IMGP7043のコピー

水力発電の水まわり

水車への水の供給は、U字溝の中のこの小さな取水ダムから始まります。
長さ1mの呼び径150Aの塩ビパイプを縦に半分にカットしたものを45°エルボに接続しています。半分にカットしたパイプの上には木材を固定してダムの止水壁とします。

止水壁の手前に詰まりの原因となる異物の侵入を防止するためにグレーチングを沈めます。溢れた分はオーバーフローしていきます。

導水管は全て呼び径150Aで配管しております。計算上この沢で最大出力を得るには300Aの配管が必要でしたが、沢が増水する頻度と配管にかかる費用の関係から150Aとしました。幸運なことに150Aの廃材の塩ビパイプが多数手に入ったのでそれを利用します。

導水管の支持は、U字溝の両側に渡した直径48.6mmの一般的な足場用鋼管に、呼び径40A用の配管吊りバンド(吊タン付)を2つ取り付け、そこからボルトを伸ばしてスチールアングルを固定し、導水管をUボルトでチールアングルに固定します。

導水管路は約32mの距離を斜面に沿って緩やかに下り、水車から約4m手前で45°Y継手で100Aのドレンバルブと分岐します。主管路はそこから22.5°エルボで立ち上がり、TSフランジにて木造の整流樋と締結します。

管路の最も低くなる位置にドレンバルブを設置し、定期的にバルブを解放することで手軽に配管内に溜まった小石などの異物を排出できます。

整流樋はコンパネをコーススレッドで止めただけの簡単な構造ですが、水漏れ防止のためシーリングは必須です。TSフランジとボルトの間にはパッキンを挟んで締結します。

整流樋の役割は水車に注ぐ水を整形し、騒音の元となる水膜を形成させないようにすることです。これにより回転している水車の羽と水が衝突する騒音を軽減でき、バケットに水が注ぐ際に空気の逃げ道を確保できるので水が泡立たず、低騒音化と効率の改善に一役買っています。

ちなみに、この整流樋の注ぎ口の形状は小学生の頃に社会見学で行った浄水場の設備から着想を得ています。(どこかで見たことはないでしょうか?)

これら水力発電の設備は筆者の土地の中を横切る沢に設置したものであり、地主さんの許可を得ています。この沢に於いて水利権の許可は必要なく、地主さんの了承を得れば良いものでしたが、無用なトラブルを避けるためには注意が必要です。
その後この沢は市に寄附され、市の職員さんが水力発電の参考として視察したいとのことで来られましたが、何のお咎めもありませんでした。

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