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わたしが新卒でパラレルワーカーになった理由〈前編〉


わたしは今年の3月に大学を卒業して、半年インターンをしていた株式会社アスノオトと、NPO法人グリーンズの2つの会社で働いている。(正確に言えば1つはNPOですが。)

つまり、複数の仕事を掛け持ち(複業)する「パラレルワーカー」に新卒でなった。


簡単に今のわたしの働きかたを話しておくと、

アスノオトはチームメンバーが5人。なんと、全員がわたしと同じくパラレルワーカー。しかも、業務はほぼすべてオンラインで行われているので、基本的にどこにいても仕事ができる。メンバーとは会っても週に1回、メンバーのうちのひとりは関西にいて、この前半年越しで初めて会った。(笑)

平日に実家のある新潟に帰って仕事することもできるし、この前は離島で島暮らしを体験しながら仕事をしていた。

もうひとつの、NPO法人グリーンズも、正社員が数人と、その他にわたしのような業務委託で複業をしている人が10人くらい、そしてインターンが10人くらいのチーム。こちらもオンラインでのミーティングも多く、小さいお子さんの子守をしながらミーティングに参加するメンバーも何人かいる。

新卒でパラレルワーカーの時点でかなりレアだが、出社義務もないのでよりレアな働きかたなのだと思う。(わたしにとっては新卒でこの働きかたなので普通のことと思っているけれど。)


そもそも、そんなわたしがこの働きかたに着地した理由は、簡単に言えば就活をしなかった(できなかった)から。なぜわたしが就活をできなかったのかを話したいと思う。

就活ができなかった理由は主に5つくらいあるので、前編・後編に分けて話したいと思う。


1.心にスーツを着れなかった
2.フォーマット通りに話せなかった
3.もう評価されるのに疲れた
4.人間らしさを認めてくれる環境がよかった
5.やりたいことなんてやってみなきゃわかんない




1.心にスーツが着れなかった


就活ができなかった理由の一番はこれだと思う。就活での人との出逢い方に違和感しかなくて、わたしには無理だった。

たいていスーツを着ていく場って、心にもスーツを着ないといけない場だと思う。わたしは、「中央大学の内藤さん」というフィルターを通して見られるのが嫌だったし、「~~社の○○さん」としてその人と出会うのが嫌だった。

スーツを着た場の空気感では、どんなに質問をし合ったところで、どこか堅苦しくて、出てくる話が決まっている気がする。

私服OKの面接に行ったときも、わたしはジーパンで行って、その場で聞かれて感じたことをできるだけ話そうとしていたけれど、

他の学生はみんな「絶対普段そんな服着てないでしょ」って感じのフォーマルな服で、暗記してきた話をつらつらしゃべっていて、そのときに「あぁ、このルールに自分は適応できない」と思った。


だって普段そんなコミュニケーションのしかたしないから。そんなにとりつくろった会話をたった数十分しただけで、自分のことをわかったなんて思わないでほしいし、会社のこともその人事の人のことも全然知れない。

わたしは大学時代に、結構たくさんの大人と出逢ったと思う。その大人のほとんどのが、(ありがたいことに)わたしを学生としてではなくわたしをただわたしとして見てくれて、

わたしもその人たちを、年齢が上だからとかじゃなく、純粋に人として尊敬していて、相手もわたしへのリスペクトしてくれている、そんな信頼関係や、深い価値観でつながれる関係を築いてきた。

そんな風に人は「フラットに話したら結構分かり合える」という経験があるから、「~~社の」人としてではなく単にその人がどんな思いで働いてるのかとかを知りたかったし、

わたしのことを本当に知りたいと思ってるならこのnoteとかTwitterとか見てくれた方が、よっぽどわたしのこと知れると思うよって思ってた。

noteでのコミュニケーションはいわば、心が私服の状態で、Twitterだともや心がジャージぐらいの状態、みたいなイメージ。


スーツは別にがんばれば着れたけれど、心にスーツを着ることがどうしてもできなかった。


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2.フォーマット通りに話せなかった


「ガクチカ」ってみなさん知ってますか?

わたしもよくわかってんないんですが、「学生時代に一番力を入れたことはなんですか?」という就活でされる質問の略らしい。いわゆる就活用語。

もちろん、大企業ともなれば何百人・何千人の学生の話を聞かないといけない(ほんとうに聞かないといけないのか?は置いておいて)ので、できるだけ楽に選抜できるシステムがあるに越したことはないけれど、

みんなに同じ質問をするのが本当にその人を知ることに繋がるんだろうか…


わたしの場合、社会のいろんなことに疑問を持ってしまうタイプなので、ほしい未来・社会のなかの変えたいしくみはたくさんあった。

社会から隔離された場所で学ぶ学校への違和感、会社などの組織での縦の関係、あれだけまた地震が来ると言われている中でのリニアモーターカーの工事、障害者への偏見にまみれた24時間テレビ、なにより経済成長を目指す行き過ぎた資本主義社会…。

でも、「会社でなにがしたいですか?」「学生時代になにをしましたか?」などの決まったフォーマットで聞かれてしまうと、決められた時間のなかで自分のほしい未来の話ができない…。


あと、わたしはTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」をおそらく50回見ている。ちなみに10話すべてをを50回ずつ、という意味。(これはそのうちnoteにまとめたいと思っている。)

絶対そういう話題をきっかけにした方がわたしのこと知れるよなぁと思っていたけれど、そんな話ができるフォーマットは用意されていない…。


就活っていう場で話すことのフォーマットがあまりに決まりすぎていて、話せなかった。



後編につづく)




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