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【vol.04】 PUNIO忘備録~リノベーションスクール中編~

二日目

スクールは三日間を通して行われる。そしてその三日で(初めて見る物件に)内見に行き、その町の風土を調査し、その建物が何に転用、応用できるかを考え、具体的な予算を計算し、事業計画書を仕上げ、最後にその物件持ち主の人とその町の役所の人たちの前でプレゼンをし評価を頂く。とにかく濃密な三日間なのだ。

すでに二日目にして残すところ後1日になってまだどんな場所にするか決めかねていた。何時間も話し合ってその日の夜中に、設計事務所兼金物屋さんなどどうかという話になった。#縦に長い場所 #数十年続く金物屋さん #一級建築士の資格を持つゆりちゃん などのキーワードから生まれたアイデアだった。リノベーションというと全く新しいものにするイメージがあったのだけど、あえてそのまま事業を受け継ぐという変化のない変化という考えが僕はとても好きだった。

空き家のいいところはその築年数にあると思う。もちろん建物の老朽化など避けられない問題もあるけど、そこですごした人や街の思いが重なり合っているように感じるから。古い家ってなんか落ち着きませんか?そのなんかは科学とかじゃ説明できないなんかだと思うんだよね。気のせいと言われたら浪漫ないけど。

設計事務所兼金物屋さんにすんなり決まると思いきや、革職人のてっちゃんが出した豆腐屋の案も浮上してきた。もっと人が集まる場所にしたいというのがてっちゃんの意見だった。二つの案、どちらも町のことを考えてて絞るのは難しかったけど、結局ゆりちゃんの設計事務所兼金物屋さんに決まった。意見が違うことは話し合いにおいてとても重要だと感じた。妥協案でなく生きた意見が生まれるように感じる。

明日の発表に向けて、コロナ禍だったからお店には行けなかったけど、夜少してっちゃんの家で姫路市役所の役人さんの重入さんと3人で飲んだ。

二人の街への熱い思いを聞いていて大人って格好いいなと改めて思えた。理想だけで語らず実行に移すために画策する大人に、子供の未来のために動く大人になりてえ。飲んでてびっくりしたのは、重入さんとリノベーションスクール裏話を聞いてた時のこと。実は僕が参加できたのはコロナでキャンセルが出たからだってこと。その子がギリギリになってキャンセルしたので募集期間が伸びて僕が参加できたということだった。「送られてきた書類もすげえ熱かったよ」そう言って笑ってた重入さんをみてなんか嬉しくて少し泣きそうになった。

コロナで多くの機会を奪われた。学校にも行けないし、会いたい人にも気軽に会えなくて。ただその中でもできることを探して、できる範囲で動いて。それが報われたように思えた。人の暖かさとかに触れる機会が減ったけど、ちゃんとそこには人と人との触れ合いがあって、暖かかった。

明日は三日目。最後の最後でとんでもない出会いがあった。

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