Living dead with smoker
こんな雨の日には気分も暗くなる、土砂降りの中そんなことを思った。暗い森に黒い空、雨音。ヘッドライトの灯りとオレの土を掘る音があたりの静寂を害している。雨のせいもあり気温は高くない、むしろ肌寒いくらいだが、作業をしているとどうしても暑くなってきてしまう。加えて湿気があるせいで蒸し暑くて仕方がない。
そろそろ休憩すべきだろうか。
『昔、ここにタイムカプセルを埋めたんだ。僕が死んだら代わりに掘り返してほしい。』
数日前、親友が意味深な言葉を残して本当に死んでしまった。警察によるとそれは明らかな他殺体で、既に犯人も自首しており事件は解決したも同然だと言っていた。
しかし、その後に続けて言った言葉が酷く気になって、夜も眠れずこんな日に穴掘りをすることになった。
『そうすれば、君の姉さんが死んだ理由が分かる。』
11年前に起こったバラバラ殺人事件。被害者は当時18歳の姉、未だ頭部だけが見付かっていなかった。
【続く】
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