村上世彰『生涯投資家』読んだ

勉強になった。インサイダー事件で逮捕されたりして悪い人なイメージが一般的だが、本を読んでみると信念がある人のように見える(本人が書いたからそう見えるのかもしれないが)。ただやはり信念ゆえに物言いは単刀直入なんだろうなという気がする。なので敵も作ったんだろう。

学んだこと1。上場は「誰にでも買える」舞台に乗ること。なので、非上場企業より格が上とか、そういうことはない。市場から資金を調達できるようになる代わりに、経営権は株を買えば誰でも持つことができるようになるのだ。乗っ取りも可能になる。それがイヤならば、非上場になればいいし、そういう会社も最近は増えてきたそうだ。それでいいと思う。

学んだこと2。日本では、個人も会社もお金を手元に貯め過ぎる。それが「死に金」となって社会に流れていかず、社会の成長が阻害されている。貯金は日本人の癖なんだろうな。個人でも会社でも、ある程度の予備的資金は確保して、それより余るようであったら投資に回した方がよい。投資するということは、社会でそのお金が活用されること。お金=血液が循環することによって、社会は活性化する。アメリカではある程度以上の内部留保資金には税金がかかるということだが、それでいいと思う。

学んだこと3。やはりこの人は投資が上手いんだろう。その教訓は「上がり始めたら買え、下がり始めたら売れ」。バブルが弾けて値段が下がったときこそ買い時。それに内部の余剰金や資産を計算すると、明らかに株価が低い会社がある。そいういうのを調べて計算し、株を買い経営のアドバイスをするのがファンドの仕事。個人でそれだけの手間をかけることはなかなか難しいけどね。

しかしなあ、もしホリエモンやこの村上世彰が逮捕されずに活動できた世界線があったら、いまとは少なからず違った世の中になっていたのかもしれない。残念だ。



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