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続々 信託型ストックオプションの課税関係 前門の虎、後門の狼

信託型ストックオプションは、株式を売却するまで課税されず、かつ、給与所得ではなく譲渡所得だという擁護論の一つに、「新株予約権は発行会社から与えられたものではなく、委託者であるオーナーから法人課税信託を通じて与えられたものである」というものがあります。 擁護論の概要 概観: 新株予約権は誰から与えられたものか? オーナーAが委託者、信託会社Bが受託者となり信託契約を締結します。 信託設定時は、税法上受益者とみなされる「受益者としての権利を現に有する者」、以下、「受益者等」

    • 続 信託型ストックオプションの課税関係 税法は難儀なもの

      法人課税信託を利用した信託型ストックオプションは、実質的に無償ストックオプションではないか 前回、信託型ストックオプションは、新株予約権を時価で取得するのだから、新株予約権を行使して取得した株式は、売却されるまでは、(含み益があっても)課税されず、かつ、株式の売却だから譲渡所得になるという理論構成に対し これを真っ向から否認する所得税法の規定があることを説明しました(所得税法施行令84条3項)。 https://note.com/soratobuneco/n/nbaeba5

      • 一読、難解、二読、難解、三四がなくて五読、誤解

        税法は難儀なもの 信託型ストックオプションの課税関係最近、世間を騒がせている信託型ストックオプション、日経新聞の一面トップ記事にもなり、ネット上にも解説が溢れています。 それらの記事を読んで、なぜ「新株予約権を行使した時に課税される」(元々そうなっている)と国税庁は言っているのか、明確に理解できる人は少なくないのではないかと思います。 また、信託型ストックオプションを販売していた業者は、なぜ、「取得した株式を売却するまで課税されない。課税されるとしても給与所得ではなく譲渡所

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