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2015 NY備忘録 vol'2

■DAY2 13:00〜

日本を飛び立つ前、すごく爪を切りたかった。しかし、そんなときに限って爪切りは見当たらない。結局、タイムアップ。まあ、せっかくだからニューヨークで爪を切るのも悪くないだろう、そう思っていた。

で、いま。スタバを出て、セントラルパークに行く前に、ドラッグストアで爪切りを購入。これで準備は万端。早速、セントラルパークに入る。緑いっぱい(紅葉もしておりました)。代々木公園のようなもんだと思っていたけど、あそこまで緑が密集している感じでもないし、どっちかっていうとひとつの街という感じか。ランニングする人、サッカーしてる人、馬車に乗る人。そうそう、匂いという意味では馬の独特の匂いが印象に残っている。(それはまるで、幼少期の宇都宮競馬場周辺のあの匂いのように ※一人でも共感してくれたらうれしい※)。

Googleマップを見ながら、一路ストロベリー・フィールズへ。2kmぐらい歩いたかな。小道があり、そこからセントラルパークに似つかない量の人が出入りしている。入口では屋台でイラストが販売されている。小道には、ビートルズのストロベリー・フィールズ・フォーエバーを歌う若者がいる。

記念碑のあたりは人だかりがスゴかった

ジョン・レノンの命日などには世界中からギターを持った人たちが集まってきて、合唱になるらしい

その奥に人だかり(これは表の入口ではないのね)。目の前には、ジョン・レノンが殺害されたダコタ・ハウスがあり、その真下に直径2メートルぐらいの記念碑がある。本で見たときは、直径10mぐらいの大きなものだと思っていたけど、思った以上に小さい。カメラを持っている人が多く、大半が観光客なのだろう。

余談になるが、自分は文章書いたり本を作ったりしているけど、向かう先は圧倒的なメジャー感であり、ポップ感。アングラさとか、サブカルでいいや、という考えは自分には合わない。ずっと高円寺にいたし、サブカル好きだけど、いつまでもそこに安住するのは性に合わない。宇都宮より東京、なんなら東京よりニューヨーク?とまではいかないが、そういう考えが根底にあることを最近やっと自覚した。

陽気なおっさんと、トムクルーズ似の好青年

そう考えると、ジョン・レノンという人から見習うことはたくさんある(たくさんどころじゃねーだろとも言えるが)。もちろん、この人は時代に迎合することなく、自分の芸術性を高めた上で、それを世界に認められたわけだから、もうこんなこと考えるのもおこがましいけど。そんなことを思いめぐらせながら、この場所にいた。

人生で一番濃く、ジョン・レノンを考え、思った瞬間であったが、感傷に浸り切れるほど、ジョン・レノンへの気持ちは強くないことも再認識した。5分ほど、そこにいる人たちの顔を見て、移動。来た道を戻るとき、登山よろしく、みんなが挨拶を交わしていた。僕も、すれ違う人に目を合わせ、作り笑顔で「ハ、ハ、ハイ」と声を振り絞った。

無視された。

やっぱり、この街は厳しい。

カメラを向けたらご機嫌に。上記の悲劇が起こったのはこの直後。俺を調子づかせた張本人

セントラルパークは大きい。つかつかと歩いていくと、また人だかりがあった。噴水だ。何だあれは。ベセスタ噴水とテラスだ。噴水の上には天使の像がある。見たことあるぞ、これ。人がいっぱい。パフォーマーもいる。カップルもいっぱいだ。一人は寂しいやつだ。でも、おすぎは横にいない。いや、おすぎじゃだめだろ。天使の像がかっこいい。この辺りはどこを切り取っても絵になる。現にテラスの階段では、ひと際大きなアクションで写真を撮影されているカップルがいた。なんだと思ったが、ウェディング写真か何かなのだろう。プロっぽい人が撮影している。俺もこれやりたい。キスしたり、ハグしたり。

本当、映画みたいだったなこのふたりは。どれだけ幸せなら、こんな表情ができるか。

そうそう、テラスの下で多分日本人だと思うのだが、40代〜50代ぐらいの合唱か何かやっているんでしょうね。普通の格好した4人が歌を歌っていた。お世辞にもうまいとはいえず、パフォームにもなっていないが、「私達も歌ってみよっか」的なノリでニューヨークの雰囲気にほだされた、観光客のお戯れ。見ていて痛々しい……と思っていたら、その近くにいたホンモノのパーフォーマーの方。男女2人組で、英国貴族のような格好をし、バイオリンを弾きながら歌うのだが、彼が歌いはじめ、その日本人の声は一瞬でかき消された。それほど、大きく通る声だった。「てめえら素人とは格が違うんだ、ボケが!」と言うように声を張り上げ、歌い上げる。楽器も超うまいし。裕福な国に生まれたゆえの、ハングリー精神の違いを見せつけられた。やるせない気持ちが、僕の尿意を刺激し、一旦トイレに逃げ込んだ。

日本人を一蹴した超本人。逆光で真っ黒。後ろにいる妖精みたいな女性とペアを組んでいる

やたらと道行く人の目をひいていたおじさん。アコーディオンは絵になる

セントラルパークは大きい。そして、ランニングをしている人が多い。友人に「美女がいっぱい走っている」と聞いていたので、逐一チェックしていたが特に美女は見当たらなかった。冴えないおっさんもいれば、カッコいいお兄ちゃんもいる。「それ日本の運動着じゃね?」というだっさいジャージを着た女子もいた。

気付いたことがある。当たり前のことだが「ニューヨークだからって、何もかもカッコいいわけじゃない」と。

みんな、走る走る!自転車も走る走る!

東から西へ、公園を横断し、メトロポリタンミュージアムに向かう。途中、ベンチに座り、おもむろに爪切りを取り出し、爪を切る。同じ「爪を切る」という行為も、自宅でやればなんともないが、俺はいまセントラルパークで爪を切っている。なんて貴重な時間なのだ。みんなが怪訝な顔で俺を見ていく。そりゃそうだ、小太りのアジア人がセントラルパークで爪を切っているのだから。しかも、格好はスウェットとナイキのトレーニングウェア。友人曰く「パジャマか!」という格好だ。とにかく、爪を切り終え、スッキリ。いよいよ、メトロポリタンミュージアムに到着だ。

次に続く

綺麗なお姉さんは好きですか?ハイ!好きです!スタイルよく、スキニーデニムが、NYのキレイな人と認識した

興奮して走り出す子ども達。真ん中のやつのほとばしる情熱にリスペクト

別カット。ウェッティーなヘアスタイルがイイネ!

この自転車の持ち主。ガイドさん。50Centかよ。


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