見出し画像

法界坊

2018年11月 吉例顔見世大歌舞伎
・楼門五三桐
・文売り
・隅田川続俤 法界坊
 序幕 向島大七入口の場より
 大喜利 隅田川渡しの場まで
 浄瑠璃「双面水澤瀉」

今回のお目当ては4代目猿之助さんの法界坊。
法界坊ってよく聞くけど、どんな話なのか全く分かっていなかったので事前に軽くあらすじを読んで予習した…が、登場人物が多くて、よく分からないまま幕が上がってしまった。
寝不足なこともあって途中で寝てしまうのではと不安にだったのだけど、眠気なんぞ一度も起こらないくらい面白かった!!
堅い話なのかと思いきや、劇団☆新感線(他の劇団を知らないので適切な例えかは分からないけど…)を彷彿とさせる、ちょっと下品で笑いに満ちた楽しい舞台だった。

箇条書きで感想を…
・猿之助さんの演技に他の役者さんがニヤニヤしてしまっている!!
歌舞伎って役者さんがアドリブで面白いことを言っても、周りで控えている役者さんは表情を変えてはいけないものだと思っていたのだが、今回、私は右近さんが猿之助さんのアドリブに笑ってしまっているのを目撃!それを観て、私もニヤニヤが止まらない!!きっと他の役者さんもニヤニヤしていたのだろうと思う。想像だけど。
舞台のこういう場面が私はとても好きだ。その場でしか観ることができないものだと思うから。映画のエンドロールにたまにおまけで付いてくるメイキングに、NG集としてこういう場面(演技中に相手の演技に笑っちゃうとか、そういうやつ)が入っていることがある。それも大好き。何かを演じ切っている役者さんのリアルな姿がチラッとみえる気がして、とっても楽しい。

・お客さんへの呼びかけがあった
劇団☆新感線では、たまに橋本じゅんさんがC&Rをやってくれるんだけど、それにあたった時の嬉しさといったら…もう大好き!楽しい!がさく裂してしまう。なんだろう、舞台に参加できているような嬉しさなのかな?
今回C&Rではないけど、猿之助さんが客席へ問いかけるセリフがあったのだけど(歌舞伎では初体験!)、「2階席3階席のお客さん!」と上の席まで気にかけて頂いて嬉しかった。

・法界坊が花道から登場してくるシーンでの拍手がすごい
最初、花道から法界坊が登場するのだが、その時の拍手がわれんばかりであった。お客さんが温かく迎えているのがよく分かって、とても嬉しかった。
法界坊といば、18代目勘三郎さんのイメージが強いのかな?猿之助さんもプレッシャーをもしかしたら感じていたかもしれないけど、それを感じさせない軽やかな法界坊だった。いつかの再演を楽しみに待ちたい。

「双面水澤瀉」も良かったのですが、素人には猿之助さんって何でもできて素晴らしすぎる…くらいの感想しか出てこないので、ここは割愛いたします(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?