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[新宿御苑] 古典の世界に誘われるー菊花壇展ー

(筆者多忙につき、記事の公開が遅くなりました) 
 2023年11月某日。秋の陽気に誘われて新宿御苑へ。菊花壇展が開催中で、入場チケットを買う人の長い列ができていた。


新宿門に飾られた大菊 兼六菊峰

大菊「兼六雪峰」

 まず目をひいたのは、新宿門の前に飾られていた大菊「兼六雪峰」。
 菊をただ円形に並べて咲かせたのだろうと思っていると(それはそれで凄い)、これはなんと1本の株から枝を分けたものだそう!千輪咲きともいい、1本の株から脇枝を増やして1000輪の花を目指して咲かせる仕立て方で、日本独自の方法だそう。まさに、巧の技だ。

参考:大作り(千輪咲き)菊>大菊 | Chrysanthemum morifolium {Ohzukuri} | かぎけん花図鑑 (flower-db.com)

「大菊花壇」

 続いて苑内に入り、じっくり観てきたのは「大菊花壇」。木と竹で作られた上家(うわや)に幼児の頭ほどありそうな大ぶりの菊たちがずらりと並んでいた。
 「花散る里」「葵の上」「しろかね」「思い出」「嵐山」「海辺の巌」「花朧」… すべて菊の名前だ。
 菊の花そのものが見事なことはもちろん、その名前がそれぞれに趣深く、光の君や花散る里の住まう古典の世界に心が誘われる。美しい日本の伝統美や言葉を大切にしたい、とあらためて思った。
 
 かなりの枚数のため写真は一部だけ載せるが、せっかくなので、メモにとった菊の名前を記しておく。
「大菊花壇」の菊
・白楽天 ・花散の里 ・音羽川 ・歌占 ・葵の上 ・末の松山 ・しろかね ・思い出 ・みちのく山
・梅枝 ・胡蝶 ・金冠 ・越の白山 ・誰ケ袖 ・初音 ・夕顔 ・夕陽 ・雪解の澤 ・花朧 ・雲雀山
・東雲 ・加茂 ・弥生の空 ・海辺の巌 ・春の詞 ・台地 ・天鼓 ・猩々 ・嵐山 ・夕霧 ・笛の巻
・金剛 ・綾瀬の月 ・朱鷺

新宿門から菊花壇展へ向かう途中で
花壇展入口にて
初音
海辺の巌
猩々
嵐山

 ちなみに、この日は本当にふっと気がむいて新宿御苑へ行ったもので、菊花壇展が毎年開催されていることや、「江戸菊花壇」「肥後菊花壇」「懸崖(けんがい)作り花壇」「伊勢菊、丁子菊、嵯峨菊花壇」等、複数の花壇が設けられ、菊の種類も様々あることを後で知った。
 嵯峨天皇ゆかりの嵯峨菊や、嵯峨菊を改良して作られたという伊勢菊の実物を見てみたい。写真で見るとどちらも花びらが細長く、嵯峨菊は花火のようであり、伊勢菊は花びらが立ち上がる様が箒の穂先のようだ。実物はきっと、日本画から浮き出てきたようにきれいだろう。また、懸崖(けんがい)作り花壇もさぞ豪華だろう。

参考:懸崖作り 菊>小菊 | C.m. ‘Kengai style” | かぎけん花図鑑 (flower-db.com)

 菊花壇展は毎年11月1日~15日開催が恒例とのこと、特に嵯峨菊を見逃さないよう、早速2024年の手帳の11月のページに書き込んでおいた。

 なお、花見時期(3~4月)は事前予約制を予定とのこと(2024年1月現在)。新宿御苑のホームページからは季節ごとのみどころマップもダウンロードできる。色々下調べして行くと、さらに楽しめそうだ。

新宿御苑のむこうにそびえるのはドコモタワー
美しいのは菊だけじゃない!!マリーゴールド「ストロベリー・ブロンド」

参考:新宿御苑 | 一般財団法人国民公園協会 (fng.or.jp)

もっと写真や文を楽しみたい方はこちら

地球の上の東京のあたり | 東京のパブリックアートを中心に街角の草花やカフェなど (around-tokyo-on.earth)

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