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ニューミュージックVSフォークソング

フォークソングって民謡?演歌?

 今やほぼ死語のようになってしまった「フォークソング」。フォークソングは死んだなんて言われ方をした時期もありましたが、それさえも昔の忘れられた時代の話です。反戦や社会批判、自身の思いをアコースティックギター1本に込めて歌う弾き語りの形が多く当時の若者の心を捉えた。そもそもフォークソングとは民謡などと訳されることもあり、アメリカ国内で古くから人々の間や教会でも歌われ、その後反戦や社会批判をテーマに様々なアーティストが自身の想いを歌に、それを聞きに人々が集まりカウンターカルチャーとしてフォークソングが確立した。その影響を受けて日本にもその流れに影響を受けて、彼らを曲を日本語で歌う流れと、日本流に日本人の想いを歌にオリジナルで弾き語る歌い手が数々誕生した。

より音楽性を追求したニューミュージック

 フォークソングの流れを受けて、バンド活動やロックやダンスミュージック等の洋楽のサウンドを取り入れ、より音楽性を追求したニューミュージックが生まれた。まさにそのフォークソングを死に追いやったのがニューミュージックと言われ日本独自のポップス、いわゆるJ-POPの礎を築いた音楽が確立した。

 現在のJ-POPとは根本的に違うのは、商業ベースで音楽プロダクションから生まれた音ではなく、大学やバンドの中からアーティストの個性がセンスが作り上げた詩とメロディーとサウンドがその魅力で合った。

ギター1本で作り上げる自己表現

 アコースティックギター1本あればスタジオもアンプもマイクもなくとも完成するフォークソング。そこで自己表現ができるフォークソング。共感を得て自身も同じように一緒に歌いたいと思えば、これまたギター1本で歌詞とメロディーを覚え、ギターコードを学べば同じ想いを自分で再現ができてしまう。音楽の体験感覚が強くて親しみと共感が強いと思う。

 ステイホームが広がって、お家の楽しめる趣味として、昔しとった杵柄としてギターやウクレレを手にする人がかなり増えている。ギターやウクレレを置いてある楽器店に行くと、年配のナイスグレーから若い女性やカップルが以前よりも多く見られる。

ひとつの作品作りなのか想いを吐き出す手段なのか

 僕が学生時代に部屋にこもってギターを弾き語っていた頃は、松山千春、中島みゆき、かぐや姫や井上陽水、岡林信康は松山千春がフォークソングを歌うきっかけとなった先人として知ることになった。ギターを弾き語りながら、風景や自己が置かれた場所、好きだフラれた、不安だ寂しいだ。怒りや嘆きを歌に込めて歌う。そして聞くものはその歌詞の中に、聞く人自身の置かれた感情を当てはめて、自身の体験としてその歌を、まるで自身のテーマソングのように自己投影しながら歌に支えられ、歌に背中を押され、歌に慰められて心を揺さぶられる。例えるなら一枚の絵画に俳句を載せたように、見るものが自分で解釈し、自分の気持ちを表現するようなものかと思います。

 一方ニューミュージックと呼ばれた音楽ジャンルではまるでひとつの映画を作り上げるように、そのシーンを具体的にまるで映像のように歌詞に落とし込む。聞く側にもその映像の世界にひたり、その風景や音や匂いを感じ、感傷的な時間を共に過ごす。これと言った具体的な特徴は見られないが、フォークソングのようにじめっとした湿気さはなくて、カラッと乾いたちょっとオシャレでおセンチな風が吹いているように思う。荒井由美と言えばフォークソングのような気もするが「ユーミン」がまさにこのニューミュージックの代表と言われる。チューリップやサザンオールスターズ、尾崎亜美や八神純子。その先人として細野晴臣、大滝詠一、財津和夫らが築き上げてきた音楽の流れを組んでいるようにも思う。

フォークソングは死なない

 最近また、若者の間でアコースティックギターを弾き、歌う人たちが増えてきた。マリーゴールドで一躍有名になったあいみょんもマイナーな曲の中にはかなり自己表現のアクの強い曲も多い。街角で路上弾き語りをする若者も見られ、SNSや動画投稿サイトでも様々な人が弾き語りをしている。

 音楽配信サイトや短編動画サイトの影響で、イントロのない開始直後にインパクトが来る曲、サビから始まる曲。初見でいきなりグッと来る曲づくりが必須となり、美しいイントロから世界観を広げ、広大に流れる時間軸で奏でる曲は受け入れられづらい。けれど、それとは対極的に、昭和歌謡ブームが始まったり、中島みゆきの30年前の曲が最注目というよりも、当時から表舞台には上がらなかった曲が掘り起こされ、そして若者が新しいものとして受け入れられている。

 今こそおやぢ達よ!立ち上がろうじゃないか!若者に任せてばかりもいられない!昔語った夢を語ろうじゃないか!昔歌った愛を歌おうじゃないか!古き良き時代をもう一度弾き語ろうじゃないか!

日本のプロテストソング
関西フォークを代表する
岡林信康さん
松山千春さんが弾き語るのを聴いて僕はこの歌を知りました!

私たちの望むものは
社会のための私ではなく
私たちの望むものは
私たちのための社会なのだ

#松山千春 #岡林信康 #私ただの望むものは
#フォークソング #弾き語り

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