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得手不得手より、好きか嫌いか。行動の源泉はどこにある?

家でこたつに入ってて、鼻をかんだティッシュを丸めてポイって、ゴミ箱にシュートする。

で、それが結構入ったりするから、やっぱ俺バスケ部だったしな、って得意げになるんです。でも、ふと気づいたんですが、多分バスケやってようが、やってなかろうが、みんな結構入るんですよね。距離は3メートルぐらいだし、子供だって5回投げれば1回は入るぐらいの難易度。でも、それと自分がバスケ得意だったことを、紐付けてしまう。

バスケは中学時代に部活で始めて、高校の部活ではないけど、趣味でやって、大学でも体育でバスケやって、今ではもっぱら観る専門。

2年前かな。一度友達に誘われて社会人バスケ行ったけど、あまりに自分が下手で動けないもんだから、途端に遠ざかってしまった。動けないわ、太ってるわ、背が低いわの三重苦。もう、楽しんでバスケやれることはなさそうですし、あの時の周りの殺伐とした空気は忘れられない。

レベルの緩いバスケ部、どっかにないだろか。あっ、そう。ダンスも。いまや、「ダンスやってました」がネタですが、それはそれで楽しかった。運動音痴だから、跳ね起きができなくてショーの練習には入れない。大学2年の頃、授業が終わって、葵陵館ていう溜まり場の3階でずっと跳ね起きしてましたから。

不思議な青春の1ページ。

でも、1ヶ月ぐらい練習して、初めてできたときの感動は今でも覚えてる。身体がフワッと持ち上がって、自然に立てた。友達がみんな駆け寄ってきて、うわーー!できたーー!って、喜んでくれて、なんか大人になってからあまり感じたことのない喜びがあった。それは学園祭のショーに出るためのものだったから、その後、ショーで跳ね起きは完璧にできて、嬉しかった。

チームは6人いて、一人は大先輩。ブレイクダンスで活躍しているアラポン@ユニティセレクション(所沢レペゼン)。ショーのクライマックスで、それぞれが動いた後に、音ハメで、そのアラポンと僕が、三点倒立で立つっていうのがあって、多分アラポンは一番劣等生だった僕にチャンスをくれたのだと思う。ドーーンって爆発音とともに、無音になり、他のみんなが床に突っ伏す中、僕とアラポンのツインタワーでキメッ!絶対に失敗できない戦い。

ショーが始まる前から緊張はしていて、でも、意外にどうにでもなれって気持ちもあって、音楽が始まって、それに乗って出て行く。暗いけど、体育館には数百人の観客がいて、盛り上がっている。

今でも覚えている立ち踊りのルーティーンから、フットワーク、2人、3人での合わせときて、ソロ回し。ウィンドミルやら、アラポンのエグすぎるアローバックで大歓声が起こったり。僕は高度な技はできないから、フットワークからエアーベイビーという、すでに名前が小技な小技を繰り出し、チェアーでそそくさと後ろに下がる。もう、アドレナリン出てるから、自分としては相当かっこよく決めていた。

そして、いよいよクライマックス。音楽はDJのスクラッチが激しさを増し、テンションが高まって行く。1人、2人と、動いてはフリーズし、止まっている。アラポンと僕のターンになり、最初の三点倒立を決め、足を抜き、最後の三点倒立を目指す。

ドゥードゥ、ドゥドゥドゥ。ドゥードゥードゥドゥドゥ。

※スクラッチです

ドゥドゥドゥ、ドゥドゥドゥ。

ドーーーーン。

やった!しっかり倒立し、足もピンと伸びている。音は無音だ。決まった。よし!俺ってやっぱ、やれる時はやれんじゃん!

ホッとして、すぐに足を下ろし立ち上がる。イェーー、気分はイェーー。と思ったら、エッ。

まだみんなポーズしたまま。

アラポンは俺の横でまだ足が天井に向かって伸びている。私は普通に立っている。なぬ。と思った瞬間、みんながフリーズを解き、動き出す。その間、ほんの数秒の出来事だった。ショーが終わると、何事もなかったかのように終わった安堵感と開放感からただただ楽しく、打ち上げをした。そこで、今日のビデオを観ることになり、イェーー!と勇んで観る。

渦中にいた時は客観的な視点などもちろん皆無で、夢中だ。改めてビデオの中の自分を見る。意外にみんな様になっている。クライマックス。みんな、しっかりキレよく動いている。

ドーーーン。

立った!壮太が立ったーー!盛り上がる。しかし、次の瞬間それっぽく倒立をやめて、立ち上がり呆然としている自分が映る。あれ、早くね?失敗じゃね?お前なんでそんな早く立ってんの?

と、方々から指摘が入り、責められる。うっ、ゴメンて。ゴメンて。と謝りながらも、恨みは僕に大役を任せたアラポンに向く(最低)。だから、僕できないって言ったじゃないですか!!

とワイワイしながら、学園祭の夜は過ぎて行った。以来、やはりダンスからは遠ざかることになった。苦手がぬぐいきれない。大切なのは主観と客観、双方の視点をしっかり持つこと。そして、向き不向きを自分に忖度すること。

とはいえ、バスケもダンスも好きなんだけどな。改めてやりたいけど、なかなかその殻が破れない。自分に忖度するのもいいけど、好きならやればいいじゃん。下手でも。ってのもいい。

今年は再チャレンジしてみようかな、バスケとダンス。そろそろ自分に遠慮してたら後悔する年頃かも。

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