今回の記事は「テラフォーミング」についてです。

テラフォーミングとは
惑星の大気や温度、生態系などの環境を、
人間が生息しやすくなるよう丸ごと作り変えてしまうことです。

現在、世界では様々な火星居住計画が注目を集めています。

アメリカのSpaceX社を創設したイーロン・マスクは
「40年から100年後には、火星は100万人が暮らす自給自足できる居住地を擁するかもしれない」と発言し、世界最大のビッグ・ファルコン・ロケット（BFR）を建造しています。

また、建築家のビャルケインゲルス率いるBIGは、
ドバイを敷地にドーム状の火星をシミュレーションした都市を建設する計画を発表しています。(https://www.dezeen.com/2017/09/28/bjarke-ingels-mars-science-city-space-exploration-dubai-united-arab-emirates/)

今回の記事のテーマであるテラフォーミングは
こうした計画に比べてフィクションじみた印象を受けると思います。
実際に、テラフォーミングの実現可能性はいまだ実証されていません。
仮にこれが技術的に可能だとしても、あまりにも規模が大きいことを考えると
経済的、倫理的な問題が多発することはさけられないでしょう。
ですが一方で、この構想自体は50年前から考えられていたという事実もあります。

ここからは、そんなテラフォーミングの方法について具体的に解説していきます！

火星を人間が住めるようにするには、
磁気圏を造ること、大気を造ること、そして温度を上げることの3つが重要になります。

火星の大気は比較的薄く、圧力も非常に小さいです。
一方、火星の大気の96%は二酸化炭素で構成されているため、火星が一度加熱し始めると、二酸化炭素が熱エネルギーを地表近くに維持するよう作用します。
これは温室効果といって、地球温暖化の原因となっている現象です。
つまり、火星を意図的に温暖化させ、火星に存在する氷を解かすことで水や酸素を確保するという考えです。
しかし、 太陽風が吹くと、こうしてできた水も消失してしまいます。
地球の場合は磁場があるため守られていますが、これは火星には存在しないので磁場を作り出す必要もあります。

現在提案されている方法では、
・巨大な鏡を火星の軌道上に設置し、太陽光を氷が確認されている火星の北極、
　南極に照射する
・火星に黒い藻類、バクテリアを散布し、太陽光を集める
・アンモニアや炭化水素など、より温室効果の高い気体を撒く
等が挙げられます。
特に藻類、バクテリアの散布は有力な方法として注目を浴びており、NASAの先進概念研究所は火星の土壌で酸素を生産するバクテリアと藻類や、これらをローバーで地中へ送るための装置の研究をしています。

火星のテラフォーミングは、まだSFの域を脱していません。
しかし、このメカニズムは地球にも応用できるのではないでしょうか?
例えば地球温暖化抑制のために、植物プランクトンを海中に散布する提案や、宇宙空間に金属片を撒き太陽光を遮断する提案が存在します。
他惑星を人間に住みやすく改変する技術が、地球そのものを同じ目的で改変する為につかわれるという滑稽な事態が将来起きるかもしれませんね。


今回の記事ではテラフォーミングについて書いてきました！
最後までお読みいただきありがとうございました。
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第３回目となるThink Space Habitatは 『宇宙建築×農業』をテーマに
2月17日 日曜日 13:30〜15:30 場所はX-NIHONBASHI（東京都中央区日本橋室町1丁目5番3号 福島ビル7階）にて行われます。
たくさんのご参加をお待ちしております！

↓Think Space Habitat vol.3 のイベント申し込みフォームはこちら↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfaFjRVm_UefPqSxpc6DktVklb3a57e6j4T0cfow_D4DuvfpQ/viewform?usp=sf_link

それではまた次の記事でお会いしましょう！

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【 今後開催・参加予定のイベント 】
2/9~10：宇宙ユニットシンポジウム (京都大学）
2/9~11：宇宙建築賞作品展～宇宙で暮らすためには～ (仙台市天文台）
2/17：Think Space Habitat vol.3～宇宙建築×農業～

《 参考文献 》
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/16/110400016/030800008/?P=3
https://en.wikipedia.org/wiki/Terraforming
https://en.wikipedia.org/wiki/Terraforming_of_Mars
https://jp.techcrunch.com/2018/10/20/2018-10-14-at-what-point-do-we-admit-that-geoengineering-is-an-option/
https://www.universetoday.com/127311/guide-to-terraforming/