年末と言えば

年末と言えば、年末ジャンボ宝くじ。
今日は販売最終日。
最近はネットでの購入がラクでずっとそうしていたので
お昼にパソコンを開いて、今回もネットで買おうと思っていた。
お目当ての年末ジャンボ宝くじのバラと連番を10枚ずつカートに入れて
あとは購入ボタンを押すだけの時に
ふと、「今回は紙で買おうかな…」と思った。
なんとなく吉方位を調べたら
宝くじを買う時にいつも使っていた売り場が
吉方位の範囲に入っていたので
「やっぱりここだな」と思って、私は外に出た。
最近は現金を持ち歩くこともなくて、手持ちが少なかったので
ATMでお金を下ろしてから行こうと思ったら
クリスマス前だからなのかATMもすごい並んでいた。
思いのほか早く列が進んだので
サッとお金を下ろし、宝くじ売り場へ直行した。
 
普段はほぼほぼ全然人のいない宝くじ売り場に
列が折れるほどの人が並んでいた。
見た瞬間に「これはヤバイ…」と思った。
でも「今日が最終日だから並ばなければ…!」と思い
最後尾の看板を持った人の前に並ぼうとした時
私の前に品のあるおじさんが並んだ。
おじさんは30秒ほど並んで、列を抜けようとした。
しかしすぐにこちらへ向き直ったので
私はどうぞどうぞという仕草をして
私の前におじさんを戻した。
おじさんは振り返って「思い止まっちゃった。」と言った。
私は「今日が最終日ですからね。」と返した。
おじさんは前へ向き直ったが、すぐに私の方へ振り返り
「僕、今日誕生日なんだ。」と言った。
私は「おぉ、それはおめでとうございます。」と言った。
「だからなんか当たるような気がしたんだ。」とおじさんは言った。
「それは当たる気がしますね。」と言ったら
「もう70代最後だからさ。」と言ったので
「え。じゃあもう80になるんですか?」と言ったら
「そうだよ。」と言うので「お若いですね。」と返した。
おじさんは白髪ではあるものの
姿勢はピンっとしていて、見た感じや喋り方にも品があって
とても80手前のおじいさんには見えなかったからだ。
 
「そう?」とまんざらでもなさそうなおじさんに
「いやいや、本当に、私の両親は70ちょいなんですけど、それくらいに見えます。」
と言った後に、「ん?あまり変わりないか?」とも思ったが
おじさんはちょっと嬉しそうに笑った。
「僕、昭和18年生まれなんだ。」と言われたので
「そうなんですね〜」と言いながら
いくつ年上なんだろうと、頭の中で計算していたら
寒さで頭が回らなくて、しばらく沈黙になってしまった。

そしたらおじさんが「僕、ゴルフが好きでね。」と話し出し
それから趣味のことや、お酒が好きなこと、若い頃の話など
たくさんのことを話してくれた。

なんやかんや話していたら、あっという間に列が進んで
おじさんの番が来て、「お先に。」と言っておじさんは売り場へ行った。
私は携帯を見てみると、並び始めてから30分が経っていた。
よくこんな寒い中30分も並んだな。と思った。

私の番も来て、会計をしている時に
後ろからおじさんに「またね」と声をかけられた。
私は振り返って「当たるといいですね!」と言ったら
「お互い頑張りましょ!」とおじさんは言った。

とても楽しい30分だった。
お互いに宝くじが当たって、またこの売り場へ来たときに
再会できるといいなと思った。

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