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アフリカ的視点から見た、現在の御前崎市の課題

おはようございます。前御前崎市議会議員のさいとうけいこです。
選挙後の初のnoteとなります。
選挙については、また別の機会で振り返ってみたいとも思っていますが、今日はXで宣言した御前崎市の課題について語りたいと思います。

悲しさやルサンチマンも入ってしまうと思いますが、こういうタイミングなのでご了承ください。

アフリカ的視点から見た、現在の御前崎市の課題についてを一言で言うと「真っ当な長老がいない」です。以下、長老の役割についてを踏まえて書いていきます。※私がアフリカと呼ぶのは東アフリカのタンザニアでの経験からです。アフリカ大陸広いですから、一様にアフリカ的と呼ぶのはよろしくない事は理解しておりますが、ここでは分かりやすくそう書かせていただきます。

①トラブルシューティング
これは問題を解決するというよりも、対立構造的な問題があった際に「もうそのくらいにしなさい」と手打ちをするための和解の場を設定するという機能です。このような和解の場の設定についてはアフリカで何回か目撃しました。日本語でいう「まあそのくらいで、ワシに免じて、、、」と、対立を和解に導く役割です。この点は、とある報道の方と議会の混乱について意見交換をした時に「御前崎はそういう存在がいないですね、、、」と言われた事があり、ずっと私の心にも引っかかっていました。国際紛争の和平交渉をする際にも(良くも悪くもですが)第3国で行われたりする機能にも似ていると私は思います。諍いを酒の肴にして面白がるような人がいるのは人間世界の常でしょうが、それを違う方向へ導ける人の顔が見えないのは課題です。

②倫理感や道徳の体現者としての存在
ここは本当に考えると涙が出てしまうのですが、真っ当な年長者がいない、後身に倫理や道徳をその方の生き様として示す人がいなくなったことは、本当に悔しいと感じています。そういう方がこれまでいらっしゃったですが、少し前に旅立っていきました。アフリカではそのような長老の方は、たいてい宗教に熱心で(アフリカの場合はキリスト教やイスラム教でしたが)何かの時には若者の相談を聞いたり、①の仲介の場に担ぎ出されて言葉少なく意見を述べたりしていました。日本以上に貧富の差が激しく一面では弱肉強食な社会でもあったのですが、こう言う方々の存在があって私も協力隊の仕事がやれました。誰かが倫理や道徳を担うという機能は、コミュニティでとても大事な機能です。アフリカの場合は母親たちかこのような長老でした。

③コミュニティやそこに属する後進への責任感
アフリカの長老たちがやっていた事の中に、警察に捕まった若者を(当時は、若者がただまちでふらふらしているだけで、時々警察が連れていくような状態でした)を引き取りにいくというのがありました。警察官のお小遣い稼ぎでのことなので、もちろん保釈金も必要で、近所の方々が出し合って若者を警察まで迎えに行ったりしていました。決して豊かでない中での事で、お金を出し続けるのも簡単な事ではなかったと思います。また、私が勤めていた青少年センターにサッカーボールを寄付してくれた方々も、お金持ちではなかったです。自分の属する地域や若者への献身は、行政機能が脆弱(前述の警察の腐敗とか汚職とかは当たり前の状態でしたので)な中だからこそ担う必要があったのかもしれません。議員になってみて、「そんな事まで行政にやれっていうんだ」と驚いたり、それはそこ(その時々の対象)へ怒ることなのか?という思いを飲み込んだりもしました。

まとめ
私が出会ってきた長老の方々のことをこうやって思い返してみると、聴く力が確かにあって、対立する双方のどちらにとってもwin-winで平和的な着地点を導きだそうとしていたというのが特徴だったと思います。対立の火が、激しく燃え尽くしてしまわないように火消しをするという機能であったように思います。今回、御前崎市のこととして書きましたが、もしかしたら日本全体でこのような長老的はもうとっくにないのかもしれません。
でも「誰かに相談して、的確なアドバイスを聞いて、我にかえり、振り上げた拳をおろしていく」という行為は、これからも人間界が続く限り必要な行為だと思うのです。最低でも、自分より年が若い=経験値が少ない存在が何か未熟なことをした場合の対処で必要なのは「北風か太陽か?」「弾圧か説得か?」「感情的な対応か理性的な対応か?」について考えるのは、自明の理でだと私は思います。タンザニアの言葉(スワヒリ語)でhurumaという言葉が重視されていて、意味は同情だったり思いやりだったり慈悲だったりします。

最後に私の予言になりますが、5年なり10年後の世界では、このようなコミュニティの長老不在の「乾いた」状況からの反動で、ある種の宗教の復権があるかもしれません。その前に、誰かが予言していた30代40代をコアにしたガラガラポンが起こる可能性の方が大きいかもしれませんね。







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