先生の学校2

#教育をアップデートせよ 「先生の学校 vol.13」 に参加して

今日は「先生の学校 vol.13」に参加しました。

先生の学校」は、学校や塾などで働く「先生」も、それ以外の人も、現代の旬な社会テーマをもとに、豊かなインプットを得られる場所です。

(詳しくは運営・三原菜央さんの取材記事をどうぞ。書きました!)

そして今回のテーマは「起業家精神を育むアントレ教育」として、教育デザイナー(ステキな肩書…!)の川村哲也さんが登壇されました。

終始おもしろいお話ばかりだったので、個人的な備忘録として残そうと思います。


川村さんは、

20名限定のオーダーメイド教育「studioあお」教室長
仏閣でプログラミングを学ぶ「寺子屋ラボ」運営

を中心に普段京都で活動されている教育家。字面からおもしろさ伝わる。

studioあお」は、子どもたち自身の好きなこと・得意なことから課題を立て、解を導き出していくための教室。テーマは法律、投資からハンドメイドアクセサリーの販売などなど幅広い。興味関心がそのまま教育として学べるユニークさ。自分の好きなことを通して社会とかビジネスを知れるって絶対楽しいやつ。

特にユニークだったのが「ネコ様お助け対策本部」。(ネーミングセンス!)
捨て猫を可哀そうに思った子が、飼い主を見つけるために立ち上がったそう。
" 猫ブームで飼いたい人が増えている×捨て猫 "のマッチングのためにそのネコの人気を上げよう!っていうほんわかプロジェクト。でもその活動は熱量ある本格的なもの。既にチラシが作成されていて、Twitterinstagramでこの猫さんのブランディングが始まってた。(テキストがすごくかわいい。)やさしい世界。

寺子屋ラボ」は神社仏閣でロボットプログラミングを学べる教室。
神社や仏閣は近年潰れていってしまっているそう。そんな中で最先端の教育を学べる場として利用しているらしい。お坊さんとか宮司さんからのお話も聞けるらしく最先端教育と道徳心を学べる現代版寺子屋。すごい。

他にも派生してプロジェクトがいろいろ生まれているらしく、どれもおもしろそうな教育ばかり……。アントレ教育、投資教育、アカデミズム、スポーツなど。

新しい問題定義をしてそれらを考えることで、生活圏内だけにとどまっている価値観を広げる。そのためにコンテンツメイキングによって教育フィールドを拡大されているとのこと。

途中でこんな問いがあった。


Q.優秀な生徒とは?


今までは、5科(国語、算数、社会、理科、英語)のテストで高い点数を取ったりして評価されることだった。オール5が優秀。

でも、働くの価値観が変わる中で、社会での”優秀”の定義も変化していると川村さんは言う。


#教育をアップデートせよ


これは「社会がアップデートされ続けている中で、教育のアップデートがなされていないのはおかしい。」と言う川村さんの一種のスローガンのようなもの。

そのために、「教育のアップデートにより、社会をアップデートする側の人間を育てる」。実際にその理念のもとで既に学んでいる子どもたち、大人から見ても驚くほどイノベーティブ。これこそが、本当の”優秀”な人の姿なのか。

具体的に「アップデートする」 とは、
問いを立てる(問題意識)、そして解を出す。

結果、発想を実装すること(アウトプット)。そのサイクル。

”優秀”な人は実はたくさんいるのに、埋もれてしまいがち。そんな中で川村さんはこの「アップデート」を実学で学べる場としてかたちにしたということだ。 

そして、今後の社会において価値のあるものを二つあげていた。
個々人の独自性 Diversity 

いろんなことにレバレッジの利く世の中になっている今、個々人で問いが解けるようになれば、問いは多様である方が社会的にもいいはず。(結果広い範囲で問いが解かれる。)

エネルギー湧出量 Motivation の最大化を土台とした教育スタイル・文化(これから超大事になる!とのこと。)

情報がいつでも調べて取り出せるようになったことで、ストックとしての知識量はあまり大事ではなくなる。そしてテクノロジーがアップデートされ続けることですべての能力水準が高く一定になっていく。

そこで、好きなことにモチベーションを高くできるかが学びを得ていくにあたって大事になってくる。

つまり、自分のモチベーションが高まる物事に対して、問いを立て解を出せるようになることによって、好きなものを仕事にして生きることができる、ということ。実際に上の「猫を助けたい」想い、「ハンドメイドしたもので稼ぎたい」想いも、結果的に社会・ビジネスを学べるような、ひとつの立派な”仕事”を作り上げている。そうして既に、DiversityMotivationも、子どもたちに教育の場を通して体現させている……。それを体験できる子どもたち、嫉妬すら感じる……。


話変わって大学生のアカデミズムについて。川村さんは大学生を

①大学に勉強したいことがあって専門的な勉強を行う人 ②就職予備校として就職するために大学に入る人 ③モラトリウム期間として4年過ごす人 と分類していた。

①については大学に行く意味がある一方で、②、③に関しては考えを見直してみるべきではないのかな?と言っていた。(耳が痛い。)

社会に出る前の最後の数年であるから、社会の勉強も専門的な勉強も両方行うべきなのだけど、今の大学生、大半が②か③では?

学費●00万円、一コマ約3000円。それだけのお金と4年、あるいはそれ以上の時間を費やして何を学ぶのか、学べるのか?というのは確かに真剣に考えるべきかもしれない。

もう少し遅く生まれて「studioあお」に通う子どもでありたかったなあと思いながらも、今の(20歳/女子大生)ポジションで考えられること、動けることはまだまだたくさんあるのかも。

とはいえ、大学の授業も授業で……。単位回収に終わるような大学の授業のあり方が、②、③の大学生を増やす原因になっているとも思う。社会に出る前の最後の数年間でありながら、社会のアップデートを知らず、アップデートされぬままの教育を聞き流し続ける。社会的に大学の教育のあり方も見直されるべき!

「studioあお」や「寺子屋ラボ」に通えない子供時代を過ぎ20歳になってしまった私は、教育を受ける期間さえも残りわずかになってしまった。

でも今日の学びは、「楽しそうでいいな~そういう人生送りたかった。」と思うだけにとどめるのでは意味はないなと。きっと教育を受ける立場の今よりも、教育をする立場になって初めて生かされるはず。

「教育」は新しい世代へ教えを伝道していくものだから、真の”優秀”な人を生むような教育を知るに、早いも遅いも無い!と、全ての世代の人に言いたい。先生だけじゃなくて、子どもも親も大学生も社会人もみんなで「教育」を真剣に考えてアップデートしていかなければいけないなと思う。


と、まとまらない備忘録ながら真剣に「教育」について考えられた笑いあり学びありの有意義な2時間だった。心がなんだか満たされている……。

と言いつつアカデミズムについて猛省したものの、単位回収のためのテストを明日に控えているので、今日だけは付け焼刃の勉強を許して欲しい……。残された1年間、モチベーションが上がる何かを真剣に考えて実行して、大学を有意義なものにできるといいなあ。(脱就職予備校ポジ、脱モラトリウム期間!)


最後に、川村さんが紹介されていた3冊の書籍をこちらに。

マネーという名の犬 ボード・シェーファー (著),‎ 村上 世彰 (監修),‎ 田中 順子 (翻訳)
これから世界をつくる仲間たちへ 落合陽一
内定力 光城 悠人

全部買いました☺


Text:Saki Murakami Photo:Mizuki ono

 

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