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地図を見よう★Read a map&world★

かなり前だけど『話を聞かない男、地図が読めない女』という本が売れた。私は方向音痴じゃないけど地図は苦手で、地図を見る役割で助手席に座るというのが本当に嫌だった。だからナビが普及してGoogle Mapが現在位置を教えてくれる今がとても嬉しい。のだけど、実はナビを見るのも、現在位置がわかっていてもmapを見るのも苦手でよく間違える。だから知ってる人は今でも私に地図は渡さない(笑)地図が苦手な人ってみんなそうなのかな、と思いつつ、私だけのような気もするのでなかなか人に聞けないでいることのひとつ。

とまあ、そんな感じなのであまり地図をじっくり眺める習慣もなかったのだけれど、この旅を決めてからはそこそこじっくり眺めるようになった。今回、行く場所を中心に、いくつかのバージョンを印刷していたのだけど、たとえばこんな感じ。

ジョージアとトルコの位置を見るために少しだけ広範囲に指定したこの地図を眺めていて私が最初に驚いたのは、なぜかブルガリアの位置。ブルガリアってもっと寒いところにあると思ってた!と思ったのだけど、ジョージアのことを考えればこの位置でも充分、寒い(ちなみに本日1月17日の予想気温は5/-9)。

ブルガリアは黒海を挟んでジョージアの対岸にある。一般にカスピ海ヨーグルトと呼ばれているものは、黒海からカスピ海の間にあるコーカサス地帯の人々が長寿なことから日本に持ち込まれたもの。ヨーグルトの発祥はトルコと言われているのだけど、カスピ海よりもむしろ黒海の方がヨーグルト地帯と言っていい、というような話を読んだ後だったせいか、おー、ブルガリアがここにあるのか!と目の覚める思いがした(そしてブルガリアの首都ソフィア、はいつ見ても聞いても優しい名前)。

次に驚いたのはオリンピックが開かれていたソチがジョージアのすぐ近くだったこと。ロシアとの関係が良くない時期があったことも聞いていたせいか、印象的だった。広大なロシアの中でもこんなに端っこだったのだ。そしえ寒そう。。オリンピックにはあまり興味がなくて調べたこともなかったけれど、こんな場所だったんだね。

それから、トルコの下にあるアレッポ。石鹸で有名なこの街は今も不安定な状況にある。日本では昨年上映されていた『ラジオ・コバニ』の舞台となっている地域だ。トルコの下の方。今回、私たちが行ったアニ遺跡のあるカルスなどを含む東側の地域も不安定だったことがあるし、ジョージアだって一部の地域はあまりいい状態ではないと聞くし、不安定な場所があちこちに点在していることは頭では分かっている。分かっているけれども、石鹸で耳慣れたアレッポが戦場になったことは衝撃的だったし、今もウソみたいだなあという感覚があったのだけど、地図を見たら一気にリアリティが増した。トルコもジョージアもオリーブがたくさんあった。瑞々しいオリーブは臭みもなくて美味しかった。あの実からオイルが取れるし、石鹸もつくられる。そんなイメージだったアレッポの街。ここにあるんだと思ったら、なんだかトルコが違う国に見えてきたりもした。

黒海は内海だけれども横に広がるトルコ以上の大きさだ。イスタンブールからカルスまでの移動に私たちは飛行機を使ったのだけど、約2時間かかった。黒海の大きさはそれ以上。冬なこともあって波が高く、内海なんて感じは全くしなかった黒海だけど、それだって当たり前だ。だってこんなに大きいんだし。いろんな国と接している。

★夏は人気のリゾート、バトゥミは黒海沿いにある。寒くて波が高かった★

★どこも犬や猫、動物が多かったのだけど、小雨のバトゥミにいたワンコ★

とまあ、こんな調子で点と点がひとつの画の上で形になった感じ(実際に行った場所は全然、関係ないけど)が面白くて、戻ってきてからも地図への興味は継続中。みんなに説明する時に使いたいなと思って行った先の地図を買ったり、持ち返ってきたのも初めての心境だ。地図に対してこれまでとは違う感覚になってきているのが自分でも新鮮で面白い。

あとはこれに乗じて普通に地図を見る(読む)感覚が備わってくれたらいうことなし、なのだけど。矢印がどっちをさしているのかも、いまひとつ直感的に理解できないし、方向音痴じゃなくても地図を見ながら道に迷うなら不便さは変わりがない。地図を見ながら迷いなく前に進む、という姿を自分自身に迎えてみたい、と思いつつ、今年は地図に親しもうかな。

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