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過去の利下げと株価の関係⑴

ここ数か月の金融市場での話題の一つに、FOMCが利下げをするかということが挙げられます。先週、利下げ期待により、ダウ平均は史上最高値を更新しました。それほど、金融市場に大きな影響をもたらすアメリカの金利について、株価などと比較しながら調べてみたのでまとめてみました。

過去の利下げとその時のFOMCの政策内容判断材料は以下のサイトで確認できます。上が2006年以降、下が2005年以前です。

2007/9/18 5.25→4.75

・経緯
2006年5/10までは持続的な成長とインフレ抑制を目的とした利上げが行われた。同年6/29、経済成長はやや鈍化したとしながらも、5.00→5.25への利上げが行われた。これが2004/6から始まった一連の利上げの最後となった。その後、2007/8/17まで金利は据え置かれた。ただ、その間に住宅バブルがはじけ、2006年末からサブプライム関係の金融機関の破綻が始まり、2007/8/9にはパリバ・ショックが起きている。

・利下げ
以上のような住宅市場と金融市場の混乱が経済成長に悪影響となることを阻止するために、9/18に0.50ポイントの利下げが行われた。同様の理由で、10/31には0.25ポイントの利下げは行われた。その後、金融市場の混乱はさらに深まり、リーマン・ブラザーズの破綻もあり、断続的に利下げが行われ、2008/12/16には0.00~0.25となった。

・株価

ダウ平均株価(月足)

ダウ平均株価(週足)

ダウ平均株価は2007/9の利下げ後、急騰し史上最高値をわずかに更新している。つまり、この時の利下げは好感されている。しかし、その後すぐに頭打ちとなり、追加の利下げでも株価は上がらず、高値・安値共に切り下げている。

9/18の利下げについて詳しく調べてみると、0.50ポイントも下げたということがポジティブサプライズとなって株高につながっている。

金融市場では、FRBによる利下げ実施がほぼ確実視されていたが、実際に利下げ幅が0.50%ポイントとなったことはサプライズとして受け止められた。

出典:https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-27943020070918


2001/1/3 6.50→6.00

・経緯
2000年中頃まではアメリカ経済は好調を維持していたが、ITバブルがはじけると、NASDAQを中心として株価が下落した。逆資産効果などのバブル崩壊やこれまでの利上げの影響を受け、実体経済が急速に悪化した。

・利下げ
指標の悪化で実体経済の悪化が鮮明になり、2001/1/3に0.50ポイントの緊急利下げを行った。その後、2003/6/25まで段階的に利下げを行った。

・株価

ダウ平均株価(月足)

ダウ平均株価(週足)

2001年時の利下げに対して株価が大きく反応することはなかったように見えます。その後、高値・安値を切り下げています。2001/9/11にはアメリカ同時多発テロが発生し、株価が急落した。

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