最近、とってもよく耳にするようになったと思うんだけど
「自分を大事にする」
「自分を大切にする」
とか

これ、どう思います？

私がサロン開業半年後くらいから、サロンへは多くのお客様がいらっしゃるようになりました。

その時に私が1番驚いたことは
皆さん口を揃えて「自分が嫌いです」と、おっしゃることでした。

自分が嫌い、ってどういうこと？
自分に好きとか嫌いとかっていう感情を持つことが、まず不思議でした。
だって自分は自分だし、嫌いだから別れましょう。ってわけにはいかないし・・・

私は、自分を好きだとか嫌いだとか思ったこともないけど、
好きですか？と言われれば「はい」と答えるし、嫌いですか？と聞かれれば「いいえ」と答えると思います。
敢えていうなら、嫌う理由がない。

そして、そのお客様を改めて拝見して、「なぜ嫌うんだろう？」と思いました。
それこそ、嫌う理由がない。

自分に対して期待値が高いのかな？
もっと自分はできるはずなのに、そこに到達しない自分がダメだ！って思っちゃうのかしら？
でも、嫌う理由にはならないかな。。。

なんて思いながら、お話を伺い、施術（アロマトリートメント）をするわけです。

そうすると、誰でもそうなんだけど、美しいんですよね。

これってアロマセラピストにしかわからない感覚かもしれないけど、オイルトリートメントをしていると、3回くらいエフルラージュをした辺りから、その人の持つ皮膚や筋肉のハリが戻ってきて、皮膚に光が反射して文字通り「輝く」んです。
その時の美しさって、その瞬間にしか感じられない、セラピストだけが知っている美しい世界だと思います。
言葉にもできないし、人によって微妙に違うから、再現も難しい。

その輝きが戻った瞬間の肉体は、生気に溢れて、誰よりも自信と誇りに満ちた身体になります。

「私を見て」って感じです。

トリートメントが終わった後、その美しさを説明するけど、皆さん「そんなことないですよ〜」なんて言います。でも、それは私の技術に対する否定になる。と思うのか、パッと言葉を引っ込めて
「本当ですか？だったら嬉しいな」なんて、これまた美しい笑顔を作る。

ねぇ、なんで自分が嫌いなの？　って、この時に思います。（言わないけど）
そんなに美しくてエネルギーに満ちているあなたが、あなたを嫌いになる理由なんかある？
これ以上自分に何を求めるの？って・・・

何度か通ってくださるうちに、「藤原さんに丁寧に施術をしてもらったら、私も自分を丁寧に扱わなくちゃいけないな〜、って思うようになったんです」って、言ってくださるようになります。

それは嬉しい。そして、それは見ればわかります。
なんとも言えない自信が溢れているから。

ある時、お客様がこんな風に話してくださったんです。

「私、自分を嫌いだと思っていた時って、自分だけでなくて
周りの人のことも、すごく意地悪な目で見ていた気がします」

誰かの些細な言葉で傷つく「自分を嫌い」だと思いながら、そんな言葉を投げる人に対しても悪態ついてたし、悪く思っていた。
でも、自分を丁寧に扱うようになって、自分を大事にするようになってからあの人も辛いんだな。とか、自分のことをわかってないのかもな。って
ちょっと優しい目で見られるようになった。って、笑っていました。

そうなんです。

私は、自分を大事にするとか、自分を丁寧に扱うって、自分との距離感が取れることだと思っています。
「私、私、私」って、私のことばっかり考えることが、自分を大事にすることでも丁寧に扱うことではなくて、「私」という人を客観的に見て、どうしてあげたいか、どうしたら喜ぶか、どうしたら輝くかを自分でやってあげることです。

その目は、きっと他人にも向けることができて、その人の怒りや悲しみといった感情を感情のまま受け取るのではなく、どうしたらその感情を理解できるだろうか。どうしたらそれを解消できるだろうか。なぜここまで苦しんでいるだろうか。って、線を引いてみることができるようになる。

究極の自己愛は、「自分を他人のように扱えるかどうか」だと思っています。
そう思えば、ちょっとした失敗にもおおらかになれるし、成功は大喜びができるはず。

自分を自分のコントロール下にあると思ったら、それこそ不遜ですよ。
自分ほどわからない人間はいない、と思って、時々垣間見える「らしさ」に喜べると、自分って可愛いし、興味深い存在になるんだと思います。

私のサロンにいらっしゃった方は、「自分を好きになる」と、昨日のブログに書いたのはそういうこと。
「自分」と「自分」を切り離すことができるようになるから。

あなたは未知だから面白い。
人生は未知だから面白い。