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立ってるものは親でも使う白馬の王子様


働かざるものよく食べる


 せっせと汗を流しながらあくせく働いている若手社員をみて「頑張ってるね、働かざるもの食うべからずだな」なんて声をかけながら自席に戻りおやつをボリボリしながら大した用事もないのに取引先と雑談が始まる上司。常套句やことわざが会話の中によく出てくる人って「お前が言う」と思う時が少なくない。アリとキリギリスで言うと夏を謳歌しつつも永遠に秋が来ない幸せな方である。キリギリスは短命で冬まで生きながらえないからひとときの夏を謳歌するだの、キリギリスさんをしっかりと肥やし、短命のキリギリスさんを保存食と捉えるしたたかなアリさんの話も聞く。
 しかしいつか彼らにも清祓が降れ!と日々祈りつつもどの方角から見てもとても幸せそうでシュンとしてしまう。まぁ働かずよく食べてよくしゃべっている。
 立ってるものは親でも使えと言いながら、平気でコピー機に向かう上司に自分の分も取ってくる様に社内に響き渡る声で叫んでいる。結局常に椅子に座ったままいろんな人に、あれがない、これはどこ、これはどうやるの?と声高々に叫ぶものだから、誰も彼もが向こうからやってくるから、自分が立つ必要はない。立たないから使われることもない。

待てど暮らせど待ち人来ず



 当然のことながらと言えば怒られそうだが、待ち人は来ない。まぁその待ち人たれど具体的な像はなく「全てを携えた人」の様ではある。きっとコピーもとってくれて、忘れた業務をせっせとこなしておいてくれて、聞きたくもない愚痴を楽しそうに聞いてくれ、強引に飲み会にもついてくてくれる人かもしれない。
 いわゆる白馬の王子様って白い馬に乗ってフレディーマーキュリーみたいな白いタイツと金髪で王冠を被った人?なのか?いやきっと違うはず。いったいみんなは誰を待っているのだろう?

白馬に乗った王子様とテレビショッピングのせめぎ合い



 白馬に乗った王子様をひたすら待っている間に、浦島太郎は永遠とも言える時間を浪費してしまったから玉手箱を渡されて、一瞬にして老人になってしまった。本人が楽しくて楽しくて爽快な夏を謳歌しているうちに気がつけば月日はすぎて、アラフィフとかアラ還とか呼ばれても「まだまだ若い」という言葉に敏感で「エイジレス」とか「美肌」とかそれこそ「美魔女」とかいう言葉に敏感だ。次から次へとやってくる最新情報と「おすすめメール」と「本日までこの価格」にひたすら反応しせっせと購入ボタンを押し続ける。
 どうして自分から白馬に跨って王子様を探しに旅立たないのだろう?そんな積極的で行動力があって、白馬に跨って僕の元へ現れたら、きっと僕は恋に落ちてしまうだろう。

そんな谷村新司さんが亡くなられた数日後にふと自分の人生の残り時間を眺めながら思いつくままにダラダラと書いてみました

YouTubeで歌ってます
#中島みゆき
#時代
https://youtu.be/AGMzmlPWwM8?si=3Pb5XvS6Ek6BRvsn

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