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菊地成孔のどこに惹かれたのか

今年後半は突如として菊地成孔にハマっている、と書いた。きっかけはNHKラジオ「すっぴん!」へのゲスト出演だった。今見たら5月17日の放送だ。金曜日でパーソナリティは高橋源一郎。

そこで僕の心を捉えたのは、以下の2つの発言である。

(藤井彩子)「いま、関心を持っている音楽はなに?」っていう質問には答えられるものですか?  
(菊地成孔)答えられないですね。 
 (藤井彩子)「全て」っていう感じ? 
 (菊地成孔)はい。全部聞くんで。

全部聞く。つまり世界中のありとあらゆる音楽を聴いているのだ、彼は。そもそも根本的に彼は過剰で、そして稲妻のように、もしくは弾丸のように速い人である。過剰かつ高速に摂取し、吸収し、消化し、アウトプットする。

本職はもちろんジャズメンだが、同時並行で複数のバンドやユニットをやり、映画評論もやり、本もたくさん読んでいるし、料理やワインにも詳しく、ファッショニスタであり、やっていたラジオ番組も全部自分で台本を書き、大学でも教え、私塾も持ち教えている。仕事量が多すぎ。一体いつ寝ているのか。

この過剰性に強く惹かれた。もう一つ。

(菊地成孔)まあ、ジャズはアフリカから合衆国につれてこられた人が作ったもので。まあシュバイツァー、ヨーロッパ人がアフリカに行ってヨーロッパ音楽とアフリカ音楽が接した瞬間っていうのがそのシュバイツァーのほんのちっちゃい瞬間で。まあ、そこは本の中の見立てとして、「ジャズの死んじゃった双子の片割れだ」という言い方をしてるわけですけども。
(高橋源一郎)かっこいいですよね。
(菊地成孔)まあ、なんか格好をつけてるわけですよね(笑)。

2つめは今時「格好つけている」ところだな、惹かれたのは。妻に言わせれば「菊地さんはたいしてカッコよくないのに、なぜあんなにカッコつけているのか疑問」ということになるのだが、僕に言わせれば「そこが良いんじゃない!」ということである。

あとは高橋源一郎が菊地成孔の文章を褒めており、わざわざ有料のメルマガまで購読している、というところも引っかかった。

そしてしばらくして、スパンクハッピーにハマっていくのである(多分つづく)

Photo by Sean McAuliffe on Unsplash

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