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仲良しの僕の話

なんの言い訳でもないし、悪気もない。ましてや牽制なんかでもない。こんな前置きをして何をいうのかというと、私はいままであまりいい恋愛をしてこなかったということ。もちろんそれは自分の原因はあるだろうし、恋愛にどちらかが悪いなんて優劣も間違っているのかも知れない。それにしても自他ともに認めるズタボロな恋愛。それがトラウマとまでは言わないが、いまの私が恋愛に対して億劫になっている事実は間違いなくある。

しかしそんな私にも男友達という存在は何人かいて、そういう友人を通してリハビリ中だ。うちの1人が、良くも悪くも本当によく懐いてくれていて、私が躊躇う部分を勢いで押し切ってくれる。そんな僕と、今日はディズニーシーに行ってきた。
「そらのさんディズニー行きましょうよ〜」
「暑いから嫌だ」
「アフター6でいけば大丈夫ですよ」
僕と一緒にいるのは楽しいし、断る理由が見つからない。別に彼氏じゃない人と行っちゃダメなんてルールないし。と言い聞かせる。断る理由を探す方が意識してるみたいで恥ずかしい、とも言い聞かせる。そうやって意識してる時点でなんだかもう僕の思うツボだ。だから、素直に行くことを選ぶ。ああ、あと僕も私もお酒が飲めないから、ディズニーで遊ぶ4000円は意外にもコスパがいい。そんな、これそ言い訳を並べて私はディズニーへ向かった。

入場待ちの時に「作戦考えましょうよ!」とマップやアプリを広げる僕と一緒に乗りたいやつと乗りたくないやつ(絶叫系)の駆け引きとの戦いをする。「嫌だ!」と言い張っても、私の乗りたいのに最初に行く手前譲らざるを得ない。ああ、ついにこれに乗る日が来るとは。タワー・オブ・テラー。

案の定私は叫んだ。どんな小さな子の声をも押さえ込むかの如く。そうするとね、僕は隣で爆笑してるんですよ。昔々に付き合っていた彼と一度だけ乗った絶叫マシーンの記憶が、今日の今日まで忘れていたのに思い出した。「そらのがうるさくて恥ずかしかった」楽しかった気持ちがストーンとおちたあのどん底の気持ち。思い出しただけで泣きそうだ。誰だよ、無理やり乗せたやつは。ひねくれモードになりそうだけど、今日隣にいた僕は大笑いしてくれていた。その笑い声が、今思い出すと心がくすぐったい。恋人ではないけれど、大事な友達は私が嫌だ嫌だと言っていた乗り物に無理やりにでも乗せた責任を果たしてくれているように感じた。怖かったけど、乗ってよかったと思わせてくれる、冷や汗の下に感じるじんわりとした温かい気持ちがひろがる。

ディズニーに一緒に行ったからと言って、僕が今日恋人になったとかそんなことはない。僕とはもう四年ほど前に出会ったのだけれど、それから数え切れないほど飲みにいっている友達だ。そんな僕はこの前の春、ようやく社会人になった。そう、僕は私よりずっと年下だ。僕が学生だった時に食事に行っていた時はなんだか餌付けしている気分だったけれど、今日なんか軽食は全てお金を出してくれてしまった。

しってる?これ浮き輪マンっていうらしい。

関係は変わらないようで変わり続けていっているのかもしれない。恋人がなにも男女のゴール地点ではない。僕は大手企業に勤めたので、満額のボーナスが出た時にはなんの躊躇いもなく美味しい焼肉に連れていってもらうつもりだ。そうだ、この考えの時点で自分のことながら年上たるプライドも何もないことが伺える。

何が言いたいかというと、行きたくない理由を並べるんじゃなくて、行きたいって気持ちだけで行ったらめちゃくちゃ楽しかった!ということ。「次はランドに行きましょうね」という僕が可愛くて、ちょぴり照れたけど多分一緒に行くのだと思う。

トイストーリーマニアで僅差で負けたので、次のご飯は私のおごり。負けた時も叫んだから、明日は声帯がきっと筋肉痛。

過去の恋愛で嫌な思いをしたからこそ、こんなひとつの瞬間にも「合う」人はいるのだと知れたわけだし、ちゃんと糧になってる。無理やりのようだけど、前進を感じたディズニーシーだった。本当に楽しかったんだと、だからいまこうやって包み隠さずnoteを書き綴れているのだと思う。

出会い方は2人して隠さず話せる笑い話、ナンパから。ナンパひとつも出会いの1つとしては侮れないと思わせてくれた大切な友人の1人だ。私のことが大好きな、仲良しの僕の話。

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