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法廷闘争華燭の宴

ひとという動物は固体でもあって動かず思わずそこにあるとき
きみは卑怯私になにも賭けもせず空想に使う訴えてやる


冬と知る

冬の繭糸吐く虫は崇められ寒い半球を蔽う衣なす
冬ざれの神さびるなぞえなにもなくも赤く点じる老いた薔薇はあり

laughter

みずからのかたち鏡にあばかれてよりつつましく閉じることになる
笑うことが最優先の生き方が正解だったとしてもそれがなに

抵抗

いくたびも限界なときに嵌ってもなおさら声のあげかたわからず
ほぐれゆく念頭や箱庭のかたち人類の火や美で迎え討つ

生きている・死んでいる

雪をよぶ氷の風のうでのなかでまだ熱のある体の反応
華やぎの日々の終わりのあとの園パンジーのみのいのちのひかり

写し世

わだつみのえめらるどの層都市をしずめわれらの帰郷をはばむつめたさ
天空とははるかにへだたるひくいみちをどこかおびえて泣かずにとおる

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