IMGP6238のコピー

水車まわりのメカニック

水車と出力軸は、ブッシングプーリーに穴を開けてM6のステンレスボルト10本(両側で20本)で締結します。
出力軸の素材は安くて入手しやすい高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)のリニアシャフトで、直径25mmのマイナス公差のものを使用します。

ここで、軸の動力伝達はマシンキーを使用せず、ブッシングプーリーなどの摩擦締結で行うことがうまく行くコツです。
マシンキーによる動力伝達は、キー溝による軸の強度の低下や、腐食によって出来た微妙な隙間によって生じた遊びが徐々に拡大して行き、最終的に軸とスプロケットやプーリーを摩耗させ、長期運用でトラブルの原因となる恐れがあります。それを設計に織り込むと軸を太くしなければならず、余計にコストがかかってしまいます。その点で摩擦締結は適切な許容伝達トルクで丁度良い太さの軸を選定しやすくなります。

水車出力軸と台枠はピロー型ベアリングユニットで固定します。水車出力軸から摩擦締結具を介して歯数60の大型のスプロケットそして50サイズのローラーチェーンでギヤードモーターの軸に動力を伝達します。ギヤードモーター側のスプロケットは歯数12です。木造の台枠の収縮やチェーンの伸びによるたるみを防止するためにテンショナーを取り付けてあります。(写真は4年間運転したものです)

ギヤードモーターの軸から水車までの減速比は1:5で、ギヤードモーターの減速比は1:25なので、モーターから水車までの減速比(水車からモーターまでの増速比)は合計で1:125となります。

モーターは4極機なので、発電時に周波数が14.583~60[Hz]、この時水車の回転数が3.5~14.4[min^-1]で、無負荷時に周波数が最大で120[Hz]、この時水車の回転数が28.8[min^-1]となるセッティングです。

この水力発電に使用する限りで、ギヤードモーターのギヤにかかる荷重は小さいので、少しでも損失を減らすためにグリスを抜き、粘度の低い極圧オイルに交換します。使用したのはバイク用の10W-30のギヤオイルです。

ギヤボックスを開けて、グリスを抜き、オイルを入れたら、シーリングのためシリコーン充填剤を塗って組み直します。

粘度の高いグリスからサラサラしたオイルに交換するだけで10W程度損失が減ります。

稼働率にもよりますが、ギヤードモーターのオイル交換は10年に一度、チェーンの潤滑は半年に一度程度の頻度で、ブラシなどで付着したゴミを取り除いてからチェーンルブを塗布します。テンショナーの位置が上限に達したらチェーンを交換します。

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