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書評:大学生が少女地獄を流し読みしました

テストが終わった~とSNSに投稿して夏休みに突入したぼくはそりゃあ暇で暇で、世の中の中高生と社会人の憎悪を肴に酒を飲めるくらいには暇だった。

そんな一日をむさぼった後にはさすがに「明日は頑張ろう」という百万回は脳裏に投影されたフレーズと眠りにつくわけです。このフレーズの幻影に運よく囚われてしまった翌る日、ぼくは個人経営のいかにもな喫茶店で読書をしようと思い立ったわけです。ぼくにとって喫茶店と読書は非日常なことがばれますね。

もう名前を忘れたナントカという特製コーヒーと、バナナののっためちゃうまタルトを食しながら読んだのが夢野久作の少女地獄でした。いつから本棚に入っていたのかわからないくらい、ずいぶん前に購入して読んでいなかった彼の短編集の表題作です。(角川発行のやつ。)今回はそのあらすじと3秒くらい感想を書きます。

読んでない人にもわかるように書くので、ネタバレ必死です。因みにぼくは文学的な分析もしないし、読書家でもありませんので、備忘録としての粗筋説明と浅いオンナの感想がつづくだけです。(1分で読める)(ネタバレしたくない人はスキ!だけしてね^^)

この「少女地獄」というのは一言でいうと、嘘に中毒を覚えた哀れな少女の人生の切り取りです。

語り部はとある整形外科の男性医師。彼が「姫草ユリ子」なる人物の知らせを受け取るところから物語は始まる。いや、始まるというのは語弊があるが、彼女、、姫草がいかに可愛らしくて愛らしくて狡猾で狂気的で哀れな女だったかが彼女の被害者という立場から語られるストーリーが始まるのだ。

姫草は主人公の営む医院の護師として優秀で、人から好かれる少女だった。それだけなら問題はなかったが、彼女は重度の虚言症だった。語り部の医師や、患者たちに自分が賞賛されることに快楽を覚え、天才的なまでの構造をもつ虚言を薄い赤色の唇から歌のように発し続けた。自分の経歴、家族構成、肉体関係までも。その嘘は芸術的なほどに複雑な構造ゆえに破綻し、彼女に破滅を齎した。

「彼女を生かしたのは空想です。彼女を殺したのも空想です。」

そう被害者の男に語らせるほどに、彼女は自由に生きているようで、自分の発言に縛られて生きて、、、死んだのだ。

まぁ、結局ぼくがこの話を読み終えて思ったのは女はいつの時代も愚かで狐のように狡猾な生き物であると同時に、自分の毒に殺されるような愚鈍な生き物なのだな、ということです。彼女の死因としてはシンデレラ症候群とかいう一種の心理的な要因も関連しているのかもしれませんが。

つまり、女は結局わが身がいちばんかわいい生き物だっていうことです。それがどんなに自分の幻想であったとしてもね。

是非とも皆様はそういう女に引っかからないように灼熱のアスファルトを踏みにじりながら生きてくださいね。とはいえ、みなさんの同僚も友達も八割五分そういう女です、ハハッ。嘘です、ごめんなさい。

まぁまぁ。

兎に角、今夜もおやすみなさい。

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