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SOSOの素(115)

自分の時間も大事

先日東京出張に行ってきた。
その目的は表面上は関東でしばらく展示がないからオーダーや商品を見てもらう機会を作ることのようにしているけど、本当は見たい展覧会があるから。見たいものが重なったタイミングがあれば東京に行っている。
もちろん東京以外でも見たいものがあれば行きたいなーとは思ってるけど、1つの展示のために行くかというとやっぱり2.3個は重なってないともったいない気がして行こうとは思えない。

前回は大好きなアーティストの展示のみに行きたくていったけど、それプラスこれからのことを考えるための視察として行って見たいお店を何件も回った。お客さんとの約束を優先していたら美術館に行く時間がなくなってしまって本末転倒になったので、今回はその時間をしっかりと確保しておかなければと思っていた。
その願いが届いたのか定かじゃないけど、お客さんの約束もそこまで多くなくこれならスケジュール的になんとかなる!と思えるちょうどいい感じだっった。

朝愛知を新幹線で出て品川駅についてすぐにカフェに。そこで約束をしていた方とお会いして話したら商品を見てもらう。終わったら次のお客さんがそのカフェに来られてお客さん交代。そんなのを4回繰り返して急いで美術館に行く。品川で見てもらってる時に前日に約束希望の連絡があって返事が返って来なかった方が急に返事がきて、美術館はゆっくり見ても2時間くらいだろうから間に合いそうだから会うことに。
行った東京都立現代美術館は20代の時にはよく行ったけど10年ぶりくらいでなんか懐かしい。入館してすぐに大行列に「うげっ」となった。最後列にはチケット購入まで40分と書かれてる。
人気の展示でそれも最終日。そして東京。やっぱりすごい。
うわー、どうしよう。並んでも駆け足で駆け抜けるようにしか見れないなら図録だけを買ってじっくり読んだ方がいいかな?とか5分くらい迷っていたけど、その迷ってる時間の方がもったいないと並びだした。

お客さんとの約束も大事だけど、自分の時間も大事。

自分にそう言い聞かせてお客さんにころころと時間を変更して申し訳ないけど約束の時間よりも遅れることを連絡して列に並んだ。
チケットを無事に購入して中に入るとそこまで混み合ってなく自分のペースで余裕を持って見ることができた。

会場に入ってすぐに「あー、迷惑掛けてまでも並んでチケット買ってよかった!」と心底思えた。
展示内容は椅子から建築までも設計するデザイナー、ジャン・ブルーヴェ。
必要以上に装飾的にならずに、最小限の加工や組み合わせで美しさを作りながら多様なスタイルを展開していた。
家具も多いので見えない裏側などを覗き込んで「うんうん、これでいいよね」とか思いながら周りを見てると同じような年齢の同業者っぽい人たちも同じようにしていてなんか面白かった。

僕自身、木工、鉄工はもちろん、設計や図面などを学んでなくて、自分が作りたいものを作れるように作っている。そのため自分の作りたいものに真っ直ぐ行くから仕事の手数を最小限にしている。それを設計側からもされてる方がいたことやただの合理性だけではなく、そこに美しさを入れ込んでいることも感動した。
それと共にもっと自由に自分のやりたいようにやったらいいよと背中を押してもらえてる気分だった。

僕の作るものの中で、soso的なものと僕的なものがある。
意図的に分けてるわけじゃないけど、僕自身が心踊るものと販売しやすく買いやすいものがあって、雑貨はsoso的なものが多くて家具などは僕的なものが多い。
東京に行く前に続けて飲食店の什器の相談があって、無難なもので収めといた方がいいのかそれとももっと攻めた方がいいのかバランスをどうすべきかふわふわしていた。お客さんと話していると僕的なものを期待してもらってるのは感じてるけどやりすぎてもな、、、なんて気持ちがあって。
それでもこの展示をみたことでもっと攻め込んで新しい世界を作っちゃえばいいんだと思えた。

お客さんとは少しの遅れだけで会えて、若い方だったのでSNSをどうやって活用してるのかを教えてもらったりしてこれまた勉強になった。

朝食を食べてから何にも食べずだったのでホテル近くのお蕎麦やさんで甘辛いお蕎麦を食べて充実の1日だった。

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