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存在しないモデルたち ~バーチャルヒューマン7人と、企業プロモーションでの活躍~

こんにちは。Japan マーケティング Week 事務局です。

突然ですが、この画像に写っているモデルの2人を知っていますか?

2人はとあることで、世界の注目を集めました。
実は……2人とも実際には存在しない、CGで作られたバーチャルモデルです。

日本ではVTuberが注目されていますが、海外ではバーチャルモデルやバーチャルインフルエンサーといった「バーチャルヒューマン」が注目を集めています。本記事ではバーチャルヒューマンを知る上で欠かせない7人と、バーチャルヒューマンを使った企業のプロモーション事例を紹介します。


画面の中だけで存在するモデル


1.Lil Miquela(リル・ミケーラ)

バーチャルヒューマンの先駆けとなったのは2016年4月にインスタグラムのアカウントを開設した「Lil Miquela(リル・ミケーラ)」。アカウント設立当初から本物の人間なのか?CGなのか?大きな話題を呼びました。

「PRADA」や「CHANEL」、「Supreme」などのブランドを着こなすモデルとして、アカウントを開設してから5ヵ月で8万人ものフォロワーを獲得。その一方で歌手としても活躍し、2017年のデビューシングル「Not Mine」ではSpotifyのバイラルチャートで8位にランクインしています。

「写真に写っている影がおかしい」など、インスタグラムではからかうようなコメントも見受けられますが、彼女の熱狂的なファンは”Miquelites”とも呼ばれ、ミケーラは200万人以上のフォロワーに支持されているバーチャルインフルエンサーとなりました。

2.shudu(シュウドゥ)

「shudu(シュウドゥ)」は、イギリスの写真家が自分の理想のモデル像として制作した3DCGモデル。歌手・リアーナがプロデュースするブランド「Fenty Beauty」の口紅を塗ったシュウドゥの写真を、リアーナ自身がシェアしたことがきっかけで一躍有名になりました。

また高級ブランド「バルマン」は、シュウドゥとマーゴット、ジィ―の3人のバーチャルモデルのユニット「バーチャル・バルマン・アーミー」を結成。インターネット上で商品やコーディネートを発表しました。若い層にもブランドに興味を持ってもらいたい、というバルマンの試みはファッション業界に大きな衝撃を与えました。


3.noonoouri(ヌーヌーリ)

アニメキャラを彷彿とさせる外見が特徴の「noonoouri(ヌーヌーリ)」。フランスの雑誌「FIGARO」の表紙や「DIOR」の広告に起用されたり、グローバルな活躍を見せています。

中国のアリババは、自社が運営しているTモール「ラグジュアリー・パビリオン」のモデルとしてヌーヌーリを起用しました。
ヌーヌーリとコラボレーションした英国の「マルベリー」は、‟My Localキャンペーン”を実施。その一環として、ユーザーはヌーヌーリとのオンラインゲームをプレイすることができました。ユーザーはヌーヌーリをコーディネートしたり、メッセージを読むことでポイントを獲得し、そのポイントでお買物券や限定バッグと交換。ユーザーとのつながりを強化するキャンペーンに貢献しました。


4.カーネル・サンダース

それまでのアイコンとは異なるバーチャルインフルエンサーを起用したことで話題となったのはケンタッキー・フライドチキン。
ケンタッキーの顔とも呼べる創始者カーネル・サンダースは、白髪で優しい笑顔のおじさんです。しかし、投稿された写真ではマッチョな姿を披露。9分割された初の投稿は、計6万5千ものいいねを獲得しました。


#あたしCGらしい  

日本発のバーチャルモデルは海外のバーチャルモデルと異なり、ハッシュタグでCGであることを明言しています。

5.Imma(イマ)

日本初のバーチャルヒューマンとして知られるのは2018年にインスタグラムに登場した「Imma(イマ)」。彼女は実写の身体と背景に、CGの顔を合成しています。また発言や動きはすべてAIによって判断されています。

インスタグラムではブランドの服を着たモデル、インフルエンサーとして活躍すると同時にコスメブランドやスキンケアブランドとのタイアップも話題になりました。4月には世界21ヶ国で発行されるファッション誌「GRAZIA」中国版の表紙に抜擢され、本誌内では12ページにおよぶ特集も。


6.Saya(サヤ)

アイドルオーディション「ミスiD 2018」ではバーチャルヒューマンがファイナリストに選出されるという異例の事態が起こりました。「ぼっちが、世界を変える。」賞を受賞した「Saya(サヤ)」はアーティスト、TELYUKAが生み出したバーチャルヒューマンプロジェクトです。

2019年には鎌倉の高校でサヤを通してAI技術とはどんな技術なのか学べる「1日転校生 Saya」を実施。教室に設置した大型のディスプレイと班ごとに配られた小型デバイスを介して、生徒たちはサヤと会話をしました。サヤは生徒たちの会話から学習し、考えた内容を発表し、生徒たちを驚かせました。


7.YU(ユウ)

2020年には大手アパレルブランド「GU」がブランド初のバーチャルモデルを起用しました。バーチャルモデル「YU(ユウ)」は女性200人から26項目の体型データを計測し、その平均データを参考に作成されたモデルです。

モデルが着ている服をいいなと思っても、モデルと体型が違うから似合わない。もっと参考になる着こなしが見たい。
多くの女性の悩みに寄り添う形で生まれたユウ。バーチャルでありながら、より顧客に近い存在として、これからの活躍が期待されます。


現実でなくとも構わない


スマホのカメラの進化とアプリが豊富になったことで、スマホで撮った写真を加工してSNSに投稿することが当たり前になりつつあります。
特に、10代女性が自撮りに加工アプリを使う割合は6割弱。20代女性では3割程度となっています。さらに20~30代の女性が、未加工の写真をSNSに投稿している割合は1割弱という調査結果もあります。

画面に写っているモデルが本物かどうか。
画像の加工が当たり前となったSNSにおいては大した問題にはならず、バーチャルヒューマンのフォロワーは画面に写るものをそのまま受け止めています。

これからますます増えると考えられるバーチャルモデル。現在はSNSや雑誌におけるPR、デジタルサイネージなどの電子看板の用途に留まっていますが、活躍の場は広がっていくのではないでしょうか。

最先端の広告手法として、参考にしてみてください。


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