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ブツカリゲイコ2 ライブレポート


光り物不要、その身をぶつけ合い、拳を突き上げて思い思いに叫ぶROCKイベント『ブツカリゲイコ』。好きな曲を好きなように歌う男たちの熱いライブに両部参戦しました。

1部


引用:公式Twitter

1.はへー OMOIDE IN MY HEAD/NUMBER GIRL
「福岡県博多市から来ました」から始まるお馴染みのMCでスタートを切った、トップバッターのはへーさん。令和のライブハウスでナンバガ、それもラストライブの名曲をステージで熱く歌ってくれた。熱すぎて一曲目で終わりかとひやひやした。いきなり現れて楽しそうにナンバガ歌って去ってくはへーさん見て、「あ、こういうライブか」と察しました。

2.しゃも Vinyl/King Gnu
怪しいカラーリングの照明に照らされてしゃもさんが登場。King Gnu「Vinyl」で響かせるセクシーな歌声で客席を魅了していく。グルーヴ感のあるメロディーに呼応する色気のある歌い方で存分にノらせてくれた。あと、柄シャツの胸元の部分を歌ってるときに開く仕草してたのセンシティブでした。

3.ジャージ姿の男 WENDY/ビレッジマンズストア
爽やかに登場したジャージ姿の男さんが歌ったのは、ビレッジマンストアの「WENDY」。清涼感のある歌声で、かつ力強くステージを盛り上げてくれる。中高音のボーカルだが、決して軽くはない、迫力のあるボーカルで高らかに歌い上げてくれた。

4.kec うどん/Gero
ステージをブチ上げてくれたのはこの男、kec。ブツカリゲイコ初回でも歌ってくれた「うどん」を披露してくれた。皆でタオルぶん回すの楽しかったです(自分は手ぶらだったかた拳振った)。本家に負けないゴリゴリのスクリームと観客への煽りがお見事でした。

5.shack コミュニケーション・ブレイクダンス/SUPER BUTTER DOG
普段はバラードを中心に歌ってみたを投稿しているが、今日一番のギャップを見せてくれたのはshackさん。繊細なバラードを表現する力を持ち合わせている方だが、今日は「コミュニケーション・ブレイクダンス」をエッジの効いたハードボイルドな声で歌いこなす。ライブの盛り上げ方もお手の物で最高にロックな人だった。

6.はへー 爆音ドロップ/THE PREDATORS
再びステージに舞い戻ったはへーさんの歌う「爆音ドロップ」。メロディー進行自体は非常にシンプルな曲だが、日本のロックの良さを感じさせてくれる。爆音の声量で聴かせてくれるボーカルのはずなのだが、不思議と圧は強すぎず、心地がいい。なんかエフェクター使ってます…?野生?

7.めちゃお 30/LOST IN TIME
「30歳が近づいてきた(27歳だそう)」とMCを挟み、めちゃおさんが歌い上げた「30」。どんな年の人間だって、先の未来を怖がりながら生きている。そんなありふれた不安に寄り添うストレートな歌詞を、真っ直ぐ歌い上げてくれるボーカルだった。芯のあるボーカルだからこそメッセージ性のある歌詞が聴いた人間に届く。拳を胸に当てたり、胸元を掴む仕草も熱くて素敵でした。

8.しゃも ディストーテッド・アガペー/Lyu:Lyu
その後は、雰囲気が一転してしゃもさんの「ディストーテッド・アガペー」。しゃもさんの歌う「彗星」で泣かされたことがありましたが、また泣かされました。それまでの流れが盛り上がる曲だったこともあってか、Lyu:Lyuの物悲しくてしんしんとした世界観を忠実に歌い上げるしゃもさんのボーカルに目頭が熱くなってしまった。サビで熱量込めて歌われるとクるものがある。

9.shack 高架線/ELLEGARDEN
優しい温かみのある歌いだしで始まったshackさんの「高架線」。エルレで盛り上がらんわけがない。本家エルレの爽快感はそのままに、shackさんの渋いボーカルで歌い上げてくれた。サビでみんなでジャンプする瞬間が楽しくて、ずっと宙にいられるような気さえしてしまった。

10.shack 東京/SUPER BEAVER
「高架線」に続いて、渋谷龍太が故郷である東京への愛を歌った曲「東京」。shackさんの歌は厚みがあってパワーのあるボーカルなので、本家とはまた違う、痺れさせてくれる歌。それでいて、堂々とした愛情のある歌詞を力強く歌ってくれるので、包まれるような感覚がする。「なんて贅沢な人生だ」を歌う時のshackさんの顔、満ち足りていて良かった。

11.めちゃお 秘密/SUPER BEAVER
「ラーラーララー ウォウォウォウォウォウォ~」をこちらにマイクを向けて目いっぱい歌わせてくれた、めちゃおさん。流行病で声出し出来ない期間ずっと続いてた分、こういうの欲しかった。ハイパーウナギで聴いたいつかの「東京流星群」を思い出しました。SUPER BEAVERのストレートに表現される愛情深い歌詞が、胸にすとんと落ちていく。めちゃおさんの芯のあるボーカルだからこそできることだと思いました。

12.kec 銀河鉄道の夜/GOING STAEDY
普段デスボイスゴリゴリでフロアを盛り上げてくれるkecさん。銀河鉄道の夜は、素直に感動した。スクリームエグイ歌い方できる人で、故に盛り上げ隊長のイメージだったので完全にぶっ壊されました。いつものライブとはまた違った熱い歌をありがとうございました。

13.しゃも Dial Tones/As it is
普段好きなようにしてくれていいよスタンスのしゃもさんが、珍しく「一緒に歌って欲しい」と言ってくれた「Dial Tones」。サビのサウンドが爽快感あるのに、ドラムの重低音がゴリゴリに効いているのでバチバチにノれるイカした曲。サビで一気に激しくなるところを歌うしゃもさんが本当に楽しそうでこちらまで笑顔になってしまった。あとAs it isで客が歌える歌い手ライブって存在するんですね(楽しかった)。

14.ジャージ姿の男 ふっかつのじゅもん/sumika
「たぶん予習曲でジャージさんこれやろ」と思っていた曲、当たった。そもそもこんな裏打ちダンスビート曲でアガらない訳ないんだが、ジャージさんの盛り上げ方が上手い。拳を上げるときの挙動が腕というより全身で動いてるのが、良い。皆で「HEY!」のコーレスしてるあたりからアドレナリンが相当出ていた気がする。

15.はへー さらば青春のパンク/バックドロップシンデレラ
「バックドロップシンデレラ誰やねん」と思っていたらあんたかい。思いっきりウンザウンザしました。この時しっかり頭も振った。テンポ早くてなかなかに体力消費の激しい曲(しかもボーカルパート2つある)曲なのに、安定したボーカルで歌ってくれた。躍らせてくれてありがとう。(冷静に考えたらここでモッシュできたことに気づいた)

16.kec 日本の米は世界一/打首獄門同好会
こんなんブチ上がるしかないやろがい部門堂々の一位です。「モッシュしたいよな!??」に全力で同意するとさせてくれた。真ん中に円がポッカリと開かれて、取り囲むように人だかりができる。コーレスをしながらサビでサークルモッシュの流れ、「ライブってこういうことだよなあ~~~!!!」を非常に痛感する。楽しすぎて1部ラストなの忘れてしまっていた。

Enc1.全員 Make A Wish/ELLEGARDEN
演者全員で歌っていて泣くかと思った。出だし部分の歌唱で改めて、「ここにいる人は全員歌がうまい」と分からされた。出だしから始まる穏やかなパートの歌唱、三者三様に上手くて最高でした。ちなみに、帰宅後に歌詞の和訳を読んでみたらエモい気持ちになりました。アンコールでこれを選曲した御仁に感謝してもしきれん。

Enc2.全員 証明/SUPER BEAVER
SUPER BEAVERの直球な歌詞を一人一人が歌ってくれる。めちゃおさんやはへーさんがBメロ「僕もあなたもひとりなんだろう」「産まれて死ぬまで一人なんだろう」を歌ってくれてハッとした。「ないという「証明」」の歌詞をみんなで歌えて最高でした。演者全員が輝いてた。あと、アンコールの全員合唱でしゃもさんがすみっコぐらしじゃない世界線初めて見ました。ありがとうございました。

2部


引用:公式Twitter

1.しゃも 透明少女/NUMBER GIRL
開幕は「トップバッターはこれが初めて」と語るしゃもさん。「前のブツカリゲイコで覚えのあるお客さんがいて(中略)赤い髪の女の子で…」の口上から始まる透明少女。暗いトーンのエモーショナルロックを得意とするしゃもさんが、初期衝動から生じるNUMBER GIRLを歌ったことが何より衝撃的だった。シャウトと真っ直ぐなボーカルの歌い分けもさることながら、バンド音楽の良さをストレートに伝えてくれるパフォーマンスでした。最前で見れたので悔いないです。

2.ジャージ姿の男 サイレン/Unblock
ジャージさんの高音ボーカルが綺麗なだけじゃなく迫力を増していて、演奏との一体感があって、それでいてボーカルの良さが全面に出ていた。ジャージさんの歌唱の良さは、声質意外にパッションが伝わりやすい主人公感のある歌い方だと思っているんですが、曲がドハマリしていて聴いてて楽しかったです。

3.はへー SUICIDAL STAR/Geeks
今回のライブ、ナンバガ、バックドロップシンデレラ…と意外な選曲に度肝を抜かれ続けているんだけどこれもだよ。こんな渋くてカッコイイROCK歌う人だったんだな。初めて知った曲でしたがコールのとこ覚えたら絶対楽しいだろうな~~~と思いつつ、楽しく手上げてました。演奏も歌もワチャワチャ感あって見てるこちらからしても楽しかったです。

4.shack 七転八倒のブルース/The PINBALLS
メロディーからして聴いてて上がった。ロックカバーのコンセプトイベントにここまで的を射た選曲あるか???本家ボーカルがかなり渋いのだけれど、shackさん"似合い"だったなあ…………。サビでお祭り状態になってて、演者も客も馬鹿騒ぎしてる時間が楽しかった。「沈んで」「転んで」で全員が腕上げてるの、いい時間でしたね。shackさんも歌いながらステップ踏んでて、全力で楽しんでるの伝わってきました。

5.めちゃお Givin Up/LINKIN PARK
めちゃおさんのデスボイスを初めて聴いた瞬間。最後のシャウトのとこ、最前で見てた限りではマイクが口と距離が近くて、ほぼマイク食べてた。それはそれとして何故あのシャウトが軽々と出るんだ。令和にLINKIN PARKが聴けるライブ最高。

6.kec B.Y.O.B/System Of A Down
めちゃおさんのリンキン→B.Y.O.B。ほんとに令和のライブか…………?あまりにも嬉しくてMCの時点でその場でピョンピョン飛び跳ねてました。モッシュ煽りを受けていたが、自分は最前柵で思い切り頭を振っておりました。めっちゃ楽しかった。

7.めちゃお&kec MAYDAY/coldrain feat.Ryo from Crystal Lake
5.6番目に歌った2人が直ぐにコラボでビビった。しかも曲が曲だからビビった。だから、歌い手ライブでそんなことある??ツインのドラムで既にアガってしまっていたし、2人の高音が美しくて、デスボイスが確実にこちらを刺激しにきていてまんまとノってしまった。kecさん、めちゃおさんの歌い方、どちらも違う種類の栄養がある。

8.しゃも 飴玉の唄/BUMP OF CHICKEN
照明がオレンジ色に染まったステージで歌うしゃもさん。「休憩しましょう」と言って歌われたが、聴きながら感情揺さぶられまくってるので全然休憩ではない。静かな歌い方がだんだんと熱を増していって、マーチングと相まって一歩ずつ歩いていってるような感じ。僕はいつの間にか聴いてる間、胸がギュッと締め付けられる感覚に、シャツの胸元を掴んでしまっていた。「僕はやだよ」「君がいいよ」の歌い方やサビの優しい高音の出し方が特に素敵でした。

9.shack 歌うたいのバラッド/斉藤和義
「大好きな歌を歌う」と言って始まった「歌うたいのバラッド」。たぶんshackさんの曲だろうな〜、とは思ってました。ただ、かなりバラードテイストで歌われるのかと思いきや力強い。柔らかい歌声なのにエッジボイスが効いているので、声に深みがある。気づいたら完全に呑み込まれていて歌の世界に入ってた。凄。

10.めちゃお シャロン/ROSSO
令和にROSSOが聴けるんですか????となりました。まさか過ぎる選曲。そして、めちゃおさんがチバユウスケリスペクトなのか掠れた声で歌ってくれる。SUPER BEAVERのようなストレートな歌い方だけじゃなく、こういう泥臭いROCKも歌える人なんですね........…。もう何でも歌えるのでは??

11.はへー ハイブリッドレインボウ/the pillows
ピロウズ好きのはへーさんならいつか来るか?と夢見ていた「ハイブリッドレインボウ」。サビの「Can you feel」、声量MAXの出し方だったであろうに尖らない重心の取れたボーカルで心地よかった。やっぱりエフェクター隠し持ってる??最後らへんアレンジ効かせて自由に歌ってるの素敵でした。最前上手で最後に見えたはへーさんの立ち姿が完全に一枚の画になっていて、自分が絵描きだったら絶対に描いてた。

12.ジャージ姿の男 億万笑者/RADWIMPS
ここに来てラッドを持ってくるあたりやっぱジャージさんは主人公だ。とうとうとした洋次郎の歌い方とは違う、確かに熱量のある歌い方で全力で拳振らせて頂きました。ラッドのこの手の曲、リズム取るの難しいのに演者全員息ピッタリでほんとに良かった。

13.しゃも さなぎ/Rhythmic Toy world
まず言わせてくれ、2部の選曲エモ過ぎんか。透明少女→飴玉の唄→さなぎ、全部エモい。しゃもさん、悲壮感のある歌でもただ悲しいだけではない歌い方をしてくれるから好きです。歌ってる途中で「終わりたくねえな」って呟いてて嬉しくなった。こちらも終わってしまうのが惜しいくらい楽しい時間でした。

14.めちゃお 群青日和/東京事変
「新宿は豪雨........…」の口上から入った「群青日和」。SUPER BEAVER歌えて、LINKIN PARK歌えて、チバユウスケにもなれる上に東京事変歌えるならなんでも歌える気がしている。林檎姉さんのボーカルを男性ボーカルで歌いこなしていて、本家のお洒落さというよりは「あの時代のバンドの良さ」が出てる歌と演奏で滾った。

15.shack SKOOL KILL/銀杏BOYZ
shackさん、まさかのダイブチャレンジ(初めてだったらしい)。客席にいるありったけの男性リスナーを真ん中に陣取らせてダイブ敢行。ROCK過ぎる。shackさんがダイブしてる間にバンド陣は床に転がったり、しゃちほこになって脚バタバタさせたりしてた。ジャージさんが「夢に出てきそう」とコメントしていたが、割とホントにそう。今日イチ自由だった。

16.ジャージ姿の男&kec PARTY PARTY/TOTALFAT
「System Of A Downでモッシュが起きず中央に穴が空いただけで悔しい」と、ジャージさんにステージを任せてkecさん自ら客席へ。サークルモッシュの中心に陣取って歌ってくれた。目の前にずっとkecさんがいる〜と認識しつつアドレナリンが出ていたのでぐるぐる回っていた。超楽しかったし、踊ってたらいつの間にかはへーさんも来ててウケました。

Enc1.全員 世界をかえさせておくれよ/サンボマスター
2部はより鬼気迫る「アンコール!!」の呼び出しでステージ上にずらりと並んだボーカル陣。演者が思い思いにハグをしたり、肩を組んだり、踊ったり。その場にいる全員が満ち足りた気分になる自由なステージ。女性ボーカルのパートしゃもさん歌ってたのキー的にしっくり来てた。「妄想恋愛男子」「妄想恋愛女子」で各々コールしてたのが楽しかった。こんな楽しいことあっていいんかってくらい、演者は楽しいし客も楽しい。こんな夜にピッタリの選曲でした。

Enc2.全員 ロックンロールイズノットデッド/サンボマスター
「ロックンロールイズノットデッド」は、演者も観客も一体になって大合唱。悲しみの中でも向こう見ずな強さで引っ張り上げてくるこの歌を、今日を過ごした全員で歌えて、本当に幸せな時間でした。「君の不安を終わらせにきた」「君が生きるなら僕も生きるよ」、この歌詞をそれぞれの強さが光るボーカルで僕たちに歌ってくれてくれてありがとうございました。みんなで歌ったあの時、はへーさんが「見てるで!」と言わんばかりに手を伸ばしてくれたことが目に焼き付いている。あまりにも終わるのが惜しすぎて、歌が終わった後に「アンコール」が観客から聞こえてきて笑ってしまった。


あとがき

正直、ブツカリゲイコでわからん知らん曲いくつかあった。


だが、かまわん。


知らなくてもノれた。わからんくても楽しかった。
みんなで歌ったし、拳突き上げたし、踊りまくったし、サークルモッシュもした。演者が楽しくて、客も楽しくて、その場にいる全員がその音楽を好きでいる。ブツカリゲイコはそういうライブなんだから別に知らん曲やられてもそれでいいや、となりました。

ブツカリゲイコ2、今年行ったライブの中で一番楽しかったぞ!!!!!!!!

考えてみて欲しい。

ライブの両部でスタートがナンバガ、それもこの令和にリンキン、System Of A Down、Rosso、サンボマスターをやるライブがありますか? あるわけないだろ!!!!!!!! …………いやあったんですけど。

「ロックといえばこれやんな!あとこれも好きやろ?あとあれとそれと…………」みたいな感じで、ロック好きなら通るであろうレジェンド曲からドシンプルに良い曲、確実に盛り上がる曲まで全部詰め込んできやがる。

そんな無茶苦茶でいて、「そんなもん楽しいに決まってるやん」になるライブだからこそ、5月5日の初台doorsは最高の夜でした。

ブツカリゲイコ3、お待ちしております。

おまけ

僕が差し入れたアサヒスーパードライの所在を、はへーさんに尋ねたら「楽屋の冷蔵庫に入れてるけど野獣と化した演者たちが狙ってる(意訳)」といったことをお聞きしました。次は喧嘩にならないようにたくさん持っていきます。


追記:(終演後の限界感想ツイート)


もしサポート投げてくれたらなんかいい感じのことに使います。