三日月の夜に

退屈な毎日
つまらない時間
やる気のでない朝
味がしないランチ
溜息しかでてこない
会社からの帰り道

こんな日は
家に帰るのさえ億劫になる
何故なら
一度自宅へ戻ったら
一生そこから
出られないくらい
今日は心が折れてしまったから

だからって
無気力な自分で
自分を葬り去る勇気も
気力さえも湧いてこない
だからこんな日は
自宅近くの公園に寄り道をして
寒空の下ベンチに座わり
空を見上げてみる

黄昏時が闇夜に変わる頃
うっすらと浮かび上がる
三日月をみると
満月の中にいる
白い兎のシルエットを
思い出した。

ああ、そういえば
幼い頃もこんなふうに
家に戻れなくて
公園のブランコに
座ってたことあったなぁ…と
そんなことを思いだした。

あの頃の自分からすると
随分いい大人になったのに
心がポッキリと
折れてしまった時の
踏ん張り方は
ちっとも変わってない…(苦笑)

変わったとすれば
ブランコを選ばず
ベンチを選んだところ
そんな些細なことに
気がついただけで
なんかどうでもよくなってきたぞ(笑)

さぁ、家に帰ろう
こんな夜は風呂に入って
ぼーっとしよう
ああ、そういえば
僕の帰りを待っている
小さな相棒が
お腹を空かせてる時間だ。

今日は猫缶でも
買って帰ってあげよう
たまには小さな相棒に
サプライズして
喜ぶ姿を眺めてれば
ぽッキリ折れた心も
添え木されるくらい
癒されるだろうし…。


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