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コンサルはとかく多様な問題に巻き込まれるもの

「湯けむり蕎麦打ち」企画から帰還したお嬢氏と新人Boy氏。過度のストレスで取り乱すお嬢氏を見たヒルズ氏は、二人をリッツ・カールチョンのアフタヌーンティーへ誘いだす。紅茶を飲みながら、佳乃2号の大根役者っぷりと我儘エピソードを聞き、必死で笑いをこらえるのであった。(前回


諸君もご存知の通り、弊社は極めてわかりやすいブラック企業だ。しかし、不思議なことに笑いを必死でこらえる体験が異常に多い会社でもある。今日も笑ってはいけない回だな、心して取り掛かるか!

◆お嬢の限界

「えぇー温泉はいるんですかぁ?」
「やだぁ、聞いてないですぅ!」

温泉に到着した取材班を待ち構えていたのは、まさかの佳乃2号 "温泉入らない宣言" だった。

何言ってんだ、、、?
事前に説明、したよな?

ざわつく現場、突き刺さる視線ーー。

「女性から言ってやってくださいよ!!」
切れだす現場に、完全に追い込まれたお嬢氏。
恐ろしいほどの圧力に押し出され、説得を開始する。

えーっと、事前に取材概要は説明されていたはずですし、手順通りしていただかないと企画自体がつぶれてしまいます、ええ、お願いします。

「社長からこんな話聞いてません!知的なアナウンサー役だって聞いてたのにぃ!」

丁寧な説明にも関わらず、ついに泣き出す佳乃2号。まるで騙されAV女優にでも仕立て上げられたかのようだ。

硬直する現場。

手を変え品を変えなだめすかすお嬢氏だったが、忘れてはいけない。そもそもお嬢氏のストレスレベルは佳乃2号登場以降、マックス値を更新し続けているのだ。

くっ、だめだ、キレてはいけない!必死に食いしばるお嬢氏。しかし、その努力むなしく、トドメが刺された。


「そんなに言うなら、お嬢氏さんが温泉入ればいいでしょ!」

は?

「そのない胸でも見せて!」


◆崩壊する世界

一瞬の静寂。

全スタッフの動きが止まるーー。


一瞬の後に待っていたのは、地獄絵図であった。


「脱げっていってんでしょうがぁぁぁぁああ!」
ブチぎれるお嬢氏ーー。

「ぎゃぁああああああ」
叫ぶ佳乃2号ーー。

「お嬢氏さん、落ち着いてください!相手は社長のあれです、あれ!」
どさくさに紛れNGを連発する新人Boyーー。

「機材が!機材が!!」
混乱のさなか、温泉に機材を落とす撮影班ーー。


結局、温泉取材はモデルなしで敢行されることとなった。


ーーー

「ちょっとヒルズさん、失礼です」

恨めしそうな顔でお嬢氏が紅茶を飲む。

いや、これは失礼、、、

コホンと咳ばらいをし、平静を取り戻そうとする。が、無理だ、いやどうやってこれを笑わずに聞けと言うのだ。コンサルタントが温泉で貧乳をめぐり乱痴気騒ぎだと?聞いたことないぞ。

現場の様子をもう一度想像してしまい、顔のにやけが止まらない。

「私も、女性にまさかあんなセクハラ発言を投げかけるだなんて」

本当にショックです。

落ち込むお嬢氏に、「お嬢氏さんは悪くないですよ!」と慰めにかかる新人Boy氏。いや、その前にお前のNGワードが一番問題なのだが、、、


◆招かれざる客再び

いつまでこのドタバタは続くのだろうか?
とにかくプロジェクトが最悪の状態であることは分かった。セクハラで起訴も覚悟しておこう。2人の精神状態が改善したことを確認し、リッツ・カールチョンから会社に戻る。

エスカレーターをおりた時だ。


「あのぉー」

背後からの声に振り返る。

「この会社にいきたいんですけどぉ」

突き出されるスマホの画面。
デジャブを感じながら、顔を上げる。

軽く170cmはあるだろう身長、細身のスタイル、キューティクルが主張する黒髪ロングヘア。
真正面から顔を見る。

「あぁ、、、」

覚えのある悪寒、凍り付く空気。


そこには、木村佳乃似の女が立っていた。

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