見出し画像

Vシリーズ4話目 「魔法の言葉を受け取ったVの巻」

Vは大きな手術を終え、憔悴仕切った身体で術後の痛みや苦しみをくぐり抜けている真っ最中に、今度はキモセラピー(化学療法)をしなくちゃいけないと言われます。

「もうこれ以上、絶対に無理…」
「キモセラピーなんて、自分のカラダに毒を入れるようなもんじゃない…」「こんな弱った私のカラダにキモセラピーなんて無理よ…」

打ちひしがれたように、泣きながら信頼するセラピストのスーさんに電話をかけるV…。すると、そんなVにスーさんは言いました。

「キモセラピーをするのは、あなたのためじゃないの。キモセラピーは癌のため、過去に受け取った暴力、あなたの父親、あなたをレイプした加害者たちのためにするのよ。キモセラピーで毒を受け取るのは、彼らがあなたのカラダに残したもの。それらすべてのものたちを抹消し、もう決して戻ってくることができないようにするためなの。

あなたはその過程で苦しむかもしれない。そんな時は、あなた自身のために、そしてあなたと同じような体験をした女性たちの身体のために、薬が闘ってくれているとイメージするのよ。」


この言葉は、まるで魔法のようにVの心を鎮めていきました。嵐が去った後のように心の静寂さを取り戻したVは、スーさんの言葉を何度も胸の中で繰り返し、キモセラピーにのぞむ準備をしていきました。その時、とても衰弱していたVは、今まで自分が、「衰弱することができなかった」ことに気がつきます。

衰弱なんて弱々しい…かっこ悪い…強くてかっこいいエンパワーされたフェミニストの私が、自分で道を切り開いてきた私が、衰弱なんてできない…Vは、そんな自分がいたことにも気がつきます。

そしてVは、数週間のキモセラピーのプロセスと一緒に、今までの自分のライフを振り返ります。自分の身体の細胞が他の細胞を傷つける癌のように、どれだけ自分の家族が分離し、お互いを傷つけあってきたか、どれだけ自分で自分を傷つけてきたか、どれだけ自分を嫌悪してきたか、そして、どれだけ自分が愛を望んできたか…。


まるでキモセラピーが過去の傷をすべて抹消していくように、Vは洗いざらい、フタをしていた過去を振り返り、初めて本当に自分の身体にしっかりと存在することを体感し、自分の”ライフ”という、大きな愛そのものが、いつも自分の中に存在していたことを、カラダの内側から発見していきます。


Vは、癌という病を通して、治療を通して、看病してもらう(受け取る)こと、弱い自分を見せること、いつも自分を強く見せなくていいこと、今まで自分にゆるせなかった、衰弱すること、立ち止まること、休むこと、そして、「自分のカラダと共に存在すること」を取り戻していきました。

癌という病を通して本当の癒しを起こしていくV。ところが…手術後の約1年後、担当のドクターに会いに行くと、Vは言われるのです。

癌が再発する可能性は10%。そして、再発するとしたら、その場所は…


”バジャイナ”


…というわけで、何層にもなって続くVの癒しの旅。バジャイナに癌が再発するかも知れないと言われ、Vはどうしたのか…


続きはまた次回に!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?