ドームでのライブが終わった後に「伝説の終焉を目撃した」と思うのか、「あーこれでバドホ終わりかー」くらいなのか。

東京ドームでのライブ、マジで楽しみにしてます。
以上。

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