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ジャムセッションでパーカッションがオススメな理由と、他に持っていくと楽しい/快適になるアイテムの話

誰も持ってこないのが不思議!自分の出番じゃなくても客席で遊べる音楽おもちゃ、パーカッション。打楽器専門の奏者と比べたら下手くそな演奏であっても、確実に音楽している実感が持てて、合奏の楽しさを味わえます。こんな音楽の楽しみ方だってあっていいのでは?みんなもやろうよ、という提案です。

なぜパーカッションなのか?

音楽の楽しみ方は人それぞれですが、どうも「自分のメイン楽器はこれ!」とばかりに、ギターならギター、ベースならベース!と決めつけてしまって、他の音楽の楽しみ方をわざわざ自分で遠ざけてしまっている人が多い気がします。1つの楽器の奏法を追求する果てしない鍛錬の道がある一方で、アンサンブル(合奏)をサポートするという楽しみ方だって、音楽にはあります。パーカッションは、まさにそのための楽器だと思います。

どういう演奏が喜ばれるのか?

さて、例えば他のミュージシャンから見てどんなギタリストが喜ばれるか、考えてみましょう。まあ簡単に言うと上手い人が来てくれると嬉しいですよね。この「上手いミュージシャン」には2種類あると私は考えます。まずは、「俺が俺が!型」です。カリスマ型というか、とにかくおれの演奏を聞け!という態度で、圧倒的な技術と存在感で、その場にいる人にうわーすげーと衝撃を与えるような人ですね。とても刺激的ですが、時と場所を選ぶというか、いつもその人がいると疲れてしまいそうです。

もう1種類の上手い人は「アイツがいるとみんなハッピー!型」のミュージシャンです。その人が演奏すると、お客さんだけでなく共演者もお店の人も、みんな楽しくなってしまうミュージシャンのことです。こういう人にはみんなから声がかかって引っ張りだこです。ギタリストで言えば、一緒にステージに立ったときに、歌が上手くきこえるようなギタリスト、他の楽器が上手くきこえるような、曲全体がよりよくきこえるような、そんな演奏ができる人です。超絶技巧とか光速の速弾きなんていうのは、ほとんどの場合求められません。むしろ求められているのは、楽器同士の音量バランスを意識したり、いまステージ上で主役なのは誰か?といったことを適切に判断できる力です。そして、ジャムセッションにパーカッションを持ち込むことの狙いは、この「みんなハッピー型」の演奏をすることにあります。

アンサンブル全体を見渡す視点が養える

パーカッションをより効果的に鳴らすためには、今この瞬間に、バンド全体が良くなるために何が必要だろう?という視点で考えながら演奏することが必要です。たとえ1つの楽器を極めたとしても、この視点がなければ合奏は良くなりませんね。独りよがりのフレーズ、不必要な自己主張、自己満足で終わってしまいます。自分のことだけでなく、その場の全てを良くしたいのです。いま奏でられている音楽の成功と、自分のいたずら心の満足と、その場にいるみんなの楽しさと、このすべてに応えたいわけです。とても欲張りですが、こういうことを常に考えて狙っているからこそ、絶妙なタイミングでお店の灰皿をカーンと叩いたりできるわけです。(お店の人に怒られることもあります)

音楽的に「邪魔」ならすぐ止める、音を鳴らさない

小物系の楽器は手軽なので、自分の出番じゃなくても客席で遊べるのがよいところです。ただし、いまステージで演奏中の人達の邪魔をせずに、かつ聞いて楽しめるようなフレーズを常に狙います。だからぜんぜん暇じゃないし、フルタイムで演奏に没入できます。もしジャストのタイミングを外したら、潔く音を鳴らすのをやめましょう、迷惑ですから。例えばタンバリンはジングルが多くて非常に音が大きいので、本気でシャカシャカするときはよほどリズムに自信があるときだけにしましょう。シェイカーもスタミナが要るし、ごまかしが効かないし、難しいです。じゃあ、どんな楽器がいいのでしょうか。

どんなパーカッションがオススメ?

さあそれでは、実際にどんな楽器を持っていくとよいでしょうか。ひとことで言うと、「小さめのパーカッション」がおすすめです。メインの楽器だってあるし、荷物が重くなるのは嫌ですもんね。楽しさでいうならシェイカーよりもカシシ、カウベルよりもアゴゴの方がいいと思います。アフリカ〜ブラジルの楽器はとにかく楽しいですよ!爆音の環境ではタンボリン(いわゆるタンバリンではないですよ)の音抜けがいいです。フレーズの隙間を狙うならトライアングルがおすすめです。あとビブラスラップをここぞという時に一発。演歌や昭和歌謡にもよく合います。

これはもう、1つずつ楽器を紹介するべきですね…。でも本当は、楽器でなくてもいいんですよ。気持ちいい音がして、軽くて、ちっちゃければ何でもOKです。台所用品なんて、楽器の宝庫ですからよく見てみてください。100円ショップで売ってるような計量スプーンなんて、めっちゃきれいな音がなりますよ!笑

ドラムスティックも忘れずに

ドラマーの人が持ってたり、お店の備品が借りられたりしますけど、使いたい時に限って無かったりします。自分のスティックがあった方が便利だし、気分もいいですよ。

その他、持っていくとジャムセッションが楽しく/快適になるアイテム

ここからはパーカッション以外にも、ジャムセッションに持っていくとよいものをご紹介します。

鍵盤ハーモニカ(ピアニカ、メロディオン等)

これもなんでみんな持ってこないの?楽しいのに!ホンセクの真似事もできるし、メロディ楽器にもなるし、客席から茶々を入れる(?)のにも大変便利な楽器です。「丸の内サディスティック」なんて、いきなり鍵ハモのソロから始まりますよ!

リコーダー

鍵盤ハーモニカ、リコーダー、カスタネット、トライアングル。日本人なら初等教育で必ず経験している楽器シリーズですね。結果として、こういう楽器は「簡単で、誰でもできて、つまらない」という偏見が広く持たれている気がします。とんでもない!これは日本の音楽教育の失敗であり敗北だと思います。こんなに奥が深くて、音楽的で、軽くて、ちっちゃくて、楽しくて、しかも安価で手軽に始められる楽器はなかなかありません。

iPad

iPadは楽器です!加速度センサーを使って、傾けるだけでビブラートやピッチベンドのかかり具合が変わったりするような、ライブ演奏に特化したアプリがあります。楽器が弾けない人でも超絶な速弾きができます!笑 そのうち、そんなアプリの紹介もしたいと思います。

赤白 ⇔ stereo mini pin ケーブル

iPadのような電子楽器をミキサーまたはアンプにつなぐときにあると便利です。これはスタジオだけでなく、カラオケ屋さんでも非常に役に立ちます。さらに、赤白ピン(RCA端子)をフォン端子に変換するアダプターも持っていれば、どんな環境でも安心です。ギターアンプに挿す時は、エフェクトリターンを使いましょう。

特大のダブルクリップ

あらゆる音楽イベントで、譜面台を使うときに役に立ちます。楽譜のページがひらひらしないように、あるいは紙ペラ1枚の譜面が落ちないように、譜面台に固定します。強風対策にもなります。譜面以外にも、邪魔なケーブルを固定したり、いろいろ使えます。

折りたたみの楽器スタンド

お店やスタジオによりますが、会場の広さに余裕があるなら、あると便利です。楽器をいちいちケースにしまったり出したりするよりは、スタンドに置いておく方がなにかと楽です。

耳栓

耳を大事にしましょう!すこしでも耳に強い圧力を感じたら、耳栓をしましょう。演奏中は大丈夫なことが多いですけど、客席側で聞いている時は同じ向きから継続的に大音量を浴びる事が多いです。あなたの人生で音楽を長く楽しみたいなら、耳を大切に。爆音をカットしながら、通常の会話もほとんど問題なくできる耳栓もあります。

のど飴

ボーカリストでなくとも、大声を出す機会が多いですし。2次会で酒焼けした喉にもぜひ。笑

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