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ダイヤモンド富士

 正月のテレビでお馴染みのダイヤモンド富士 (ちなみにテレビは所有していない) をまさかこの目で見ることになろうとは思ってもみなかった。"Life is what happens to you while  you're busy making other plans (人生とはあれやこれやと計画しているうちに起こることなのだ)" というジョン・レノンが歌詞に引用した有名な言葉があるがその通りである。「縁起」という概念こそあれど、その仕組みたるや解明されることはないだろう。概念にとらわれることなく、また、無理やり目鼻をつけず、不可思議に遭遇したら、素直に驚嘆し味わうこと。

 さて、本題。ダイヤモンド富士の観賞スポットは多数あるが、私が赴いたのは本栖湖畔の「竜ヶ岳 (標高1485m)」。2017年の年末のこと。午前4時頃に湖畔のキャンプ場の駐車場に到着し、7時半頃のダイヤモンド富士に合わせるべく時間調整。早めに登って待っているなんてことは寒すぎてできないので、ギリギリまで待つ。標高差は600m弱なので多めにみても1時間半だが、痺れを切らし、夜明け前の暗がりの中、ヘッデンを装着し5時半から行動開始。キャンプ場を抜け、登山口へと辿り着くまでの道ははじめてだとわかりづらいかもしれない。

 登り始めてしばらくすると明るくなり、荘厳な富士のお目見え。その絶景に何度も立ち止まらされつつ、1時間半ほどで山頂に到着。防寒対策はしてきたつもりだが寒くていてもたってもいられない。待つこと数十分、富士に後光が射し始めると、山頂の登山者が一様に息を飲む。神秘の幕開け。「おお!!」という歓声が上がる。富士山頂のご来光時さながらである。頂のちょっと右側から光が射し始める。「真ん中になるのはもう少し後だろう」なんて声が聞こえてくる。夢のような、ほんの5分足らずのスペクタクル。「絶景」の定義が刷新される。

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 長文になりますが、続きがあるので、続けます。後日「ダイヤモンド富士」について調べたら「高尾山」でも夕日版のダイヤモンド富士が見られる (写真) ことが判明し、見に出かけた。それゆえか、さらに気持ちが高まり「頂の真ん中からのご来光が見たい」一心で、快晴の続く年明けに再び竜ヶ岳へと赴く。前回をふまえ、防寒も万全 (でも寒かった)。今度は「左寄りだったり」なんて懸念を持ちつつ、混雑する (笹もあり全貌が拝めない) 山頂の少し手前でご来光を待つこと少々、懸念を一掃する頂のど真ん中からの太陽のお出まし。100点満点。

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 はい、まだ続きます。竜ヶ岳で二度目のダイヤモンド富士 (朝日版) を堪能した後、夕日版のダイヤモンド富士観賞まで時間があるので天岩戸と言い伝えられる巨石 (写真) が鎮座する石割神社がある山中湖の側の石割山に登る。この山の頂からも富士の絶景が楽しめる。下山し、温泉にて疲れを癒した後、夕日版のダイヤモンド富士の観賞スポット (どこだったかは忘れました) へと向かう。車中から見える富士山には若干雲がかかっているが晴れることを祈る。車を停め少し歩いてスポットに到着。若干雲があるもののダイヤモンド富士を見ることができた。

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 ダイヤモンド富士観賞の旅は、翌年2019年の年明けの竜ヶ岳にてひとまず終了。この時はレンズが曇っていたようで反射してしまっている (サムネール画像)。竜ヶ岳は高尾山程度の標高差なので登るのは難しくない。間近ながら稀に見れないこともあるらしいので事前に天気予報をチェックし、しっかり防寒。路面凍結の季節なので運転には気をつけて。時間が許すのであれば、温泉に浸かったり、近辺を観光して時間調整し、同日に夕日版を見ることおすすめする。テレビで見るのと、実際に見るのでは天地の差がある。感動必至の絶景である。