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私は、もう泣いている。

わたしは正真正銘の泣き虫だ。
生粋の泣き虫であり、生まれながらの泣き虫であり、
年取ったから涙もろくなってきた人たちとは レベルが違う泣き虫だ。 

小さい頃、親に「泣くな!」と言われる前から すでに泣き始めていて、
親が「泣くな!」と言う タイミングを逸してしまうほどの泣き虫だ。

 蛇口かジャグジーのような涙腺だ。
どうだ。すごいだろ。

怒られてもないのに、 怒られそうだから涙が出てしまう。

きっと「ダメ」って言われるに違いない。
という妄想で涙が枯れるほど泣いてた。
つまりは、めんどくさい子だった。

 40歳が見えてきた今。
そんなに叱ってくれる親も、 片方は天国に逝き、片方も年を取った。
小言は言うが、泣かされることはなくなった。
(まぁ、昔も泣かされる前に、先に泣いていただけだけれども)

自分が親になったからか、年を取ったからか。 よくわからないけれども。 「親が叱る=子を自分の思い通りにしたい」 ということではない気がしてきている。

ただ「子の覚悟を確かめたい」だけなのではないか。
「覚悟が確かなものであれば、全力で背中を押してあげたい」 のが
親という生き物なのではないかと思う。

子の背中に手が届くうちは、 全力で押してあげたいなと思う。
手が届かなくなることほど 寂しいものはないんだろうな・・・と。
まだ2歳の息子の背中を見つめながら、 もう私は泣いている。

あー、息子よ。

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