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塔ノ岳(表尾根)〜鍋割山

[ルート] 秦野駅→ヤビツ峠→(表尾根)塔ノ岳→鍋割山→大倉バス停 19km弱、休憩込みで7時間半の山歩

 数年ぶりに「塔ノ岳」に行ってきた。前回はナイトハイクで大倉ピストン。今回は、ヤビツ峠から表尾根で塔ノ岳に登り、鍋割山へ縦走し、大倉バス停へと下るコース。丹沢方面はアクセスの都合でどうしても足が遠のくのだが、本格的に雪道になる前に思い切って約19kmのロングコース。

 電車を乗り継いで「秦野」駅についたのは「ヤビツ峠」行きの始発のバスの30分ほど前。予想通り、既に多くの人が並んでいる。多分30人目くらいの位置。バスを待っている間に列がどんどん長くなる。100人は優に超えていると思われる。バスが来たので乗ると丁度席が埋まってしまった。

 「幸先が悪いな」と思いつつ運転手の側で立つ。バスはどんどん標高を上げていき、30分もすると下界がミニチュアの世界になった。海が見え、また、富士山も見え、席にあぶれた不運がすっかり吹き飛んだ。そうこうしているうちに思いの外早く40分弱で「ヤビツ峠」に到着。

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 バスを降り支度をし8時10分頃出発。まずは公道を1.7kmほど下る。ほんの20分ほど歩くと登山口。トイレはあったが使えなかった。行かれる方は混んでいても「ヤビツ峠」バス停で用を済ました方がいい。上着を脱いで「二ノ塔」へと歩き始める。長距離なのでまずはウォーミングアップ。

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 振り返ると「二ノ塔」までの道が一番きつかった。距離にして3kmもないのだが標高差400mを黙々と歩き進む。まずは「高尾山」と言ったところか。眺望は「二ノ塔」までお預け。ペースを掴めないまま、バス停から1時間ほどで「二ノ塔」に到着。素晴らしい眺めで一気に気分が上がる。

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 先は長いので写真を一枚撮り目前に聳える「三ノ塔」へと歩き進める。地形断面図だけだと読みきれなかったが、まず下り、そして、登る。今回のルートも数えきれぬほどのアップダウンがあった。15分足らずで「三ノ塔」に到着。まだガスっておらずここも素晴らしい眺望だった。

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 次のターゲットは「烏尾山」である。木製の階段や道が多かったが、凍っているので滑り、かなり神経を使った。30分ほどで「烏尾山」に到着。富士山が見える尾根歩き。相模湾も見えるが少しガスりはじめている。「烏尾山」を越え「行者峠」に向かうとお約束の鎖場が現れだした。

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 写真の鎖場がよく目にするものである。左右あるが左の鎖で下りた。乾徳山よりも伊豆ヶ岳の男坂のレベルか。行程の後半だと疲れがたまっているので難儀しそうである。ここから「富士宮ルート」を思わせる道をひたすら歩き、政次郎ノ頭→新大日茶屋→木ノ又小屋を通って「塔ノ岳」。

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 休憩込み約3時間半で、ごった返している「塔ノ岳」山頂に到着。風も無く、半袖で歩いている人もいるほどの陽気。想定外の好天で計算が外れ、尊仏山荘で飲み物を購入する。数日前に山荘のHPに雪景色の写真が上がっていたが、もうわずかに残っているだけ。下りの泥濘が気になるところ。

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 しばしの休憩の後、鍋割山方面へと歩を進める。「金冷シ」までは大倉ルートと重なるのでひっきりなしに人が登ってくるが、鍋割山方面の分岐以降は閑散としていた。塔ノ岳から鍋割山までのブナ林の道が本日のベスト。ようやく一息つけた。泥濘してはいるが難儀するほどでもない。

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 塔ノ岳から1時間ほどで鍋割山に到着。何度か偽ピークに意気消沈させられた。道標に記された距離を見る限りまだ先は長い。疲れが出てきているで山頂からの急降下に備え両膝にサポーターを装着。名物の鍋焼きうどんは既に売り切れていた。ここも富士山の景色が素晴らしかった。

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 腹ごしらえをして落ち着いたので、大倉バス停に向け下山をはじめる。この下りが辛かった。特に「後沢乗越」分岐までの岩岩した道。そこまで1時間。分岐を過ぎると歩きやすくはなったものの、日が射さない杉の植林帯。植林帯を抜けると林道に出た。道標には大倉まで5.2kmとある。

 「ヤビツ峠」から「二ノ塔」までが一番ハードだったと前述したが、この林道は長かった。一本早いバスに乗れるかと思っていたが、次のバスにもギリギリになる始末。短距離での激下りから、標高が下がらない長い巻道。やっとのことで大倉バス停に到着すると長蛇の列。

 ラッキーなことに臨時バスが出て渋沢駅まで座ることができた。休憩込みで約7時間半、19km弱の長旅。なんとか日が暮れる前に下山できた。久しぶりの「丹沢」を満喫。「もうしばらく山はいいな」などと思っているが、近いうちにまたどこかの山に登っているのだろう。