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日高屋を詠む 1 「餃子重力」

Twitterやうたよみんでなんとなく思い立った時に呟いていた日高屋のうたをまとめたものです。なんのムードもなく夜ともなればサラリーマンの安手の居酒屋と化すこの店になぜ惹かれるのか自分でもわからないのだけど、没個性的な空間で虚実ないまぜになる瞬間が好きと言えば好きだ。日高屋の餃子は一皿6個(230円)であるので、ゆえに1個残しで夜の引き延ばしを画策するのは2個しか食べていない方だよね、とかそんな事など。


東京に空はないだが日高屋がある恒星の重力を持つ


ホッピーとナカと空豆 君となら800円で地獄へ行ける


許されぬ関係しかし餃子には胡椒が似合う殊に深夜は


ひとつだけ残る餃子で引き延ばすどこへも行けぬ夜のはじまり


テーブルを挟むぼくらの距離感を測れど阻む中ジョッキの森


瓶の中減るホッピーの砂時計 酔いで隠した本音の残り


藍色の夜にぼくらはラーメンを同じ茶色の夢を見るよう

もう二度と寝過ごさないね味玉のクーポンつける君の冷静

このジョッキ干せばあなたは最終で彼のもとへと泡はもうない



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