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公務員志望だった僕が、公務員を目指すのをやめたワケ。

昨日の記事「生活保護がなければ僕は死んでいた。公務員を志したワケ」にはNewsPicksその他でもたくさんのコメントを頂戴しました。

社会に、国に支えられてきたという感謝の気持ちがあるからこそ、恩返しをしたい。その手段として公務員になろうと思っていたのですが、とあることがきっかけで、公務員になろう!という気持ちは一気に冷めてしまったのです。

そこまで強い思いを持っていたのになぜ公務員になるのを辞めたのか。

*なんでそもそも大学一年で結婚したの?という話についてはご興味ある方はこちらをどうぞ。

そもそも、僕が公務員を志した理由はとても単純なものでした。

・生活保護のおかげで、国民の皆さんのおかげで生きてこれた

・社会に恩返しをする仕事がしたい

・社会に恩返しができる仕事ってなんだろう?

・そういえば憲法で「公務員はすべて国民全体の奉仕者」であるとあったな。

・よし、公務員を目指そう!
と。

でも、いざ「公務員を目指す」ことを考えた時にふとした疑問にぶつかることになります。

そもそも、公務員って何だ?

「公務員」ってそもそも概念として大きすぎるんですよね。言葉の粒度で言えば、「サラリーマン」と同レベル。

それを知らずにして「公務員になりたい!」というのはちょっと違うなぁと思い、リサーチを開始することにしました。

そこでまず手に取ったのが『官僚たちの夏』という小説でした。詳細は省きますが、非常に胸が熱くなる良い内容でますます興味が湧きました。

ただ、これはあくまでフィクション。やっぱり生声がほしい。一次情報がほしい。

そこで僕は入学当初からの親友で、同じく公務員志望の、GEILという学生の政策立案コンテストのスタッフをやっていたI氏と一緒に「行政学」というゼミに入りました。行政についてゼミナール形式で学べることと、OBOGを多数輩出しており、現役公務員とのネットワークを作れると思ったからです。

案の定、たくさんの「現役公務員」の方とつながることができ、最終的には、テレフォンショッキング形式も活用して国家公務員から地方公務員まで、ベテランの方から若手の方まで約10人の方にお会いすることができました。

「官僚制」が「優秀な人材」にもたらすものとは。

「普段はどんな仕事をされているのですか?」

「なぜ公務員になろうと思ったのですか?」

「やりがいを感じるときはどんなときですか?」

など、自分の興味のあることを中心にいろんなことをお話していただきました。

また、僕が実現したい未来について語らせていただきました。

しかし、この一連のインタビューは思わぬ結果を産むことになりました。

これは僕個人の全く主観で、たった10人の人と会って話しただけで、

「公務員」という職業を定式化するのは、全くの暴論であるのは百も承知でしたが、

「公務員になりたい」という僕の決意を揺るがすには十分すぎました。

そう、彼らには「我」がないように感じてしまったのです。

それも、ベテランになればなるほど。

誰もみな、同じようなことを同じような語り口で喋るのです。当時の僕には没個性的に感じられたのです。

「いったいどういうことだ!?」

僕はそう感じずにはいられませんでした。

若手の人の中には、

「カッコイイ!この人にはついていきたくなるな。」

と思ってしまうような方もいらしました。

それなのになぜ、、、?

そこで僕は(勝手ながら)ひとつの結論に至りました。

「(広義の)官僚制には、人を馴致させる仕組みがあるのだ。」ということに。

彼らは基本的に横並び主義。

よって出る杭は打たれます。

公務に従事するものとして、勝手にされては困るのです。

すでにある任務を淡々とこなしてさえくれれば、

命令や指示を聞いてくれさえいればいい。

そこに「創造性」は不要なのです。

「やっぱり安定するなら公務員!」

そして僕が最も嫌悪したのが、学校で目にしたとある公務員専門予備校の、

受講生募集のキャッチコピーでした。

「やっぱり安定は公務員!」

「先の見えない今だからこそ、公務員。」

このコピーが、僕の不安を確信に変えました。

だっておかしくないですか?

いったい何のために公務員になるというのでしょうか?

自分の安定のため?ただそれだけなのですか??

あのキャッチコピーがキャッチコピーたる理由は、

学生たちがそういう動機で公務員を志望しているということに他なりません。

公務員の持つ安定性というのは、あくまで「属性」の一つにすぎないはずです。

職員をカンタンにはクビにできないというのは、公務員だろうと、民間企業の社員だろうと同じですが、

企業が「つぶれる可能性」が否定できない一方、国や自治体がつぶれることはほとんどありません。

その意味で、確かに公務員は安定しているでしょう。

しかし、それのみを目的とするのは明らかにおかしいです。

少なくとも僕は納得できませんでした。

公務員という仕事が、どんな使命を持っているのか?

そこで自分はどう貢献できるのか?

を理解することなく、ただ安定を目指して漫然と勉強し、公務員を目指す人があまりにも多いのでしょう。

実際に僕の周りでも、「安定」以外に確固たる動機をもっている人間は少なかったです。

「安定」が第一動機となりえてしまう。

それがこのコピーが採用されるただひとつの理由です。

働く際に重要となるのはやっぱり「人」です。

当時の僕は生意気にもこう思ってしまったのです。

「安定」という完全に自己本位の動機を第一としている人間とは、一緒に仕事をしたくない!!!

すでに当時妻と息子という二人の家族がいた僕は、「安定」を求めるべきだったのかもしれませんが、

僕にはそれができませんでした。

こんなことを言ってしまうと、怒られてしまうかもしれませんが、これが僕が公務員志望を辞めた理由です。

その後、NPO活動をしたり、社会人になってから出会うような公務員の方々はどなたもみんな素敵で、高い志と確かな実行力をお持ちでイメージがガラッと変わったのですが、当時お会いしていた方々がたまたま自分とは違う価値観だったのですね。それも一つの運命だったのだと思います。

今まで僕を支えてくれた国民のみなさんに恩返しするために、よりよい社会をデザインするのは、何も公務員の専売特許ではないのですから。

次回予告>>>Not 公務員、But・・・?

こうして、かねてから目指していた公務員の道を断念した僕ですが、一気に目標がなくなってしまい、心の中ががらんどうになってしまいました。

そんな宙ぶらりんの中、とあるコンセプトに出会います。2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏の『貧困のない世界を創る』にあった、ソーシャルビジネスというコンセプトです。

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西村創一朗(複業研究家)

複業研究家/HRマーケター。元学生パパ。HARES代表取締役/ランサーズ株式会社 タレント社員。NPO法人ファザーリングジャパン理事。30歳3児(11歳👦🏻/7歳🧒🏻/3歳👧🏻)の父。首都大学東京法学系卒。お仕事の依頼は→ s.n@hares.jp

U-29世代のキャリア論

U-29世代による、U-29世代の、U-29世代のためのキャリア論をお届けします。

コメント2件

西村さんのような方が公務員になってくれるといいんだけどね~w。ソーシャルビジネスを頑張って日本を良くしつつ、後々政治家になって賞味期限の切れた公務員・公益法人組織をバッサバッサ切っていくことを期待します~。
昔、公務員でした。同じような、モヤモヤ感を感じてやめました。わたしは、地域のために、と思ってなりましたがそこにあったのはしがらみと派閥と、ぬるま湯。
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