「ロックってなんなんすかね？」
と、とある後輩に聞かれた。

これってロックファンにとっちゃ永遠のテーマなんですよね。
何て答えたら分かりやすいかなぁ、なんて考えていると、
なぜだか妙に懐かしい気持ちになった。

昔は良くこんなことを考えていたし、
このテーマで仲間とお酒を飲みながら語り合い、喧嘩になって、
夜を明かしたこともある。

誰かにとったら音楽の一ジャンルに過ぎないんだろうし、
誰かにとったら単にうるさい音楽というだけであったり、
誰かにとったら精神的な支えとなり、生きる糧であったりもする。
100人いたら、100通りの答えがあるし、
そのどれもが正解であり、不正解であり。
どれだけ人と語り合った所で、
心から分かり合えるなんて事はきっとないのだろう。

「愛とは何か？」に良く似ている。

ロックも愛も、形がなくて抽象的なものだから。
それぞれの人が感じたままで良いんだと思う。
「これはロックだぜ！」と感じたら、それはロックであるし。
「この愛は本物だ」と感じたら、それは本物の愛だ。
例え騙されていたとしても。だ。
それで良いと思う。

ロックも愛も、僕には僕の確固たる定義がある。
だけどそれを人に伝えるのは凄く難しい。

でも、今回聞いてくれたやつに、
自分の持つ数少ないボキャブラリーをフルに使って、
自分なりに伝えてみたら、何となくでも伝わったみたいで、
凄く嬉しかった。

ゴールなんて無いんだけども、その無いゴールに向かって、
バカみたいにアツくなれるモノがある事って、幸せなことだな、と思った。