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【ドラマ】舟を編む 第三話(1)

第二話の感想を第三話放送の日までかかって書いて、やっと第三話を見た。おもしろかったし、楽しかった。でも第一話、第二話の時に見たとにバーーーっと怒涛のように押し寄せたビビッドな感想が浮かんでこず、頭の中で細切れにほんわかしたものが浮かんでいる感じで、1度目の視聴では感想を書き始められなかった。先ほど2度目をメモをとりながら視聴して今パソコンの画面に向かっている。

今メモ書きを見返すと、1度目の視聴で頭の中がポヤポヤしたもので溢れていたために何かを見落としているんじゃないかと疑っていて、かなり細かいことをメモに書いていることに気づいた。本当は第一話、第二話のように心に強烈に響いたことを感情の赴くままに文字にすることをしたかったのだが、視聴しながらメモを取るという行為はドラマ視聴を楽しむという目的においていい方法ではないのかもしれない。これからの感想文の書き方を考えなければ。(憑依体質なので、三話目視聴直後でしゃべり口が馬締っぽいものになってしまっている。きっと後で読み返して苦笑すると思われる)細かいことをいちいち感想にするのはあまり好きなスタイルではないが、今はそれでやってみようと思う。

香具矢とみどりが縁側で話をしている時にタケおばあさんの話が出て、タケおばあさんの写真がでた。仏壇に飾ってあるために、タケおばあさんが死去していることが窺われる。そしてその横に猫の写真も。トラさんだ。タケおばあさんとトラさんの場面からの退場をよく覚えていなかったので原作に戻ってみると、タケおばあさんが亡くなったのと時を同じくしてトラさんは行方不明になっていて、その後にトラさんにそっくりのトラオさんがやってきて住み着いていた。今回のドラマでもみどりの引越し中の部屋にちょっと太った猫がくつろいでいるのが映って嬉しかったが、あれがトラオさんだ。猫の存在は不思議だ。私が犬、猫が好きなせいも大きいと思うが、小説やドラマで犬や猫が出てきただけで心がほんわかする。実際の生活でも、犬や猫は人と人の間を取り持ってくれる。実際、うちもそう遠くない将来に猫を飼いたいと私は思っている。夫と私は車のレースや飛行機が好きという幾つかの共通する興味を示すものがあるが、大きく違っている部分も多い。車のレースがない秋から冬や飛行機に関することが何もない時、話す話題がない。それでも何か話そうとするとそれがとても興味があることではないからぼんやりしていたり軋みが感じられたりしてうまくいかない。そういう時に犬か猫がそこにいてくれたらその子たちのことを話すことができる。その子たちは共通の興味の対象になってくれて話題になってくれて、愛を注ぐ対象になってくれる。私たちの人生に欠かせないメンバーだと思うので、何か方策を考えて実現できればいいなと思う。

みどりが「血潮」の項目を見ていた。子供の頃から思い込んでいた歌詞がこの血潮だと知って感動するみどり。そしてそれを項目チェックしたこととしてチェックマークを入れる。そこで、そのチェックシートがアップになって、その右の項目に「千入」と書いてあるの写りちょっと不穏な音楽が流れるんだかが、あの右の項目は何の欄なんだろう。あそこに「千入」とあるのをみどりは気づいていなかったようだけど、後に何か伏線があるんだろうか。ちなみに「千入」とは

ちしお  〘名〙 (形動) (「しお」は染色などの時に液に浸す回数を表わす接尾語) 何回も染め液に浸して色を染めること。色濃く染めること。また、濃く染まった色や物。また、そのさま。千入染め。

コトバンク

らしい。その漢字を見かけても読めない。初めて知った。

今回のこのドラマはお仕事ドラマの一つだと思う。少し前の『空飛ぶ広報室』も『重版出来』も『これは経費で落ちません!』も、お仕事ドラマは大好きだ。私がお仕事をうまく続けられない社会不適合者であるから、お仕事を続けている人へ半端ない憧れの念がある。このドラマでみどりは「私なんて」という言葉つい使ってしまい、その度に「あ!」と気づいて言い換える場面がなん度も出てくる。一話目で「なんて」という言葉に気づいてその言葉を使わないように努力しているみどりがいじらしい。そして

みどり「すみません。うまく言えない。」
馬締「うまくなくていいです。」
みどり「はい。言葉にします」

水木しげるの語釈を話し始めた時の会話

「うまく言えない」という逃げの言葉をつい口にするけれど、すぐに仕切り直し、自分で前向きに立ち向かうみどりがたった一話分の間に成長しているのを感じた。相変わらず馬締の「うまくなくていいです」は言われてみたい言葉であるし、みどりが馬締にその言葉だけでその後の言葉を言わせる必要なく自分でその後を言ってるのもとても気持ちのいい師弟関係ができていると思った。

今回の話はいくつかテーマがあったけれど、そのうちの一つが職場での師弟関係じゃないだろうか。引越し中に香具矢がみどりに「こちらこそありがとう」というけれど、あれも馬締にとってみどりの存在がとてもいいものであるということだと思う。辞書編集部に社員として一人きりになっていた馬締にやっとできた仲間。真っ白な布のようなみどりが日々辞書編集について学んで少しずつ色づいて行っているのを馬締はきっと楽しくて嬉しくて仕方ないんじゃないだろうか。それはきっと馬締自身が辞書編集部にやってきた時にやってもらっていたことなんだろうと思う。営業でちょっと浮いていた馬締だったが、辞書編集部で荒木と意気投合し、馬締と反対のタイプだが面倒見のいい西岡に育てられていった。西岡も馬締に出会ったおかげで辞書編集の仕事の楽しさを知っていく。職場の人と人が相互に相乗作用によってそれぞれの幸福に寄与していく様子が見ていてとても気持ちがいい。いい職場ではそういうことが次の世代次の世代で繰り返されていくんだろう。私自身も大学卒業後に新卒入社した会社での最初の1年はとても貴重な経験だった。その時直属の上司だった人とはたった一年一緒だっただけなのに、あの一年は特別なもので、今でもいい関係でいる。同じ一年でもなんでもない時の流れの一年と、一生の中でとても貴重な一年がある。そういう時が自分にもあったのはとてもありがたいことだと思う。

ここまで書くのに1時間かかってしまった。休憩時間オーバーである。やっぱり(2)へ行ってしまうか。今回は書いているうちにもあまり考えがまとまらなかった。後で読み返して大いに反省しよう。



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