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ボッシュがHDマップの開発企業、アトラテックを買収


こんにちは、ソラです。

今回は、ボッシュ、デジタル地図を手掛ける「アトラテック」を買収というニュースについてお話ししようと思います。

(今回の内容はYouTubeの内容の書き起こしです。)

このニュースはドイツのメガサプライヤー、ボッシュが自動運転とADASの開発のために、高解像度デジタル地図、いわゆるHDマップのデータを提供しているアトラテックを買収することで、自動運転に関する技術のさらなる強化を目指すというものです。

ボッシュはドイツのシュトゥットガルト近郊ゲルリンゲンに本社を置く多国籍企業で、
・モビリティ
・消費財
・インダストリアルテクノロジー
・エネルギー・建築テクノロジー
の4つの事業を行っています。

モビリティの分野においては、ボッシュの2019年の総売上高の60%を占め、ステレオカメラ、ミリ波レーダーの様な自動車部品や、自動バレーパーキングの様なシステムの開発から、診断機やカメラエーミング用の機材といった、修理工場で使われるものまで幅広く手掛けています。

一方アトラテックは、2014年にドイツのカールスルーエ工科大学から独立した、自動運転やADASに必要なHDマップの開発をしている企業で、ドイツ、日本、アメリカで約25人の従業員がいます。

ではニュースの内容に移りましょう。

自動運転:ボッシュ、買収によりSAEレベル4ソリューションの技術的取り組みを加速
マップを専門とするAtlatecの買収を計画

シュトゥットガルト(ドイツ)ボッシュは、買収により自動運転に関する専門知識を拡大し、市場での地位を強化します。
ドイツのカールスルーエに拠点を構えるAtlatec GmbHは、独立運営企業としてボッシュのクロスドメインコンピューティングソリューション事業部の傘下に入ることで、ボッシュと合意しました。

Atlatec は、運転支援と自動運転に必要な高解像度3Dマップを提供する世界有数の革新的プロバイダーです。2014 年にカールスルーエ工科大学から分離独立した同社は、ドイツ、日本および米国で約25人の従業員を擁しています。

「Atlatec の買収により、高解像度デジタルマップの分野におけるボッシュの専門性、そして多様性の拡大に繋がります。これによりボッシュは、アクチュエーターとセンサーからソフトウェアやマップに至るまで、自動運転に必要なあらゆる構成要素をワンストップで提供できる唯一の企業となります。ボッシュは、この領域において確固たる地位を構築しています」と、クロスドメインコンピューティングソリューション事業部長のマティアス・ピリンは述べています。

「私たちは、デジタルマッピングの専門知識をさらに拡大するという次の段階を目指す中で、ボッシュという最適なパートナーを見つけました」と、Atlatec GmbH の CEO、Henning Lategahn 氏は述べています。

両社は、取得価格を非公表とすることで合意しています。なお、本買収は、独占禁止法当局による承認を経て成立します。

デジタルマップは自動運転のための追加センサー
自動運転機能を安全かつ便利に利用するためには、高解像度のデジタルマップが必要不可欠です。Atlatec は、データの記録や加工だけではなく、マップ自体の作成や必要な品質管理まで、マッピングに必要なあらゆる構成要素をワンストップで提供します。

自動運転では、レーダー、ビデオ、超音波テクノロジーを用いた車載センサーに加えて、デジタルマップも欠かせないセンサーのひとつです。
デジタルマップには、車載センサーの検出範囲をはるかに超える、車両の周辺情報や交通情報が含まれています。

Atlatec は、マップの作成のために、独自のセンサーボックスと関連するソフトウェアを備えた拡張性の高いソリューションを開発しました。
このソリューションが収集する生データは、人工知能(AI)を用いて分析され、さらに道路標識やカーブのきつさ、路面電車の線路といった構造的特徴などの重要な情報が補完されます。AI アルゴリズムは継続的に学習されるため、AI によって検出される道路および環境の特徴の比率は、常に増加し続けます。

自動運転車両は、例えばきついカーブの手前でタイミングよく速度を調整することができます。自動運転の開発において、デジタルマップは最初から重要な役割を果たします。そして自動運転の度合いが高まるほど、マップの作成と走行モードのプログラミングをより緊密に連携させる必要が生じます。

「Atlatec の高解像度マップ作成技術パッケージは、ボッシュに理想的な付加価値をもたらします。
その結果、マッピングソリューションは非常にインテリジェントでアジャイルなものとなり、他のベンダーとは一線を画します。
たとえば、ガードレールや車線マークなどの道路の特徴を AI が最高精度かつ一貫性で識別し、マッピングします。
これにより、より正確に運転戦略のアルゴリズムを設計することができます」と、ボッシュのクロスドメインコンピューティングソリューション事業部で自動運転部門のシニアバイスプレジデントを務めるStephan Honle は述べています。

Atlatec はまた、大量のデータを使用し、デジタルマップに基づいて、自動運転車両の正確な位置推定を可能にするボッシュのロードシグネチャーテクノロジーを補完するものとしても有用です。

ボッシュは、自動運転とマッピングの分野においてさまざまなパートナーとの協働を成功させています。Atlatec が加わることで、こうしたパートナーシップがさらに完全なものになるでしょう。

ボッシュのSAEレベル1から4までの、あらゆる自動化レベルへの取り組み
ボッシュにとって、自動運転は戦略的事業領域のひとつです。
ボッシュは、この分野におけるイノベーションリーダーであり、運転支援システムと必要なセンサー技術によって、早い段階からあらゆる自動化レベルの基礎を築いてきました。ボッシュは、二方面からアプローチをとっています。

一方では、安全でよりリラックスした運転の実現を目指し、運転支援システムと部分的および条件付き自動運転機能システム(SAEレベル1から3まで)に焦点を当てた自家用車向けのソリューションを開発しています。

他方では、ボッシュの開発チームは、フリート車両と新たな運用モデルに焦点を当てたより高いレベルの自動化ソリューションにも取り組んでいます。
特にロジスティクス分野において、SAE レベル 4 の自動運転システムに魅力的なアプリケーションと、大きなビジネスの可能性を見出しています。
さらにボッシュは、ドライバーの介入を全く必要としない世界初の自動運転機能である自動バレーパーキングをすでに開発し、量産準備を整えています。

https://www.bosch.co.jp/press/group-2202-03/

この買収で、ボッシュはアクチュエーター、センサー、ソフトウェアだけでなく、HDマップに至るまで、自動運転に必要な構成要素をすべて1社で提供できるようになりますね。

今回は以上です、ありがとうございました。


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