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月の地形

皆さん、こんにちは!
11月4日にTNLが主催する「Think Space Habitat vol.1 Building on or in the moon」に先立ち、今日は月の地形について簡単にまとめていきたいと思います。
(お申し込みはこちら↓
https://docs.google.com/forms/d/1cRAFpCBzUJkaDNIut31hTf9-E5dIP4z84vEr31r271Y/edit )


月の地形の大きな分類として、高地と海があります。
海は写真で黒く見えている部分(日本ではウサギに見えるといわれている)が該当し、それ以外は高地となっています。
海は月の全表面積の17パーセントを占めており、特に月の表側に多く分布しています。

では、なぜ海は黒く見えるのでしょうか。
月が誕生した初期には巨大なマグマの海ができていたと考えられています。このマグマの海が冷えるにつれて、軽くて白っぽい結晶は表面に浮かび、重くて黒っぽい結晶はマグマの海の底に沈みました。
今から40億年ほど前に巨大な隕石が月に衝突し、直径数百キロメートルから千数百キロメートルという巨大な盆地ができました。
さらに数千~数億年後には玄武岩質マグマが生成し、これが上昇して衝突盆地を埋め、海が誕生したと考えられています。
月の玄武岩は、主に鉄に富む輝石とチタン鉄鉱という褐色~黒色の鉱物で構成されているため、月の海は黒っぽく見えています。


今度は月の表と裏の違いを見てみましょう。

(上が表、下が裏)

実は地球からは月の表側しか見えません。
その理由は地球を回る公転周期と月の自転周期が同じだからです。
月は表だけ見ていると、海が多い(約30%)ですが、裏側には海はほとんどありません(約2%)。

こちらの画像は日本の月周回衛星「かぐや」がとらえた月の地図です。右下に載っている縮尺を見るとわかる通り、月は思っている以上に起伏が激しい環境です。
kmオーダーの高低差が短距離で存在します。また、同じ色に見えるような海の部分でも、数mの高低差があったりもします。
このような高低差が激しい場所に着陸するのは大変難しく、平らな場所にピンポイントで着陸するための月面着陸機「SLIM」の開発をJAXAは行っています。( http://www.isas.jaxa.jp/home/slim/SLIM/toppupeji.html )

また、月面都市などが誕生するためにも面的に広い空間が必要だと考えられます。月の極地域はクレーターなどにより高低差が激しいため、都市に適している地形は比較的平らな海であると想像できます。
しかし月の重力1/6Gを利用し、高低差に対応した垂直方向の都市ができてくる可能性もあるかもしれません。


最後に月の縦穴と地下空洞について簡単に紹介したいと思います。
近年の研究により、月に穴が存在し、地下に空間が広がっていると考えられています。もしこの地が今後の探査などによって確実になったら人類の月探査の拠点になるかもしれません。
「Think Space Habitat vol.1」ではJAXAで月の縦穴・地下空洞について研究している郭さんが講演してくださるので、興味ある方はぜひお越しください。


参考
・月探査情報ステーション
https://moonstation.jp/
・JAXA
http://www.jaxa.jp/index_j.html
・月世界への招待
http://mo.atz.jp/index.html
・国土地理院
http://gisstar.gsi.go.jp/selene/index-J.html


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