デイケアに行った日

先日、精神科デイケアの午前中のプログラム(ショートケア)に本利用で初めて参加した。
私がここに至るまでは長かった。

元々、もう10年くらい前だろうか。クリニックのデイケア(ショートケア)にすこしだけ通っていた時期があった。
でも、私はデイケアがすきではなかった。特に楽しいとも思わなかったし、他の利用者さんとの関わりが苦痛だったし、スタッフの人も苦手だった。デイケアに通う意味がわからなくて、楽しくもないのにお金を払うことが嫌だった。
当時の主治医の先生にはデイケアを勧められていたけれど、結局辞めてしまった。
それ以来私の中で、ずっとデイケアのイメージは悪くて、行きたくないと思っていた。

時は経ち。
私は去年、初めてC病院に入院した。
そのときに心理検査をして、その結果「統合失調症」と正式に診断された。そしてそのとき心理の先生に、治療としてデイケアを勧められた。
正直、何故統合失調症の治療としてデイケアが有効なのか私はわからなかった。多分心理の先生に説明してもらったはずなのだけれど、忘れてしまった。
そのときは元々摂食障害の治療で入院していたので、目標体重になって退院することができた。
そして退院後、デイケアの話しはなんとなく無しになっていた。

その後も、私は2回、計3回C病院に入院した。
初めての入院のときから、私は病棟の看護師さんたちのことがすきになっていた。人が怖いくせに、看護師さんとお話しするのはすきだった。
入院生活に慣れてしまうと、退院するのが不安になる。退院後の生活の話しをするとき、複数の看護師さんにデイケアを勧められた。

そんなこともあって、2回目に入院したあと、私はやっと?デイケアを考え始めた。
デイケアの体験に行った。今度はクリニックではなく病院のデイケアに。
でも、そのときのプログラムが私に合っていなかったみたいで、また悪い印象が残ってしまった。
それでも、看護師さんたちが勧めるデイケアを諦めきれなかった。今度はデイケアに行かなければ、という強迫観念のようなものにとらわれていた。

その頃は元々調子が悪かったのだけれど、デイケアの体験が上手くいかなかったことや他のことが重なって、3回目の入院をすることになった。
今度の入院はデイケアのことが入院のきっかけでもあったので、入院した初めの頃から、看護師さんたちとデイケアの話しをしていた。
私の入院する病院では、入院して一週間で「生活治療プログラム」というものをやって、入院のきっかけや今後どうなりたいか、などを看護師さんと話して、入院中の目標を立てることになっている。今回の入院では入院のきっかけのひとつにデイケアがあったことを話して、デイケアに行くことを考えて、入院中OTに行くことが目標になった。このとき生活治療プログラムをやった看護師さんが、私が初めてC病院に入院した日に夜勤だった看護師さんで、私の中では特別な存在の看護師さんだった。
今回の入院では、私が病棟でいちばんすきなTさんという看護師さんともたくさんお話しすることができたのだけれど、Tさんにもデイケアを勧められていた。退院日を決めた面談のあとにTさんと話したとき、それは私が退院する前最後にTさんに会ったときになるのだけれど、そのときもデイケアの話しをした。
そして退院の日、偶然生活治療プログラムをやってくれた看護師さんに会って、その看護師さんにも「デイケア行くにしたの?」と言われた。「できると思うよ」とも言われた。

そういうことがあったから、退院したらデイケアに行かないと、というきもちがあった。
あれだけ病棟の看護師さんたちに言われてデイケアに行かなかったら、もう2病棟に入院できない、とさえ思っていた。2病棟は、私がやっと見つけた居場所だった。病棟の看護師さんたちに見捨てられたら、もう私は生きていけない。

そしてもう一度、今度は前とは違う曜日に体験に行って、今度の曜日のプログラムは良さそうだったので、主治医の先生にデイケアの指示を出してもらって、デイケアを本利用することについになったのだった。
いままで引きこもり生活をしていた私には、ショートケアの3時間でも負担にかんじた。
実際参加してみて、火曜日のプログラムは雰囲気などは悪くは無かったし、何とか最後まで参加することができた。
でもやっぱり、デイケアの前の日の夜は不安でいつもよりよく寝れなかったり、デイケアの数日後も疲れが残ったりした。
本利用になったので、多分これから、週一回半日デイケアに通うようになるのだろうけれど、正直行きたくないきもちもあるし、通い続けられる自信もあまり無い。
それでも、今回、ずっと拒否していたデイケアに参加することができたのは、私にとっては一歩前進だったのではないかと思う。
これからのことはわからないけれど、いまはそう思いたい。

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