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クリスマスの過ごし方(クリスマスケーキ構造解析編)

この記事はCanSatチームFUSiONのアドベントカレンダー2023,16日目(12月18日)の記事です.

こんにちは,Hadaです.もうクリスマスですね.

突然ですが,クリスマスケーキって生クリームの層が厚ければ厚いほどいいと思いませんか?しかし生クリームの量が多くなりすぎると自重でケーキのスポンジ部がつぶれてしまいます.
今回はケーキの圧縮試験を行いヤング率を求め,そこからどれくらいの生クリームならスポンジがつぶされないか検証していきます.

ケーキを焼く

まずスポンジ部分を焼けないと何も始めらないので焼いていきます.家にケーキの型がないので段ボールにアルミホイルを敷いて代用します.

カステラ?

試験片の作成

ケーキが焼けたら試験片の作成を行います.寸法は
$${10×10×30(mm)}$$
としました.

内部構造に欠陥が多い

荷重とか諸々

上に$${10g}$$の重りをのせ,変形量を調べます.$${28mm}$$になったので変形量は$${2mm}$$です.ひずみを定義から求めると
$${[ひずみ]=\frac{[変形量]}{[全長]}=\frac{2}{30}=0.067}$$
$${10g}$$の重りをのせたとき重力加速度を$${9.8m/s^{2}}$$とすると$${0.098N}$$の荷重がかかるため,試験片断面積$${10×10(mm^{2})}$$にかかる応力は
$${9.8×10^{-4}MPa}$$です.

ヤング率,圧縮強度を求める

ケーキは弾性変形していると仮定します.
$${[ヤング率]=\frac{[応力]}{[ひずみ]}=\frac{9.8×10^{-4}}{0.067}=0.0146MPa}$$
ケーキが破断するとき,すなわちケーキを切るときはフォークを縦にして切っていくのでその応力を測定して強度と考えます.
フォークで切る時の荷重ははかりを用いると平均をとって
$${106.5g×10^{-3}×9.8m/s^{2}=1.043N}$$
の荷重をかけていたことがわかります.フォークの縦の面積は
$${20×3(mm^2)}$$と計測し$${0.017MPa}$$を引張強度としました.

生クリームはとりあえず今回作成した$${100g}$$すべてをケーキにのせることを考え,その安全率をみることで何倍までのせられるか検証します.

Fusion360で$${\frac{1}{8}}$$切のケーキを用意しました.計算した値を入れ解析を行います.

結果

$${100g}$$程度では安全率が$${15}$$以上で検証できなかったため$${1kg}$$の生クリームをのせて検証しました.

安全率は約$${8}$$なので$${8kg}$$の生クリームをのせたらケーキが完全に押しつぶされて,ケーキではなくなってしまうようです.生クリーム好きにはたまらない量…ケーキとクリームの質量の比率がすごいですね.

しかしここで変位を見てみると$${1kg}$$ものせて変位が$${1mm}$$ってどうなんだって感じですね(ケーキが全く膨らまなくて石みたいになったらこれくらい?)…解析の時は境界条件の設定によって解が大幅に変わるのでこのシミュレーション結果もどこか間違ってそうです(圧縮強度をちゃんと設定できてないとか).だからこそ実際に試験してみる・再現してみるということが大事になってくるわけですが,冬のイチゴすら買えない私には生クリーム$${8kg}$$はちょっと…

ケーキの中の構造って空気によって欠陥だらけのように見えますが逆に格子構造で模擬することで計算するとより正確に出せるかもしれません.その前にパラメータを正確に求めた方がいいですが…
自重で壊れないギリギリまでケーキを膨らませたらもとの何倍なるんだろうとかギモンが新たに生まれてきたり.こんなことを考えているとクリスマスがさらに楽しいイベントになりますね!

このケーキ今から一人で食べるのか…

みかんは安かった

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