871ンスタライブ #024(シロナカムラ)

#871ンスタライブ  #024
2020年1月7日(木)

第24回目の配信は『ユレニワ』のシロナカムラ(Vo/Gt.)をゲストに招いた。ユレニワのこれまでの2年間のお話や、最近ムカついたことの話、そして後半はMCの話で盛り上がった。

主催:柳井貢(以下:871)
ゲスト:シロナカムラ(以下:シロ)

(871) こんばんは。
Twitter見てくれてる人は、気づいてくれてるかなとも思うんですけど、LINEのオープンチャットっていうのをやってみました。どんな風に使うかはまだ悩み中なんですけど、色々探ってるっていう感じです。もし興味ある方は、ちょっと覗いてみてもらえると嬉しいです。
あと何回もツイートしてるんですけど、何回も告知しようと思って。岩崎慧が『えんとつ町のプペル』の主題歌をアレンジをして歌ってくれてるので是非聴いてください!
さ、シロ呼ぼうかな。
皆『Birthday』のMV観てくれたかな。

(シロ) お疲れ様です!

(871) あけおめ!

(シロ) あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

(871) 宜しく(笑)まあついさっきまで喋ってたけどな(笑)

(シロ) そうですね(笑)ミーティングを。

(871) ユレニワのミーティングは大体時間が遅いんだよね。22:00に始まる。

(シロ) この配信って凄い気楽な気持ちでやっていいやつですよね?

(871) いいよ!凄い気楽に、答えづらい質問が俺から来たりはするけど。(笑)

(シロ) はは(笑)頑張ります(笑)

(871) でも俺もまだ掴みきれてないの。今日で24回目。

(シロ) 24回目で柳井さんが掴めてなかったら俺ボロボロっすね。

(871) 結構幅広く何個か思うことがあって。これを発信します!みたいなのは自分の中でまだ定まりきってないんだよね。誰か呼んで喋る時は、単純にその人の魅力が伝えられたらいいなとも思うし、一人で喋る時は、裏方の話が聞ける機会もそんなにないから、そういう話もできたらいいなぁと思ったりしてるんだけど。まあ、探り探り。

(シロ) なるほど。でも柳井さんが今まで学んできたこととか、裏方関係の中で柳井さんが生み出した解釈とか美学みたいなものって、本当に、為になるなぁって思う人絶対いっぱいいると思います。客観的に観てて、これ無料なのめちゃめちゃやばいと思いますよ。凄いなって。

(871) あ、ほんと。
でも“柳井担当あるある”みたいなのって担当されたメンバーでしかわかんないじゃん?(笑)そういうのもちょっと面白いかなって思ってるけどね。アレンジとかの歌詞の細かい所とかは全然口出さないし、なんだったら聴いてますか?みたいな雰囲気あるのにも関わらず、アルバムのタイトルだけは全然OKださない、みたいな(笑)

(シロ) はは(笑)例えばユレニワの中で決め事があったとして、一通り決まって、じゃあ柳井さんに伝えるか!ってなった時に、柳井さんに萎縮してるとかじゃないけど、多分皆、"柳井さん何て言うかなー"って思ってる(笑)今回はなんて言うだろう〜、みたいな(笑)一周回って良いじゃん!って言いそう、みたいな(笑)

(871) ははは(笑)1回予測ゲームすんのね(笑)とりあえず言ってみようみたいなね(笑)

(シロ) そうです(笑)そういう運びになります。

(871) しかもユレニワは、割とメンバー4人に役割分担とかがそこまで無いというか。結構皆フラットに尊重し合うというか。

(シロ) 良くも悪くもだなって思います。やっぱり議論してく上で4人が皆意見を言える環境って、スムーズにはいかないけど。

(871) せやねん。打ち合わせ中に言うとまた黙らせちゃうから言わないんだけど、ユレニワの打ち合わせは4人で喋るか、4人で黙るかやねんな(笑)

(シロ) ははは(笑)ほんとそうっすね。

(871) だから…なんていうの?効率は、良くないよね。でもだからと言って悪いことばかりとも全然思ってないし、効率が良かったら良いものが作れるかって言ったら全くそんな事ないから。

(シロ) でも課題の一つだとは思ってます。それはバンド関係のミーティングに関わらず、普通に私生活してても、ただ濃厚な話し合いだったら良いってわけじゃないですもんね。

(871) 仲はいいんでしょ?

(シロ) めちゃくちゃ良いと思いますよ。

(871) 見ててもそう思うんだけど、凄く仲が良くて、4人とも凄くバンドに真剣だから、凄く主張もする代わりに、凄く配慮もするっていう。

(シロ) あーそうですねぇ。

(871) 勝手な予想だけどさ、例えばシロが、これに関してはこうしたい!みたいなので議論が平行線になったとして、「まあ、シロがどうしてもそうしたいって言うんだったらいいよ」みたいなテンションのことがあったとしら、「いや違う。それだとしたらそうじゃない。俺が求めてんのは」みたいな事言いそう(笑)

(シロ) はは(笑)そうっすね(笑)
来いよ、来いよ、ってなっちゃう(笑)

(871) 凄い青春を地でいってる感じがして好きですよ。

(シロ) あんまり、青春してんなー!っていう感じはしないけど、そういう類のこと言われることも結構あるんで。まだ若いですけど、若々しさをできる限り持ってたいなーっていうのはありますね。

(871) MASH A&Rでグランプリ取ってから、事務所のバンドと横並びになったり、安いけどレコーディングの費用を事務所が出すとか、そういうのがあるとはいえ、まだ全然何者にもなってる感じはしてないじゃん、多分。勿論、作ってるものとか、パフォーマンスに自信を持ってる部分もあるとは思うけど、思い描いてる存在とか、希望を与えられる存在になりたいな、みたいなことと比べるとまだまだ全然な訳じゃん?俺がまだまだだって言ってるわけじゃなくて、自分達の評価としてね。でもそういう過程を、そのまんま料理せずに出せるって面白い時代だなとも思ってる。一昔前だったら、何者かになってから情熱大陸とかで振り返って見れるみたいな感じじゃん。だから今シロのことを見てくれてる人は、シロが何者になるかわからないけど一緒にその時代を見てる。だからこそ俺は今ユレニワに付いてくれているお客さんのこと、むちゃくちゃ有難いなって思ってるし、その人達に何者かになるストーリーを見せてあげてほしいなぁとも思うしね。

(シロ) そうっすね。正直なところ、事務所入って時間も経ってきて、思い描いていた理想よりもうまくいかない焦りとかが無いと言ったら嘘にはなるんですけど、やっぱり俺も感謝してますね。今の時代ってこっち側としても生の声をより身近に聞ける環境じゃないですか。それを耳にしたり目にしたりすると、また頑張ろうっていう率直な気持ちになるし。感謝してますね。

(871) バンドをやる上でのモチベーションの中に、達成したいものとか、お客さんは100人より1000人より1万人の方が良いみたいな、自分の音楽で感動させられる人が少ないよりは多い方がいいじゃんっていう気持ちはあると思う。でも、特にシロみたいなタイプ、っていう言い方は良くないかもしれないけど勝手な俺の思いとしては、量の大事さもあるとはいえ、一人の感動量、深さみたいなのもあるじゃん。どこどこのワンマンがソールドアウトしたぞっていう喜びと、お客さんの量とかではなく自分が満身創痍で歌ってる時にふと目に入ったお客さんの泣いてる顔を見てこっちが泣きそうになる、みたいな。その感動ってまたちょっと別ものだったりするよね。

(シロ) それはそうっすね。どちらがどうっていうのは難しいです。どちらもなんともいえない喜びがありますね。

(871) そこはでも別ものだと思う。
でも今どれくらい?間もなく2年経つんだっけ?もう経ったんだっけ?

(シロ) 2年経ったんじゃないですか?

(871) あれ2年前の年末だったっけ?

(シロ) はい。そのはずなんですけど。

(871) 2年経ちましたおめでとう!(笑)

(シロ) ありがとうございまーす!(笑)2年か。個人的に、2020年はコロナ禍によって結構悩まされた1年間だったので、ライブの数も減ってるしリハーサルが入る数も減ってるし。皆そうだけど、今までの生活様式と変わったじゃないっすか。だから結構あっという間に過ぎたなって感じはしてるんですよ。空白の一年みたいな監事が若干あって。二年経っちゃったんだ、っていう。

(871) コロナがない状態の2年とは全然違うよね。この1年がね。

(シロ) そうですね。
「おめでとうございます」ってめっちゃきてる。ありがとうございます!

(871) 皆、『Birthday』もそうだし、『ピースの報せ』を聴いているのか否かが気になるよね。

(シロ) 確かに。

(871) 俺の計画というか予定っていうか読みではさ、『ピースの報せ』を引っ提げて各地をライブでドサ回りして『ピースの報せ』を手売りで1000枚売ってくるみたいな、そういう1年の予定だったんだけど(笑)「『ピースの報せ』むっちゃ良いアルバム出来たー!!コロナきたーー!!ライブ一切できませーん!」みたいな(笑)

(シロ) ははは(笑)そうっすね(笑)だから俺も今柳井さんが言ったような理想像を思い描いてたんすけど、全然できねーな、ってなって(笑)別のライブの日に、どっかの公演がちょっとできないみたいな連絡を受けて、ライブ直後なのに変な汗出てくる感じでしたよね。すごい覚えてる。それがどんどん続いて結局全然出来ない、思い通りに出来なくなっちゃったし。

(871) なんかなぁ…『ピースの報せ』名盤なんだけどなぁ。本当。

(シロ) めちゃめちゃ良いですよね。

(871) めっちゃいいよ。

(シロ) まだ聴いてない人は本当に聴いて欲しいな。

(871) 凄い失礼なこと言うけどさ、見た目がカッコよくて、シュッとしてて、爽やかで、オシャレで、なんとなくカッコイイから聴いてみる、っていうバンドではないじゃん。

(シロ) いやもうそりゃそうっす(笑)だって、そこを柳井さん達も買ってくれるわけじゃないじゃないですか。俺らも頑張ってもそういう風には売れないし(笑)

(871) 別に一切感じてないわけではないけど、そこを売りにしようと思ってないよね。

(シロ) そうですね、まじで。
絶妙な若々しさが出てるのと、でもただ全力疾走で汗かいて、みたいなイメージだけじゃない感じが、そのままありのまま出せたのかなっていう感じがするので、俺はそういう意味で名盤だなあと思うんですよね。今、全く同じアルバムできないっすもんね。

(871) あ、ほんと。1年経つと。

(シロ) 1年だけでも全然違いますね。

(871) でもどうなの?自信を持ってポジティブに考えて前向きに活動していこうっていうのが基本はあると思うんだけど、敢えて悔しいこととか憤ってることとか思うようにいかないこと、もうちょっとこうやったんけど、まだまだ全然っすねみたいな、そういう話を聞きたいな。

(シロ) それは何に対してですか?

(871) 主に音楽活動のつもりで聞いたけど、全然プライベートでもいいよ。

(シロ) プライベートは不満ばっかりですけど、音楽に関して、“もうちょっとこうだったんだけどなあ〜”っていうの結構すぐ忘れてるんですよね俺。その時はめちゃめちゃ真剣に腹立ったり、落ち込んだりしてるんすけど、ケロッとしてるんです。割とすぐ。

(871) 確かに。引きずってるところはあんまり見たことないかも。

(シロ) あんまり引きずらないっすね。昔、思春期とかは、めちゃくちゃ物思いに耽るというか、よう考えてたんすよね。1個1個に対してすぐ頭使ってロジカルに考えてたりもしたし。一喜一憂が激しかったのもあるんすけど、ある瞬間から、何も考えないようにしたんです(笑)本当に、何も考えないサボりを始めたら結構生きるの楽になって。その癖が良く作用してるんじゃないかなって、ふと考える時はありますね。

(871) あ、ほんと!何にムカつくの?(笑)

(シロ) 音楽関係ですか?

(871) 何でもいいよ!最近ムカついたこととかでも全然いい。

(シロ) 1番最近ムカついたのは、皆と変わんないと思うんですけど、アルバイトしてて、「細けえことでいちいち愚痴愚痴言いやがって!」みたいな。

(871) それはお客さん?店員さん?

(シロ) 店員同士の指摘、っていうか。「中村くん、ちょっとこれ、こういう風にしなさいよ。」「もうちょっとこうじゃないと、どうだからね。」みたいな(笑)今、百貨店の店舗の中でバイトしてるんですよ。言葉遣いがめちゃめちゃ厳しくて。

(871) おー、なるほどね。

(シロ) 例えば、「お会計4500円になります!」って元気よく言ったらめちゃめちゃ怒られて。「4500円で"ございます"にしてくれるかな?」みたいな(笑)めちゃめちゃ言われるんすよ(笑)

(871) えー!

(シロ) 日本のバイトがなんとなく生み出しちゃった敬語って結構あるし、コンビニとかでもなんとなく聞いてるから一般社会でも耳馴染み良くて使っちゃってるみたいなのって結構あるし。俺もそれでつい言っちゃってるんすよ(笑)それを言われて、2日、3日結構キレてましたけど(笑)

(871) そっか。百貨店厳しいのね。俺さ、どっかでも話したことあると思うんだけど、コンビニのレジとかでも、お弁当と烏龍茶とお菓子が一緒にきたら、まずお弁当を温めるかどうかを聞いて、先お弁当ピッてやってから、レンジに入れて、他のヤツをピッてする、みたいなベースってあるじゃん。暗黙のルールみたいな(笑)今だったらコンビニ袋いるかいらないかとか、その後Pontaのポイントはつけるかつけないか、とかさ。そういうベーシックなことを完璧にできる能力と、方や、俺はめっちゃ大好きなんだけど、たまにさTwitterとかYouTubeとかで流れてくる、謎に超ハイテンションなコンビニ店員さんみたいなのいるじゃん(笑)「いらっしゃいませー!!!はい、これ何円です!!!今日もありがとうございましたーーっ!!」みたいな(笑)俺あれが大好きでたまんないんだけど、

(シロ) そうなんだ(笑)

(871) 鬱陶しいっていう人もいると思うけど、確実にロボットには置き変わんないじゃん。あの仕事って。

(シロ) 確かに。個性しかないですもんね(笑)

(871) 空気読む力さえあればさ、あ、この人それが嫌な人なんだなってトーンダウンすることもできるしさ?なんか、俺はそっちに行くんじゃないかなと思ってるけどね。百貨店の最低限のマナーとか、俺らで言うとライブハウスのアルバイトさんは皆、普段パーカーとかジャージとか着てるけど、大阪城ホールになったらいきなり皆スーツ着てるみたいな。謎のTPOあるけど(笑)だから百貨店もTPOがあるんだと思うけど、それでもTPO中でキャラクターとか自分だからできることを出せる人は、食いっぱぐれないだろうなって思ってるけどね(笑)

(シロ) 結構の百貨店の中でバイトし始めてすぐの時は、ポイントカードがうんたらとか、色々言わなきゃいけない最低限のベーシックを固めてたんすね。で、慣れてきて、俺元々演技するのすごい好きなんですよ。俳優さんに憧れるみたいな感じのアレと一緒なんですけど、凄い演技するの好きなんで“百貨店で働く店員の役”みたいなのに入り込んでめちゃめちゃ一人で盛り上がってます。

(871) それもう一歩行ってみよ!

(シロ) どういきましょう?

(871) まずは百貨店の店員さんとして自然なところ。演技するっていう部分でいうと、それこそドラマのエキストラとか、名脇役みたいな超馴染んでる感じ。で、超馴染んでるところを1回クリアした上で、一癖二癖入れていくっていう。

(シロ) なるほど(笑)一癖二癖(笑)
楽しそうっすね。

(871) 何だろう、バンドマンなんかまさにそうじゃん。もしかしたらマネージャーもそうかもしれないけど、スケジュール管理が完璧にできる、頼まれたこと絶対忘れない、ものすごく色んな作業が丁寧にできる、って優秀風じゃん。だけど、今言ったの俺全部苦手っていう。

(シロ) 柳井さんが?(笑)(笑)でも、結構出来てなくないじゃないですか、柳井さん(笑)そこも含めて面白いんですけど(笑)

(871) いや出来てないよ!全然(笑)

(シロ) 結構出来てるぐらいの感じ(笑)

(871) 俺の唯一絶対決めてるルールは、完璧にする!じゃないんだよ。なるべく頑張るんだけど、取り繕わない、っていう。出来てなかったことに気づいた瞬間むっちゃ謝るっていう。

(シロ) 確かに(笑)ユレニワのミーティングしてる時も、開口一番にごめん!って言いますよね(笑)大事っすよね、やっぱり。

(871) ユレニワの打ち合わせで40分遅刻したこともあるよね。娘を片手に「ごめん!忘れてた!」って。(笑)

(シロ) そうでしたね(笑)娘さん可愛いから、皆40分遅れても許しちゃう現象が起きてました(笑)

(871) それがいいとは思わないけど、完璧にできるか否かで図れることっていつかロボットとかサービスに置き変わっちゃうよね。わかりやすいので言ったら、駅の自動改札機が開発された瞬間、恐らく世の中の駅員さんが半分ぐらいでよくなった訳じゃん。切符切らなくて良くなったわけだから。でもそれまでは、すごい速度で完璧に切符を切る駅員さんが評価されてたのに、自動改札機になった瞬間その駅員さんの評価どっかいっちゃうわけじゃん。だったら、切符切るのは凄い遅いんだけど、すごい元気に挨拶してて、煙たがる人もいるんだけど、なんかすごい覚えられてて、トラブルがあった時にその人が出ていって謝ったら許してもらえるみたいな。そういう能力というか、人間味みたいなものって、すごい重要だよなぁと思うね。

(シロ) 確かに。持って生まれたそういう素質の人もいるじゃないですか。もしかしたら顔の雰囲気とかもあるんじゃないっすかね、理屈じゃ語れない顔の優しさっていうか(笑)

(871) 絶対勇気はいると思うよ(笑)

(シロ) 勿論そうですね(笑)そういう人もいるな〜ってふと思ったくらいですけど(笑)

(871) でも勇気みたいなものもね、先天性なことと後天的なものと両方あるとは思う。でも先天的なものは持ってたらラッキー、持ってなかったらしょうがない、でしかなくて。だけど後天的なもので意識することでできるならそうしたいなぁと思うけどね。

(シロ) 今の響きますよ。俺結構喋りかけにくいって言われるんです。風体の問題なのかわかんないですけど、喋りかけにくいとか、怖いとか、なんかあいつ悪そうとか。

(871) 機嫌悪そう、みたいなのとかでしょ?

(シロ) そうそうそう!機嫌悪く見えてるみたいなんですよ。だから後天的に頑張ろうっていう。頑張れることあるなって。

(871) ギャップ、ギャップ!

(シロ) ギャップ?

(871) これ、別に正しいと思ってアドバイスしてるんじゃなくて面白いから言うだけだけど、ずっと話しかけられやすくしておこうと思うと結構体力も使うじゃん。ずっと意識してないといけないから。でも、ベーシック愛想悪いと思われてる人の方が俺は得もすると思うんだよ。ずっと頑張んなくてもポイントで「おはようございますっ!!」って言ったらさ、皆「え?!」ってなるから(笑)「あれ、この人、俺が思ってた印象な感じじゃないんだ!」みたいな。そのギャップでグッと掴めるから、ずっと頑張ろうとするよりそのギャップをコントロールする方がキャッチできる気がするけどね。

(シロ) 確かに!ギャップ萌えって言葉もありますもんね。

(871) 最近そうでもないけど、割かし柳井はさ、見た目っていうか立ち振舞とか生身とか映像でみると結構カジュアルなタイプじゃん。だけど仕事で初めてやり取りするメールとかを、むっちゃくちゃ丁寧にするの俺。スーツ着てるタイプのマネージャーさんかな?って思われるぐらいの。"わたくしは"って言っちゃう感じ(笑)

(シロ) ガチガチっすね(笑)

(871) そのメールをやり取りした上で、打ち合わせとか現場とかで会うと、大体気付かれないっていう(笑)そういう遊びとかもしてるけどね(笑)

(シロ) 遊びなんすか(笑)

(871) 遊びっていうか、なんていうの?自分のペースに持っていけるっていう。
逆もあるよね。先に生身で会ってて、なんかチャラチャラしてんなーとか、カジュアルなやり取りしてくるやつだなって思われても、その後ビシッと社会人っぽいメールきたら向こうも、「あ、ちゃんと返さなきゃ!」ってなってくれるっていうか。

(シロ) 確かに!ギャップの魅力に取り憑かれるな。結構面白いな。

(871) その百貨店のアルバイトで演技してる感じで、何かやってみたらいいんじゃない?

(シロ) 音楽活動の面でも?

(871) そうそう。1回、SNSをすごい丁寧にしてみるみたいな(笑)

(シロ) はは(笑)ツイート内容を、ってことですか?(笑)

(871) そうそう(笑)いやわかんない、それが良いとは限らないんだけど、何がいいんだろうね(笑)どんなギャップが面白いんだろう(笑)

(シロ) 皆そう捉えてくれたらいいですけど、俺のキャラ的に急にやると、「コイツはなんだ?本気か?」みたいな空気になったらめちゃくちゃやだな(笑)

(871) 確かに(笑)ちょっと頭おかしくなったみたいに思われる可能性あるな。

(シロ) それがあったら不本意ですよね(笑)「なんか、シロくん変わっちゃった」みたいな風に思われたら、いやいや!って思うし(笑)むずいですね(笑)

(871) 今「めっちゃ丁寧なMCするとかですかね?」ってコメントが来てて一個話したい話があって。MCの時に、一人称とお客さんの呼び方を、一個のライブの中で変えるのよ。前半と中盤はずっと「僕はこうで、僕はこうで、僕はこう思います」って喋ってんだけど、最後の最後で、「“俺“はなぁ!」みたいな言い方をするっていうコントラストを駆使してお客さんのハートを掴むのが凄く上手な人を知ってるんだけど、固有名詞は出せないっていう(笑)

(シロ) そういう方がいらっしゃるんですね(笑)なるほど。

(871) 技と言えば技なんだけど、それも感情表現の一種の方法っていうか。その人の立ち回りをみてて、いい意味でね、凄く研究してるなと思うし、自分のイメージを他人に伝える手段として、もちろん言葉とかセンテンスも研究するんだけど、そういうテンションの乗せ方みたいなことも重要っていうのはすごい思いましたね。

(シロ) あー。なるほどなーと思います。そうかぁ。

(871) シロもナチュラルでもあるでしょ?

(シロ) 俺は結構、MCに関しては色々紆余曲折してましたけど、今ある形が1番自然体だと思います。語弊があったらあれなんですけど、変なことを喋っちゃう時もあるじゃないですか(笑)あるんすよ(笑)言いたいことと違うなぁ、じゃないけど。

(871) 思ってることとか気持ちが言葉になんないみたいな感じ?

(シロ) あ、そうですそうです。全アドリブ派なんで。後で見返したら結構わけわかんないことを言ってたりするんですけど、でも一番自分という人間が絞れてるなって思います。突っかかって訳わかんないことになっちゃってるのも含めて、これが俺の限界値やなって思う時も結構ある。形はこのままでいいのかな、と思いつつ、あとはブラッシュアップしたいなって。さっき言ってたコントラストとかもそうですし。例えばすごく情熱的な想いでやってて、ずっと「おい!!俺はな!!!」みたいなMCをやってても確かに面白くないですね。何が伝えたいのか分かんないしなーと思ったし。

(871) そうだね。今、俺がちょっと勝手に気になっちゃったんだけど、コメントで「シロさんはそのままがいいなぁ」ってのと「それって本人は意識されてるのか?それとも感情が昂ってるのかな?」「MCも作品として奥深い」ってあって。技術的なこと、スキル的なことっぽく俺喋っちゃったけど、例えばさ『oasis』がFUJI ROCK FESTIVALで日本に来て「Hello!」っていうのと、「コンニチハ!」と言ってくれるのとでは、確実に日本人としては「コンニチハ!」って言ってくれる方が嬉しいわけじゃん。その違いってなんなのかってやっぱり、自分は今どういう場所でライブをしてて、どういう人達が目の前にいて、その人たちにちょっとでも伝わりやすいことをやろうとするか否か、の気持ちじゃん。海外との比較で言うとそういう風にわかりやすい部分があるんだけど、じゃあシロが大阪にライブ行った時にわざわざ、「広島のもみじ饅頭がうまかったんだけど」っていう話をするんだったら、お前たこ焼きの話せえや!みたいなとこあるやん(笑)っていうフェーズがあって、それをもうちょっと込み入って考えた時に、お客さんにどうすれば伝わるのか、っていう感情表現も試行錯誤してみるのは、変な意味でコントロールするとか自分を取り繕うとかではなくて、伝わることを自分で探求してるっていうことな気はするよね。
「ライブのMCはヘタクソでも、言葉が詰まってもそのままの言葉…」っていう"そのままの言葉"ってなんだろうって俺思っちゃうんだよね。ごめんなさい、コメントをピンポイントで拾っちゃって。考えないで出てくる言葉とかあるのかな?無いことはないか。

(シロ)  MCを聴く側の立場、ライブを観てくれてる皆さんの感性にもよると思うんですけど、例えばMCで話してる内容を、文章として、文法に従って国語的に理解してっていう段取りで捉える人と、もっと客観的にじゃないけど、外側から見た“MC”っていう大きな塊を眺めてる人と、っていうので結構違う気がするんですよね。分かりやすく言ったらめちゃめちゃ興奮しまくってる時の『サンボマスター』のMCみたいな。MCを塊として見てる人も国語的に見てる人も、どちらにもグッとくるっていうのが、自分の中ではいいMCだなと思う。だからその感性の違いっていうのも結構あるのかなーってふと思いました。

(871) そうだねー。色んな話が出来そうなテーマだね。何か、ワーッ!!!って(叫んで)言うのも一個のMCと言えばMCじゃん。感情が昂ってとにかく何かを発したい!!!っていうのは勿論そうなんだけど、でも本人はさ、ワーッ!!!って言ってる自分をちょっと客観的に見てたりもするじゃん。

(シロ) ははは(笑)確かに(笑)

(871) 俺、ワーッ!って言ってるわー!これあと何秒言おう!みたいな。

(シロ) はいはいはい(笑)

(871) コミュニケーションってやっぱり受け手と発信側っていうのがあって、言いたいことと伝わってほしいことと必ずしも一緒じゃなかったりとか。だから、ありのままでいて欲しいんだとしたら、oasisが「コンニチハ」って言ったら、お前日本語喋れねぇくせにこんにちはとか言ってんじゃねーよ!みたいな話になっちゃうじゃん。いつも通りHelloって言えや!みたいな(笑)いやでもそうじゃないんだよねっていう部分の、コミュニケーションの妙みたいなところは、何が正しい、何が間違ってるっていうことではなくて凄く奥深いなって、ちょっと喋りながら悩んじゃった(笑)

(シロ) 結構難しい問題だと思います。

(871) まぁ、問題っていうか、永遠に考えられるし、永遠に語ってられるテーマではあるよね。シロが好きな他人のMC名言とかあったりしないの?

(シロ) あ〜…俺全然ないっすね(笑)

(871) 無いんかー!俺、生で見たわけじゃないんだけど、凄い好きなのがあって。多分『↑THE HIGH-LOWS↓』かな。もしかしたら『THE BLUE HEARTS』だったかもしれないけど。甲本ヒロトさんが野音でライブをやった時に、当時暴れちゃう人とかが多くて座席指定で結構警備が厳重だったのね。で、その客席の状況を踏まえて甲本ヒロトさんが、一言一句覚えてるわけじゃないんだけど、「俺たちのライブ来てくれて、ロックンロール好きなやつはこんな風に管理されなくても、自分達で自分達のこととか、仲間達のこと守れるよな?」みたいな、「それがロックンロールだろ?」みたいなことを挟みつつ「まぁでもおれたちはどんどん行くよ、」みたいな、その"どんどん行くよ、"っていう、とにかく淡々と音楽やりますよ、みたいなことを添えるMCに、俺結構“わあ、すごいなぁ”って思っちゃって。蘊蓄を言うわけでもないし何かを説明してるわけでもないんだけど、"今日は俺達音楽でコミュニケーションとろうぜ"っていうのがその"どんどん行くよ"に込められてた。その雰囲気を覚えててすごい好き、っていう自分の思い出話を語って…1時間経ったな。

(シロ) お、もう1時間!

(871) シロ最後に宣伝よう。

(シロ) はい!(笑)一番新しい新曲についてちょっと話させていただきます。昨年末、12月から1月2月3月、と4ヶ月間で一曲ずつ新曲をデジタルリリースする運びとなっています。12月分がもう公開してれていて、『Birthday』という楽曲でございます。ミュージックビデオも出ていて、明日この871ンスタライブに出る予定の熊谷涼花さんが監督として撮ってくれて。それが『Birthday』のMVとして、YouTubeに公開されてます。1月、2月、3月とあと3曲残ってますが、まず『Birthday』を聴いてもらって、よかったらどんどん広めてもらえたらいいなぁと思います。よろしくお願いします!

(871) お願いします!ユレニワ、ライブも見てほしいし、MASH ROOMの恵比寿LIQUIDROOM公演ができなかったのもちょっと残念だったけど。

(シロ) そうっすねー…。

(871) まあそこは悲観的になってもね。しょうがないもんはしょうがないから。今年な、暖かくなったら落ち着くことを期待して。そうなった時にはガンガンライブやってこ。

(シロ) 頑張ります!皆で頑張りましょうっていう感じですね。皆辛いしね。

(871) 今日はありがとうございました!

(シロ) いえいえ!楽しい時間でございました!
ありがとうございます。

(871) 想定してなかったけど、まさか30分ぐらいMCの話しちゃうっていうね(笑)

(シロ) ははは(笑)結構無限に広がっちゃうな(笑)

(871) じゃあ、また!

(シロ) どうもお疲れ様でしたー!



(871) ありがとうございました!
よし、『Lilac』流してって言われたから流そう。

「MCの話面白かったー!」
良かった。こういう話って悩ましいんだけどね。喋るの。

(『Lilac』が流れる)

今流してるのが、去年の4月に出した『ピースの報せ』の『Lilac』っていう曲です。
ただただ皆でユレニワの曲を聴く会が今始まってます。

皆どうですかね。仕事始まって。
緊急事態宣言の煽り喰らってる人も多いよね、多分ね。僕もめっちゃ喰らってます。

「皆で頑張りましょう」
いい言葉ですね。皆で頑張るしかないよね。

去年のRUSHBALLもね、やれたのが凄かったね。一昨年までは想像もしないような光景でしたけど、ね。

今日、緊急事態宣言が出てね。本当デリケートなところなので、今日も僕、夕方くらいはずっと電話が鳴りっぱなしでなかなかバタつきましたけど…。
(『Lilac』が終わる)

只今聴いて頂きましたのは〜ユレニワの『ピースの報せ』から『Lilac』でした。(ラジオDJ風)

あと『阿呆』を流すと言ったんでね。
(『阿呆』が流れる)
そういえば、明日熊ちゃんが来てくれるんですけど、熊ちゃんは熊谷涼花さんっていう映像の監督なんですけど、熊ちゃんに初めて会った時は大学生で、アシスタントで来てくれてて。もう10年以上前かな。今こうやって一緒に仕事を出来てるのは嬉しいなと思いつつ、熊ちゃん側の立場から、仕事をどう見てるのかとか、聞けたらいいなと思って。

「一瞬でも緊急事態宣言を忘れられる時間が良いです!有難いです。」
そう言って頂けるなら、こちらもとても有難いです!

「柳井さんが担当してるアーティストの曲を流していくインスタライブとかどうです?」全然良いですけどね。一人喋りじゃないとね。

「柳井さんのオープンチャットはどんな仕組みですか?」僕も探ってるんですよ。LINEのオープンチャットね。TwitterとかInstagramってどこからでも見れるので、やっぱり僕も発言を気にしちゃうんですよね。もうちょっと狭いというか、完全に僕に興味を持ってくれている人の中で、発言できたりコミュニケーションとれる場所をどういう形で作れてらいいのかなぁ、って模索する中の1個実験って感じですね。オープンチャットは。

よし。終わろうかな!
「素敵な曲をありがとうございました!」こちらこそ!ユレニワ、是非!聴いてください。サブスクリプションとかYouTubeとかにも出てるので。今日のシロくんが歌ってます。4人組のバンドです!

では、今日も皆さんありがとうございました!
明日お仕事の人、学校の人、その他色々ある人、皆頑張りましょう!僕も明日も頑張ります。
それでは、今日もお疲れ様でした!おやすみなさい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?