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【2023年紅白】スージー鈴木氏が勝手に選んだMVPの1人目は生田絵梨花。

1.【筆者のコメント】

ありがたい事に、音楽評論家スージー鈴木氏に高い評価を頂いた。

しかも、(2022年2月19日放送)BS-TBS『Sound Inn S』での生田絵梨花によるピアノ弾き語りのエルトン・ジョン『Your Song』を見ていた事に驚き。

生田絵梨花のファンだから余計な事を書いてしまいますが、「新妻聖子2世としての生田絵梨花」は『一人目の生田絵梨花』でしかない。
歌い手だけでなく楽曲の制作は始めており、近々に楽曲をリリースする事になると思います。その才能が有るかどうか、ヒットするかどうかは分かりません。

2024年以降は、二人目の「大竹しのぶ2世としての生田絵梨花」を目指しています。それが実現するのは4~5年後になるのかもしれませんが、彼女の持っている才能や特徴を生かした非常に良い目標だと思います。

それと同時に、太田プロダクション社内を始めとして「MCができるバラエティータレントとしての生田絵梨花」が求められてくると思います、本人がやりたいのではなく、テレビ局製作サイドや内村光良等の様な大物が引き上げる様に徐々に始まるでしょう。例えば、2023年30日の「箱根駅伝100回記念特番 伝説のシーン裏と表」に出演した様に。

最後に、これが一番衝撃が大きな事だと思いますが、「秋元康2世としての生田絵梨花」は10~15年後になるかもしれません。
これまでは、演者としてトップを獲った人が大物プロデューサーになる必要性が求められなかった。しかし、皆さんなんとなくわかっていると思うのですが、時代はもっと高度なコンテンツが求められていくと思うのです。
クリエイターと演者は違うという事が当たりまえの様に言われて二刀流は実現してきませんでした。
生田絵梨花は、「メタ認知能力」を持っており、演じている自分を常に俯瞰して見ています。その為に日常茶飯事で自分へのダメ出しを厳しく反省会を行います。その相手をしなければならないマネージャーや側近の人は大変だろうと思います。
その「メタ認知能力」の一つの目線が、製作スタッフ目線なのですが、もう一つ顧客目線も持ち合わせていて、だからこそいつも「クリエイティブの個性に寄らない一貫した目線」で自分に厳しい。
顧客に迎合するのではなく、顧客を生田絵梨花が望む顧客を選別するがごとく企画して振る舞える。乃木坂時代から何度となく見て来た生田絵梨花の魅力の一つです。


2.【「紅白」短評】2人の「いくた」(生田絵梨花・幾田りら)と寺尾聰のバンドサウンドに魅了された理由

スージー鈴木 音楽評論家、ラジオDJ、小説家  2023/1/1(月)


★勝手に選ぶMVP

◎一人目は、生田絵梨花

特別企画「ディズニー100周年スペシャルメドレー」は、正直油断していたのだが、生田絵梨花『ウィッシュ~この願い~』に度肝を抜かれた。

一昨年の2月19日に放送されたBS-TBS『Sound Inn S』で、彼女によるピアノ弾き語りのエルトン・ジョン『Your Song』を聴いて、その素晴らしさにたいそう驚いたのだが、『ウィッシュ』の歌は「新妻聖子2世」への道を進んでいることを確信させるものだった。
「ハマいく」での「芸能IQ」の高いパフォーマンスもよかった。大きく羽ばたいてほしいと思う。
というわけで、今回勝手に選ぶMVPの1人目は生田絵梨花。

◎二組目は「寺尾聰バンド」

そんな中、思わぬところからMVPが登場した。寺尾聰『ルビーの指環』は完全生演奏。メンバーはキーボード:井上鑑、ギター:今剛、ベース:高水健司、ドラムス:山木秀夫という、音楽ファン的にいえば「神布陣」。ちなみに井上と今は、『ルビーの指環』の原曲にも参加している。

間奏で、一瞬、井上鑑と今剛のセッションのようになったところ(原曲にはないパート)にゾクゾクした。これぞ「生歌・生演奏・生放送」の「3生紅白」の醍醐味。というわけで、勝手に選ぶMVPの2人目、いや2組目は「寺尾聰バンド」に(なおヒャダイン氏の指摘にあるように、キーは原曲(Gm)よりも全音上のAmになっていた)。

◎三人目は「YOASOBIのikura(幾田りら)」

そして今回、最大の見どころは、YOASOBI『アイドル』の圧巻のパフォーマンス。日本(と韓国)を代表するアイドルクループが出てきて、アイドルを批評する歌詞に乗せて、一糸乱れない(=カルグンム)踊りを見せつける演出は、二重三重にもメタ。

というわけで、YOASOBIのikura(幾田りら)にも勝手にMVPを差し上げたいが、たださすがに演出が音楽に勝り過ぎた気もした。純粋にボーカリストとしての彼女の力量に惹かれている身とすれば、今回よりも2021年紅白の、あの感動的な『群青』の方を推したい。


スージー鈴木 音楽評論家、ラジオDJ、小説家

音楽評論家。ラジオDJ、小説家。1966年大阪府東大阪市生まれ。BS12『ザ・カセットテープ・ミュージック』、bayfm『9の音粋』月曜日に出演中。主な著書に『幸福な退職』『桑田佳祐論』(新潮新書)、『EPICソニーとその時代』(集英社新書)、『平成Jポップと令和歌謡』『80年代音楽解体新書』(ともに彩流社)、『恋するラジオ』(ブックマン社)、『サザンオールスターズ1978-1985』(新潮新書)、『1984年の歌謡曲』(イースト新書)など多数。東洋経済オンライン、東京スポーツなどで連載中。2023年12月12日に新刊『中森明菜の音楽1982-1991』(辰巳出版)発売。

終わり

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