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みずみずしい言葉を使うために

先日、本間さんのキャリコン勉強会に行ってきました。

そこで、人事の力量は「言葉のみずみずしさ」だと思うという話を聞きました。

丁度その前の日に北野唯我さんの『天才を殺す凡人』を読み終わり、「凡人が人の心を動かすには、小学生でも使う言葉だけで話をしてみることだ」と読んでいたので、頭の中でリンク。

社会人になると、人は自分の言葉を忘れがちになります。
その代わりに、沢山の言葉を覚えました。

事業計画、年度予算、売上達成率、KPI、今期コンディション、ネゴる、与件、確度‥‥

たった2年でも、すぐに思いつく言葉は沢山あります。

それは「社会」に溶け込むためでもあるし、
仕事をする上で必要なことだからでもあるし、
同じムラの仲間だと思ってもらうための共通言語として楽だからでもあるかもしれません。


言葉がわからないのは、心が動いていないから

ただ、借り物の言葉に頼り過ぎている場面も多くあると思います。

例えば元弊社の営業朝礼では、『天才を殺す凡人』に出てくる経営会議よろしく、

「当社の現在の着地実績は‥‥今期目標を未だに達成出来ておらず‥営業においては今後もKPIに沿った行動を‥‥」


といった話をみんなで聞きます。

新卒で入った私には、もう本当にトンチンカンでした。

「これは私が馬鹿だからわからないのだ。もっと社会について勉強しないと。」

誰かに意味を教えてもらえるわけもなかったので、必死にメモを取っていました。

これからこういうことを理解するようになって、話すようになって、社会人になっていくんだなあと思っていました。


でも、本当にそうなのか?違うかもしれないぞ?と思ったのは、入社して3ヶ月くらいの時でしょうか。

「先輩、さっきの話のコレ、調べてもよくわからなくて。少し教えていただけないですか?」

  「え、俺もわかんない。ってか、あんなの意味ないよ。」

その言葉や様子は、あまりにも含みのないストレートな言葉でした。
そのため、ある種スッキリした気持ちになったのを今でも覚えています。

朝礼で100人以上の前で話す人の言葉の意味は、5年目の先輩もわかってない。
そして、新卒の私もわかってない。

何故、話がわからなかったのか。
恐らく、私たちの心が動かなかったからです。 



その言葉は誰の言葉か

今振り返れば、聞き手に伝わらなかった朝礼の人の言葉は、借りてきた言葉だったのかもしれません。

私にとって借りてきた言葉は、そこにのせられる自分の想いが少ない言葉
自分に落とし込めるまで理解出来ていない言葉です。

例えば、社長が話す「売上」や「事業計画」は、その言葉の背景までが全て自分ゴトなので、自分だけのストーリーがあると思います。

ストーリーから出てきた言葉は、自分の想いがこもります。

「売上」がなんで大切なのか?
「事業計画」は私たちがこの先どこに向かうために大事なのか?
「事業計画」が達成されると、お客さんにとって何が良いのか?
そもそも社長は、なぜこの会社を続けたいのか?


ストーリーという深さを持って誰かに伝える言葉は、結果的に聞き手が思う質問や疑問に答えられます。
聞き手に疑問がなくなれば、あとは聞き手が話を聞いて動くか動かないかを選択することになりますね。
そして、仮に伝わらない言葉があっても、手を変え品を変え、自分の想いを伝えようと試行錯誤できます。

でも、うわべだけで理解した気になっている言葉は、自分のストーリーがない(薄い)
説明することは出来ても、心までを動かして行動してもらえるような話は出来ない。
それは、その言葉に自分自身の感情が心から動かされていないからだと私は思っています。


自分の心を動かすには、準備が必要

かといって、朝礼の話も「相手の話し方が悪かった」で片づけてしまうのは少し乱暴かなと思います。

それは「さあ、私の心を動かしてみなさいよ」と、お客様気分で居るのと同じ、あまり相手に対して親切ではないなと思うからです。

ではどうするのか。

私が意識するのは、まっしろでいること感情のスイッチを入れることです。

まっしろでいることは、自分の先入観で決めつけてしまうことが無いように。

意識していても、自分の先入観は入ってくると思います。
そこはそのまま受け入れて、差異を後で質問するとしても、まずは相手の話に耳を傾ける姿勢で居る。
そうすると、相手の方にも話しやすいと感じてもらえるかなと思います。
相手の方の自分の言葉をなるべく引き出すための意識です。


感情のスイッチを入れることは、自分が心を動かせる状態をつくれるように。


意識しなくても、人間誰でも感情はあるし心は動きます。
でも、心の開き具合で感情が動く幅は変わるのではないかと感じています。

例えば、同じ内容の「最近嬉しかったこと」でも、とても仲の良い友だちから聞いたのか、今日初めて会った人から聞いたか。
同じ感情の幅で自分も心から一緒にその出来事を喜べるかといえば、違うと思います。
だからこそ、相手の言葉からより多くを受け取るための意識です。

この2つを意識して聞いていくと、自分に落とし込める言葉の質が上がると思います。

自分の心が動いた分だけ、その時の気持ちや伝えたいことが生まれるので、その結果として、相手の心に届く言葉を使えるようになるのかなと考えています。


心をのせた言葉は強い

営業をしていて、自分が理解できていない言葉・事柄を説明することは出来ないなあと、つくづく感じました。

逆に、自分が心から納得・共感して伝えられる事柄に対しては、自信をもって話すことができるなあと感じます。

私は、「自分の心がのっている・自分ゴトである=みずみずしさ」だと解釈しました。

皆さんは言葉のみずみずしさは、何処から生まれてくると思いますか?

今日は「自分の言葉」について書いてみましたが、そんな私も気付いたら「誰かの言葉」に埋もれていることがよくあります。

だからこそ、自分の言葉を持っている人は強いと言われるのだと思います。

これから先、いかに自分の言葉を増やしていけるか。
私も日々、それは自分の言葉か?と問いかけながら過ごしていこうと思います。

ご清聴、ありがとうございました。

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