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犬とばあちゃん

書店のエッセイマンガの棚に、よく見かける作品が
ある。読んだことはないけど、表紙の見た目
からして ほっこりしそうなタッチの本。
タイトルは「猫とじいちゃん」
そんなマンガに負けず劣らずな、
ほっこりな光景を目撃した。

買い出しの帰り、信号待ちをしていると、
歩道を後方から歩いてくる人影が。
何とはなしに目をやると、小さなチワワと歩く
どこぞの お宅のおばあさんがいた。

おばあさんの腰は85°くらいに曲がり、
足取りも えっちらおっちらという感じ。
いくらチワワでも全力でダッシュされれば、
足取りが覚束ない人は転倒のリスクがある。
しかも下り坂だし。
「大丈夫かなぁ」と 気になって見ていると、
チワワは気ままに走るようなことはなく、
チョコマカ チョコマカ歩いてピタリと止まり、振り向いて
おばあさんの顔を見て、お互いの間隔が詰まるまで待ち、またチョコマカ チョコマカと歩いて止まって振り向いて、を繰り返していた。
まるで「コケないで ちゃんと付いて来とる?」とでもいうように。

いつ、誰に教わって習得したのかは判らない
けど…とても賢くて律儀なコだなぁと、
感動してしまった。

買い出しのレジ待ちで、後ろの客にカートを
腰にぶつけられ、尚且つ急かすように
グリグリと押されるという憂き目にあい、
クシャクシャになってた気持ちがスーッと
鎮まるような気がした。