教育社会学者の育休日記♯13 お宮参りは親族をつなぐ

生まれてからひと月ちょっと経って、お宮参りをしてきた。

夫婦揃ってそう信心深くもなく、結婚式はレストランで人前式をチョイスしたような我々だったが、妊娠に至るまでに不妊治療も経ており、その際にお散歩がてらお祈りに行った神社にはなんだか思い入れがあったこと、そしてそれぞれの親は「やったら喜ぶかなー」なんて考えも頭の片隅にあり、実施二週間前に検討をはじめ、この週末行ってきた。
 
 
 
「東京のへそ」と呼ばれる大宮八幡宮はお宮参りの人気スポットらしく事前予約不可、当日行ってから申し込みをして、順番がきたらご祈祷をしてもらえるスタイル。

やや急な計画(思いつき)だったこともあり、それぞれの親、兄弟夫婦との日程調整はそれなりにバタついた。
一番難易度を高めたのは不確定な天気予報。梅雨入り前になんとか行いたいと思いつつ、せっかくやるなら天気が良い方が良い(というかはじめてのお出かけで悪天候は、あまりにも想像がつかずリスクが高すぎる)。


結果的にはそれだが台風も近づいており、結果的にはとてつもない豪雨で公共交通機関が大混乱となった翌々日の予定、なかなかギリギリまで日程を確定させることができず、「晴れならここ!」という暫定的な状態で日々を過ごした。
親族との予定調整を暫定的にすすめつつ、1日のスケジュールをイメージしつつ、せっかくだからと貸し衣装の用意も暫定的に進めつつ、午前中の実施と思うとランチもするかなと、三店舗ほど事情を伝えて借り予約をしつつ。この日で、と覚悟が決まったのは3日前。
それでもみんなが「赤ちゃんのコンディション最優先で」と、気持ちを一つにしてくれたのは本当に助かった。


当日は前日までの天気が嘘のように晴天。
緑も大きな木も多い大宮八幡宮には木陰も多く、風が吹いてなんならめちゃくちゃ気持ちの良い陽気。
みんなで「この子のおかげだー!」なんて言ったりして。
自分が朝一出発して申し込みを済ませてスケジュールを全体に連絡(「全員集まらないと受付できません」と言われたものの、事前に電話したら1時間近く待つと言われたので先に来てたこと、新生児を1時間も待たせるのが心苦しいと思っていたことを伝えたら、申し込みだけ先にして全員が揃ったらスタートできるようにしてくれたのには大いに感謝)、各々に集まりつつも、やはりスケジュール通りに進まないのは我が子の授乳。それでも、予定より30分ほどの遅れで到着し、ご祈祷へ。


その後、みんなで記念撮影大会。大会といって差し支えないほどに写真を撮りに撮った。
そこで発揮されたのが親族全体のチームワーク。
日傘をさしたり、ハンディファンも回したり、着物を整えたり、場所を確保したり、それぞれが完璧すぎるほどに役割を担い、そう会うこともない親同士、そして兄夫婦もみんなが言葉を掛け合い、協力し合う姿を見ながら、あー我が子のイベントは、我が子のためとともに親族全体のためにあるんだなー、と、しみじみ。
その後移動してレストランでの食事でも、みんなの協力体制と、我が子を真ん中にした会話は盛り上がり、終始穏やかに、楽しく時間が過ぎた。


日程検討からバタついた企画ではあったが、終わってみれば集まったみんなが心から「やってよかった」と思える時間となった。
関係者が増えれば増えるほど、気配りが必要で、どこかに我慢も生まれる親族付き合いなったりするが、我が子を真ん中におくと、「この子のために」が共有され、こうもうまくいくのか、と、我が子の人の想いを惹きつけるパワーに脱帽した。

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